
中年女性、紹介で不義理を働く人物に憤る
中年女性はラジオパーソナリティをしている。
知名度の低いコミュニティ局だが、東京近郊なこともあるのかゲスト出演にとっても恵まれている。
大手ラジオ局では話題性やタレントが持つ特筆性が高くないと作品告知が難しいことに加え、スポンサー、金銭の絡むコネクションなどの利害もないコミュニティFMならではの良さはあるのだ。
以前共通の友人の紹介で、ある男性をゲストに招いた。素晴らしい作品を作る方で、次の新作が出たらまた来ていただきたいと思っていた。
そして先日新作が出ることをSNSで発信されていたので、またゲストに来ていただけたら嬉しいなあ……と思っていたら、同じ局の別のパーソナリティAの番組に出演が決定していることを局webサイトで知った。
え、私の友人の紹介で入ったんだったら、少なくとも私は通すのが筋じゃないの?
こういった「コネのひとつ飛ばし」について、以前だったらそんなことを気にして了見の狭いヤツ……と思っていた。
だが、私自身がフリーランスとして活動していく中で、誰かの紹介であるということは、紹介してもらった人の立場を守る責任が伴うと思うようになった。
私が紹介した場合は「何かあったら間に入るから言って」と必ず伝えるし、仮に実力があったとしても約束を守らない、レスが遅い、不義理を働きそうな人物に大事な知人は紹介しない。
当然私も紹介される立場であれば同様の責任を負う。
だから時に紹介はとっても面倒だが、その面倒と引き換えに自分の活動を広げるきっかけを得るのだ。
パーソナリティAは友人なので事情を聴いたところ、ゲストから直接連絡があり、「なんで私?」とは思ったけど深く考えずに受けてしまった。気がまわらずごめん。と謝られた。
たしかに一言言ってくれても良かったが、問題はまったくそこではない。
ゲストが私に連絡をしないなら同じことだ。
放送後Aから教えてもらった。
ゲストは、私がラジオ局を辞めたと思っていたのだそうだ。
そのゲストとはSNSで相互フォローである。
私は告知用に番組内容やオンエア曲を毎週発信しており、これを以ってなお「辞めた」と思ったなら、間違いなくミュートをしているのだろう。
ミュートすること自体はどうだっていいが、タイムラインの確認すらしなかったのだ。
そもそも多少なりとも義理立てする気があれば辞めてようが一報入れるくらいするはずだ。
つまりそれが私に対するゲストの答なのだ。
「憤った」というよりは、とても残念な気持ちだ。
私が何か嫌われるようなことをしたのかもしれない。
だが、もう取り繕う必要もない。
最近はやっとそう考えられるようになった。
ナメられたと感じたらワンアウトでバッサリ切るのだ。
去年立てた人間関係の目標を少しづつ実践している。
なんでもかんでもワンアウトというわけにはいかないが、今回は許されるだろう。