日本酒まちがいさがしvol.2『【知識不要】日本酒を楽しむ簡単な方法』
ナカムラ440と申します。ふと気になった日本酒の事を書いていきます。
最近は日本酒がとても人気があるのでいろんなサイトでも見かけることが多いですね。日本酒で使う言葉や単語は難しいものが多いので日本酒のことを知っていく覚えていくのにとても役に立ちます。私も2年前にSAKEDIPLOMAの勉強をしているとき、テキストをやり込むだけだとどうしても情報が一面的になってしまって、質問の切り口が変わると正解がわからなくなってしまう、なんてことがありました。そんなときにはニュースサイトや日本酒関連サイトの記事がとても役に立ちました。
でも鵜吞みにしないでください。中には間違ったことを書いているものもあります。せっかく日本酒を覚えようとしているのにそれでは困ってしまいますね。なので日本酒記事の間違いを探しながら、正しい知識を身に着けるサポートをしていきたいと思います!第2回は「dino.network」の記事を取り上げます
dino.network とは
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(注)パワーピープルとは、会う人に力を与えてくれるような活力に満ちた人のことです。
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というマインドを持つ皆さまのために、
誕生したWebマガジンがdino.networkです。
ではでは2020年1月15日の記事
『【知識不要】日本酒を楽しむ簡単な方法』を題材にして始めます。
以下、dino.networkより引用しながら、間違いの個所を太字にしていきますので、どうまちがっているのか考えてみてください。
今回のお題
【知識不要】日本酒を楽しむ簡単な方法
====引用ここから====
ビール、ワイン、ウイスキー……洋酒が酒席を席巻し、日本人が日本酒と距離を置いた時期もあった。しかしここ数年、海外を含め日本酒が脚光を浴びはじている。それに伴い、国内でも日本酒を楽しむ人が増えているのだ。そこで今回は、日本酒を呑んでみたい! もっとよく知りたい!なんて人のために、日本酒の楽しみ方をご紹介。まずは、難しい知識を必要としない、誰もがすぐにできる簡単な楽しみ方を解説していく。
※取材協力:日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)
◆日本酒をブームで終わらせないために
ここ10年ほど、日本酒が若い女性たちを交えて“ブーム”になってきている。その理由はいくつかあるが、ひとつは、製法の進化によってフルーティーな香りが醸され、豊潤で美味しくなったことがあげられる。
意外、と感じるかもしれないが、日本酒の醸造方法は年々進化を重ねており、ひと昔前と比べても味は格段によくなっているのだ。
そして、海外での日本食ブームと共に、その日本食に合うお酒として注目されたことも大きいだろう。味も上品で美味しく、他のワインやウイスキーと比べて非常に安価とあって瞬く間に人気が集中したのだ。そんな海外での日本酒人気が伝播し、逆輸入のような形で日本に入ってきたわけである。
しかし、“ブーム”というのはいつか過ぎ去るものだ。せっかく日本酒を楽しむ機会が増えている今だからこそ、ただのブームで終わらせず、改めてその奥深い味わいや楽しみ方を理解していきたい。
まずは、その味わいを4つのタイプに分類して、誰もが簡単に日本酒を楽しめる方法をご紹介していこう。
言葉や知識に惑わされず、純粋に味を楽しもう!
