長続きするつけ麺屋に必要なのは、万人受けする味と中毒性
私はつけ麺が好きで、3年ほど前まではあちこち食べ歩いていました。
今は落ち着いていますが、それでも足を運んでしまう店は「やすべえ」です。
東京23区に9店舗展開しており、大阪の道頓堀にもあります。
2001年に高田馬場店で食べたのが最初で、それ以降ほぼ辛味噌つけ麺+野菜(茹でモヤシ&キャベツ)を注文し、100回近くは食べているはず。
麺は大勝軒チックの太めの卵麺で加水率が高いやつ。つけ汁はかなり甘めです。
正直に言って、つけ汁はここより魚介系の出汁が効いている店は、いくつもあるでしょう。だけど普段使いの店として重宝で、ついつい通ってしまう。友人を連れていっても受けがいい。
理由を考えたのですが、卵麺はツルツルして万人受けします。口に含んだ時が幸せ。これに対して加水率低めの全粒粉の麺も、味わい深いけど人を選びます。
つけ汁はクセがないのでこれも万人受け。辛いのが好きな人は辛み○○のメニューをチョイスすればよい。
麺量は並・中盛り・大盛りが同一価格。
私は後半は卓上の刻み玉ねぎ・削り節・酢を投入して味変し、最後はスープ割りで楽しみます。
まあここまでなら、同じような店はいくつもあります。
しかしこの甘めの汁が曲者なのです。和食って砂糖無しには味がまとまらないですよね。やすべえはおそらく砂糖を多めに使っていると思われますが、これが味噌や醤油のしょっぱさを緩和して、中毒性を引き出しているのではないかと。
外食においては、バランスのよい美味しさは必要ですが、少し突出した部分がないと心に引っかからないのも確か。私も本来甘いのは苦手なほうですが、術中にはまっているのでしょうね(笑)
ご存知のとおり、今はラーメン・つけ麺のレベルが全体的に上がっており、生き残るのが大変な状況です。ところがやすべえは、開店以来20年近く経っても客足が途絶えず、近年は外国人観光客にも人気です。
万人受けする味と中毒性が、リピーターを呼び込んでいると考えます。
中毒性といえば、「蒙古タンメン中本」もそうかもしれません。単に激辛というだけではなく、激辛の中にある旨味が評価されているのだと思います。あと二郎も、あのトッピングの提供スタイルに中毒性がありますよね。
とりあえず万人受けと中毒性が、長続きするサービスのヒントになるのではないかと、無理矢理ビジネスっぽいまとめにして終わりにします。