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中年女性、小学生のハイブラコスメについて思うこと

少し前に、おませな小学生が読むファッション情報誌にデパコス特集が組まれ賛否が起こった。

違和感を覚えつつも、明確な反対理由が思い浮かばなかった。

子供に化粧など必要ない。しなくても綺麗なのに、なぜその肌にわざわざ負担をかけるようなことをするのだろう。そう思うことは大人のエゴだろうか。
実際「子供は子供らしく」、自分自身子供のころに言われてうんざりした言葉である。しかし子供の心理的、行動的安全圏は子供の理解が得られずとも大人によって守られる必要がある。

最近では添加物などに配慮された子供向けの化粧品があるが、それではダメなのだろうか。

ハイブラのコスメを持つことの本質は化粧品の機能性以上に、BAによる手厚いカウンセリングを受けて気持ちが満たされたとか、美へのモチベーションが上がったとか、コスメの入ったポーチを見て気分がアガったとか心理的効能が主であることも多い。

そのように大人がハイブランドに求めるエンパワメント、あるいはアイデンティティの充足を子供の世界に引き寄せるのは健全とは言えないのではないか。やはり雑誌特集を組んだ編集者、OKを出した編集者の良心には疑問を感じる。

ただ、大人の世界にあこがれる子供たちの夢を広げてあげたいという願いも同時あるのだ。
私には小学生と中学生の姪がいるが、もしデパコスを欲しがるのならリップバームくらいは買ってあげたいと思うし、アナスイやジル・スチュアートのようなパケ強めアイテムは10代から20代半ばくらいが最高潮に楽しめるのではいかと思う。

私がデパコスに関心を持ったのは化粧を始めた20代前半のころからだ。
イケセイのブランドのカウンターには一通り座り、バースデー月にはノベルティをもらい、お気に入りのブランドをラインで揃えたりとても充足した思い出だ。

今は基礎化粧品は肌にあったドクターコスメ、チークとシャドウはキャンメイクといったドラストアイテム、下地はクレドポーボーテというデパコスのものを使っている。
自分に合っているものが分かるからもはやブランドによる心理的充足は必要ないが、そう思えるのはブランドにハマった時期があったからだ。

大人のブランドにあこがれる女の子たちも、どうか健全にブランドの洗礼をうけ、自分に合ったアイテムと自己肯定感を見つけてくれることを中年は願う。

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