大吟醸や純米酒、辛口や甘口といった言葉が先行し、『大吟醸だからまろやかな味』、『値段が高いから品のいい味』、『辛口と書いてあるから辛口の酒』といった、あいまいな先入観はないだろうか? 実はそれ、大きな間違いなのだ。(これに関しては、別の記事で詳しく解説していく予定)
まず日本酒を楽しもうと思ったら、最初にすることは頭の中からそうした言葉を払拭すること。そのうえで、目の前に出された日本酒を、自分の舌や鼻を利かせて、じっくりと味わってみる。
このとき、日本酒の味を4つのタイプにわけ、それをもとに飲み比べてみると、その日本酒の味がより鮮明に分かってくる。
このタイプが、四季に応じた行事や酒器(おちょこやグラスなど)、料理との食べ合わせといった、さまざまな項目に密接に関わってくるのだ。
まずは、銘柄や価格、種類といったところは一切無視して、気になった日本酒を口に含んでみよう。そこであなたが感じたことを、下記4つのタイプに当てはめてみてほしい。
■薫酒(くんしゅ)
香りの高いタイプ
味わいは比較的軽快なものが多く、甘い果実のようなフルーティーに香るものが薫酒の特徴。海外で日本酒ブームが起きたとき、それを牽引したのが薫酒タイプの酒である。
最近の国内の日本酒ブームの中でも、比較的多くの人が支持しているのが薫酒であり、大きく分ければ『大吟醸』、『吟醸』といったものが薫酒に該当する。しかし、『純米酒』や『無濾過生原酒』など吟醸酒以外のタイプの日本酒でも薫酒のタイプに属することもあるので、言葉だけでの判断はできない。
代表的な薫酒タイプのお酒
純米吟醸酒 出羽桜(山形県)・純米大吟醸酒 獺祭50(山口県)・純米大吟醸酒 久保田 萬寿(新潟県)など
■爽酒(そうしゅ)
軽快でなめらかなタイプ
4つのタイプの中でも最も軽快な香味。そして、すっきりとした飲みやすさが特徴で『淡麗』などと表記されることが多い。ライト嗜好が多くなった昨今の日本人の好みにもマッチし、実際に日本酒全体の70%近いシェアを、この爽酒が占めている。
『普通酒』、『本醸造酒』、『生酒』と表記されたものが、主に爽酒に該当する。また、地域的なところにも特徴があり、比較的淡麗な日本酒を造っている北海道産や新潟県産には爽酒が多い傾向にある。
代表的な爽酒タイプのお酒
純米吟醸酒 上善如水(新潟県)・吟醸酒 八海山(新潟県)・普通酒 吉乃川 厳選辛口(新潟県)など
■醇酒(じゅんしゅ)
コクのあるタイプ
米を材料にした日本酒ならではの旨味やコクを、存分に堪能できるタイプの日本酒。醇酒を「ふくよかな味わい」と表現する人も多い。主に『純米酒』、『山廃仕込み(または山廃酛)』と表記されたものが典型的な醇酒タイプになる。
また、『無濾過生原酒』といった香味の強いもの、アルコール度数の高い『原酒』、地域特性を反映した『地酒』なども醇酒に該当することも。もっとも日本酒らしい日本酒、として醇酒を好む人は多い。
代表的な醇酒タイプのお酒
沢の鶴 1973年醸造(兵庫県)・特別純米酒 人気一 1998年醸造(福島県)・達磨正宗3年古酒(岐阜県)など
■熟酒(じゅくしゅ)
熟成タイプ
無色透明ではなく、やや黄金色に色づいたのが熟酒。ドライフルーツのような濃厚で熟成した香りに、とろりとした飲み口で、口に入れた瞬間に濃厚な味と香りが口内に広がり、かなり個性は強い。
高価で希少性のあり、万人好みする日本酒ではない。3年以上(中には10年以上)熟成させたものが典型的な熟酒といわれる。ラベルに「古酒」、「長期熟成」と表記されたものが、熟酒のタイプに属する。
余談だが、「高い酒をくれ」なんて注文をすると、ほとんどの確率で熟酒が出てくることになる。
代表的な熟酒タイプのお酒
純米酒 山廃仕込み 天狗舞(石川県)・純米酒 大七 生酛(福島県)・純米大辛口 澤乃井(東京都)など
タイプから広がる日本酒の世界
味や香りの強弱はあるにせよ、どの日本酒も薫酒・爽酒・醇酒・熟酒に分類できる。
