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17歳のカルテ

情緒不安定なスザンナな「境界性人格障害」と診断され精神科に入院、そこで様々な問題を抱える同年代の少女たちと出会う。
少女たちのリーダー格・リサを演じたアンジェリーナ・ジョリーがアカデミー助演女優賞を受賞。

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今年公開された2本の映画に使用された60年代の曲でこの映画を思い出し、久しぶりにNetflixで観ました。

まずはわたしはの2021年ベスト『エターナルズ』から「The End Of The World」。

元々の曲は温かみのあるオールディーズという感じですが、それが壮大なヒーロー映画とマッチしていたのが印象的。
『17歳のカルテ』ではラスト近くのあるショッキングなシーンでこれが延々流れていて、その現実とメロディとのギャップに心が引き裂かれ、でも歌詞を考えるとああそうか…って感じになってやるせない。

2本目は現在公開中の『ラストナイト・イン・ソーホー』から「Downtown」。

アニャ・テイラー=ジョイによるカバー。
気だるい歌声がなんともムーディですごく雰囲気がある。
楽しい夜の街に誘いながら同時にとてつもない孤独感も伝わってくる、そんな曲です。
『17歳のカルテ』ではウィノナ・ライダーがギターを弾き、アンジーと共にこの曲を歌うシーンがこの映画のなかで最も幸せな瞬間でした。

上記2曲はちょいちょいいろんな映画で耳にするので映画との相性が良いのか、その2曲とも使用していた『17歳のカルテ』の音楽センスがよかったと言えるのか?

さて『17歳のカルテ』についてですが、当時やっぱり一番記憶に残っているのは日本劇場公開作品としてはほぼデビュー状態だったアンジェリーナ・ジョリーの衝撃でしょう!
とにかくエキセントリックで魅力的だけれどいつキレるか分からないリサというキャラクターは、ギリギリまで短くした前髪の下にある鋭すぎる目とインパクト大の唇、小枝みたいに細く長い四肢と身体…などのアンジーの外見的特徴が合わさって全く予想してなかった化学反応が起きた!というインパクトでした。
そのせいでどうしてもアンジーばかりが目立ってしまい、どちからといえば優等生タイプのウィノナが影に隠れてしまった…というのは有名な話ですが、この2人以外にもクレア・デュバルやエリザベス・モス、あと何気にジャレッド・レトも出ていて豪華です。

そしてこれは映画を評価する際に話を絡めていいものか悩む、非常にセンシティブな件ですが、39歳で心不全で急死してしまったブリタニー・マーフィが演じたキャラクターの悲劇性も、今観るとどうしてもブリタニー自身と重なってしまい(もちろんその起因は全く違うのですが)言葉にならなくなる…そんな一本でもあります。

それでも、というかそれも含めてこの映画に一種の永遠性を感じるのは、劇中の60年代も製作時の90年代末もそして現在も「孤独感」をもって私たちは繋がっている、と感じられるからでしょうか?
単に「思春期」とくくって終わらせられない、そんな経験を描いた映画です。

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