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中年女性、甘いものの偏食と自己探求

チョコレートに年間10万円ほど使う。
甘いものが苦手だ。
正確に言うと、偏食が激しい。 

人に説明しづらいのだ。
食べ物の好き嫌いは脂身以外はほぼないので説明しやすいのだが、甘いものは全く法則性がなく自分でも全容の把握ができない。

偏食家の友人が何人かいて、彼らは言う
「食べられないもののほうが多いから一切気にしないで適当に注文して。
食べられそうなものだけ箸をつけるから」
非常にスマートな態度だと思う。こちらも気が楽だ。

しかし、甘いものは食事ほど日常のプライオリティが高くないこともあり、出されるだけでありがたい。そんな空気がある。
嗜好を他者に細かく説明する機会は多くない。

食べられないこともないけど得意ではないもの
・生クリーム
・カスタードクリーム
・チョコレートのサブレ
・一般的なパフェ
・加工された芋
・ザッハトルテ
・ガレットデロワ
・ほとんどの生ケーキ
・植物油脂のチョコレート(つまりほとんどのチョコ)
・プラリネ
・ピスタチオやナッツのクリーム

苦手なもの
・植物性の「ホイップ」
・抹茶味のお菓子(抹茶はすき)
・芋のクリームとかアイスとか原型をとどめない加工品(スイートポテトは好き)
・マジパン、パートダマンド

好きなもの
・キャラメル
・はちみつ、メープルシロップ
・アルフォート(全粒粉ビスケットと合わさるとなぜか平気)
・マシュマロ
・フルーツ系パウンドケーキ
・かき氷(普通のやつ)
・みつまめ
・ゼリー、パートドフリュイ
・コンフィチュール
・ホットケーキ
・ドライフルーツ
・カカオバターのチョコレート
・チョコモナカジャンボ

全体的にこってりしたものが苦手で、あっさりしたものが好きという傾向はあるものの、なぜ生クリームも植物油脂のチョコレートも苦手なのにチョコモナカジャンボは好きなのだ。

しかし、私の意味不明な嗜好を混乱させるのが、甘いものが持つ美しさだ。
パフェや生ケーキのシズル感、焼き菓子のきつね色の焼き目。スイーツは魅惑的な芸需品だ。
完食したら胸やけするとわかっていても目の前に現れた時の胸の高鳴りはそのマイナスを凌駕することもあるのだ。

体質的に脂肪分が苦手なので分別が必要な部分ではあるが、この甘いものの美しさが、己の偏食を究明せよと囁くのだ。
食べられないものは仕方ないが、甘いものへの姿勢を絶えず整えよと語りかけられている気がする。

たとえ解明される日が来ないとしても、甘いものへのリスペクトを通して一種の自己探求を続けていこうと思う。

[Photo:ジャドジュナン プラリネボンボン]


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