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中年女性、赤いきつねのCM炎上に関して思うこと

赤いきつねが食べたくなった。
まずこれ。

もともと赤いきつね派だ。
どん兵衛の麺の食感も良いが、あげの甘さが好きなのだ。それに赤いきつねの麺の「いかにも」なジャンクな食感はここだけの味だ。インスタントうどんが本物のうどんである必要はない。

そしてCMは気持ち悪いと思った。

性的と言うよりは原始的なぶりっこ仕草がアプデされないまま令和のオシャレアニメになってるのがなんだかむず痒かった。

・なぜか麺をすするときに目を閉じる。
・おあげを食べるときも口を尖らせて、小さく唇でかじるというより挟む。
・髪を耳にかける。

だりぃーーーーーーーー!
きめぇーーーーーーーー!
とは正直なった。

こういうのはピチレモンとかニコラとかを読むような、女性性にアイデンティティを据え始める小中学生のファーストステップ的ぶりっこ仕草ではないかと思った。
慣れないから過剰になり、過剰になるからこそ節度を学ぶ。健康的な通過点だと思う。

ちなみにこういう女は現実世界にもいるが、衆人環視のない家においてまでこのスタイルを貫く女がいたとしたらむしろ強い。すごい。偉い。


だいたいうどんにしろやきそばにしろジャンクフードが本物の食感や味だけを追求すればよいというものではない。ファンタジーにはファンタジーのデフォルメの妙がある。

・唇がつくとやけどするから歯茎をむき出しにして歯だけでおあげをかじる。
・髪は最初から結んでおく。
・目はがん開き。

誰かみたいのか?
どうせ「アニメなのにわざわざ下品」、実写にしたとしても「女優のすっぴん風メイクだろ」とかなんかしらで炎上するのだ。

性的というのは実はよくわかっていなかった。
「こういう非実在ぶりっこ女子を一部の男が現実にすり替えて、女とはこういうものだ」と思われるのはたしかにうっとおしさを感じるが、そういった層と現実世界で特に縁があるとは思えない。嫌なアカウントをブロックする、特定ワードをミュートする。どうしても嫌ならSNSを辞めるなりするしかないではないか。

「こういう非実在ぶりっこ女子に性的欲求を掻き立てられる男がいる」なんていうのはむしろ男の欲求の強さ対して女のほうが幻想を持ち過ぎではなかろうか。

炎上はもはやSNSの風物詩だが、気に障るものを燃やして騒いで口封じができると本気で考える人間こそ浅薄で未熟なのだ。
メーカーには毅然としていてほしい。

そんなわけで、来る日もくるひも赤いきつねの炎上がタイムラインに流れ続けるのですっかりきつねうどんの口になってしまった。

ここ2~3日ずっときつねうどんを食べ続けている。
とうとう自分であげを煮て手前できつねうどんを作った。
うどんは冷凍か乾麺が良い。

しばらくはきつねうどんを食べ続けると思う。

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