これまで甘口や辛口といった言葉に惑わされ、なにが好きなのかわからない……なんて迷っていた方も、上記を参考に自分の好みのお酒が分かれば、あとは簡単。
「フルーティーな香りのものを(薫酒)」、「すっきりした飲み口のものを(爽酒)」、「コクのあるお酒を(醇酒)」、「芳醇だけど飲みやすいものを(熟酒)」なんて注文をするだけで、お店側もイメージしやすく、あなたの希望するお酒が手に入るはずだ。
もちろんこれは、日本酒を楽しむための入り口に過ぎない。熱燗や冷やといった温度による味の変化や、それに合わせた酒器選び、料理との相性といった、もっともっと奥深い世界がその奥には広がっている。
このあとに続く日本酒記事では、より楽しむための知識やノウハウを紹介予定。ぜひ期待してほしい。
====引用ここまで====
間違い探しの解説
今回は簡単だったと思います。日本酒を「薫酒・爽酒・醇酒・熟酒」に分類するのは利き酒師の協会「日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)」が推奨しているので聞いたことがある人も多いことでしょう。流石にSSIが取材協力しているので記事の内容自体には間違いはないのですが、醇酒・熟酒の代表銘柄が入れ違いになってしまったようです。
代表的な醇酒タイプのお酒
沢の鶴 1973年醸造(兵庫県)・特別純米酒 人気一 1998年醸造(福島県)・達磨正宗3年古酒(岐阜県)など
これらは「1973年醸造」や「3年古酒」と書いてある通り熟成された酒:熟酒の代表銘柄です。確かに醇酒も熟酒もコクがあり味がしっかりしている点はよく似ています。ということで熟酒の代表銘柄も間違えているわけで。
代表的な熟酒タイプのお酒
純米酒 山廃仕込み 天狗舞(石川県)・純米酒 大七 生酛(福島県)・純米大辛口 澤乃井(東京都)など
山廃仕込みや生酛の酒はしっかり味がある酒が多いですね。天然の乳酸菌を取り込む醸造方法のため、乳酸により酸が高くなりそのあとの過程でもアミノ酸やコクといった複雑性が増しその分しっかりした味に感じられます。では純米大辛口澤乃井はどうでしょう。澤乃井のサイトでを見ると日本酒度は+10とさすがの大辛口。酸度は1.8とまあまあ高い方(でも天狗舞や大七は2.0を超える)。だけど蔵のコメントで「純米 / すっきりしてキレのあるタイプ」「澤乃井の定番酒。きっちりとしまった飲み口、きれの良い本格的な辛口。」とあることからもこれは「爽酒」に分類されるべきでは??でもまだ飲んだことないので、飲んでみてからどう感じたかコメントしたいと思います。
もう1か所は、お酒の選び方として熟酒を頼みたいときは「芳醇だけど飲みやすいものを」とあるけど、これはどうだろう。熟酒の説明で「とろりとした飲み口で、口に入れた瞬間に濃厚な味と香りが口内に広がり、かなり個性は強い」とあることからも果たしてこれを「飲みやすいもの」といえるかどうか。
実際多くの居酒屋や酒屋でSSIの分類を用いてお酒を説明してくれる店は多い。この分類方法はだいぶ市民権を得ているといっていいと思う。ただ個人的には今回の間違いのように「醇」と「熟」の持つニュアンスの近さからの誤解を生じるし、「薫」という字にしても香高いという意味であればシンプルに「香」という文字を使う方が良いのではと思ってしまう。「薫」とは鼻で嗅ぐ匂いという意味より、趣を感じるといった使い方で用いると思う。だとすると「薫酒」は「醇酒」のニュアンスに近くなってしまいここでも誤解が生まれてしまう。実際初めてSSIの分類を見たときは分け方としては面白い、わかりやすいと思ったが、漢字の意味からは理解できず間違って覚えてしまった。
でもこの内容は利き酒師の試験では必修、必ず覚えないといけない内容なのでまずは覚えて試験に受かってから自分なりの解釈で伝えるようにしていきましょう。
参考
日本酒の香味特性分類https://ssi-w.com/4types/
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