一つのジャンルに縛られていた僕が、新しいジャンルに心を許した理由:90's HIp HopからGlitch Hopへ
どうもこんにちは。音楽関連事業をやっている株式会社クロスフェーダーの名波です。
Gravityという音声SNSで「シェアリス」という音楽の遊びをやっておりまして(9月末で200回開催となりました!)。その音楽体験を広げる絶大な効果について話したいなと思っています。
一度、note記事を書いたものの、抽象的すぎてスタッフに酷評されまして笑。僕の体験から語ろうと書き直しました。
青春時代と90’s Hip Hop
昭和生まれの僕は、高校〜大学時代がちょうど1990年代にあたります。90年代の真ん中で大学に入って、キャラでもなかったのですが、当時はちょっとマイナーだったストリートダンス(Hip Hop)を始めました。ダンスをきっかけとしてHip Hopを聴くようになる訳です。
90年代、特に前半はHip Hopの第一次黄金時代と言われていました。それはそれは貪るように聴きました。新譜をおっかけ、リアルタイムで聴けなかった90年代前半を遡り、またレコードにも手を出して、ひたすら収集・視聴したものです。クラブでもその音楽で踊り狂っていました。
2000年に大学卒業後も、集めきれていなかった90年代の再発モノを買い続けました。気がつくと1,000枚くらいの所蔵になりました(とは言え、収集家からすると大した枚数ではない)。20代後半も引き続きクラブにも行っていました。
30代になっても、あの頃の音楽が最高と信じ、そればっかりを聴いていました。
「あの頃の音楽が最高!」って言う僕って、なんかカッコ悪くない?
2011年(36歳)になったときに、就職してから住んでいた東京から京都に移りました。そして学生時代に一緒していたダンサーやDJの人とまた遊ぶようになりました。
その人たちが
「おっさんの、おっさんによる、おっさんのための90’s Hip Hopイベント」
を2ヶ月に一度くらいの割合で開催していました。当然そこに行く訳です。そしてめちゃくちゃ楽しいのです。当たり前です。最高と信じる音楽を大音量で浴び、ダンサーの友達と一緒に踊り狂いました。毎回通い、DJもさせてもらったりもしました。
楽しいはずのある時、ふと心に浮かんだのが、
そう思った理由はこうです。父親くらいの世代はBeatles全盛でした。その世代の人たちは若い時にBeatlesを聴き込み、また周辺の音楽を聴き漁ったはずです。その後、結婚なり育児なりで音楽を聴くことがなくなります。50代、60代になって時間に余裕ができて昔聴いていたBeatlesを再び聴くのです。で、そこで言うのが「Beatlesが最高!」
と思っていたことに気づきました。
うわー、めちゃくちゃカッコ悪い。そんな36歳の冬でした。
じゃあ、どうしたらいいの?
そう思った僕でしたが、途方に暮れます。90’s Hip Hopが至高と信じ、それ以外の音楽には見向きもしなかったので、「どんなジャンルの、どの年代の、どんなアーティスト」を聴けばいいのかわかりません。
Spotifyなどのストリーミングサービスは、なかなか日本で始まらず、AIによるサポートも受けられませんでした。
師匠登場!「90’sセンスで今の音楽、いってみよう」
僕には師匠がいます。ダンスの師匠です。その人はDJもしており、音楽に非常に詳しいです。その人に、今の音楽を聴きたいのだが、どうしたらいいかわからない、アドバイスをくれと尋ねました。
師匠曰く、
なるほど!目からうろこ、いや耳からうろこでした。
ということで、そんなスタンス?アプローチ?立ち位置?で違うジャンルの音楽を聴いてみました。
確かに、師匠の言うとおりでした。
Glitch Hop?でも、なんかしっくりこない
師匠はもう一つヒントをくれました。
EDMのサブジャンル(正確に言うと違うんですが、それはまたの話)でGltich Hopってのがあり、HopがついているのはHip Hopの要素が強く、BPMで90〜110なので、聴きやすいと思うよと。
で、Beatport(DJ用音源サイト)でGlitch Hopのチャートを上から舐めるように聴いてみました。確かに今のHip Hopっぽい。FunkやJazzがサンプリングされた曲は実にかっこいい。
でも当時のEDMの流行りだったWabble Bassのゴリゴリ感がフィットせずというか、なんというか、、、つまり残念ながらハマらなかったのです。
自分で探せないなら、教えてもらえばいい
話は逸れますが、2021年の年始にClubhouseが日本に上陸しました。今は見る影もなくなりましたが、当時、爆発的に流行りました。僕もローンチ直後から熱心なユーザーになりました。音楽を聴くRoomも数多く立ち上がり、音楽関係者の集まるコミュニティに参加したり、Room内で音楽イベントをしたりしてました。
で、ある時、閃きました。
シェアリスという遊びを始めてみた
ということで、Clubhouseで「音楽を教えてもらう部屋」を始めてみました。当時のタイトルは、「1人1曲ずつ紹介し合う部屋。主が気に入ればポチる。クラブミュージックでお願い」でした。
ポチる理由は、「おすすめしてくれた人に対してリスペクト」を、「アーティストにはお礼」をしたかったからです。DJするのにはデータが必要だったのもあります。クラブミュージックに限定したのは、元ダンサーなので踊れる音楽が欲しかったことがあります。
やってみると多いときは40人くらい来てくれました。そして、みんないい曲を紹介してくれたのですよ。結局、教えてくれた曲は、ほぼすべてポチりました(苦手なレゲエだけはやっぱりダメでした笑)。その年に結局30回以上やり、年間で「1,000曲」ポチる事態に。
結果として、僕の音楽世界は飛躍的に広がりました。そして何より教えてもらう体験、つまり「なんだ、この曲は!」という鳥肌級の曲を聴く瞬間を共有する素晴らしさを感じました。
Clubhouseで知り合って、リア友にもなっていた人から、「音楽をやるならGravityの人たちのほうが感度が高いよ」と教えてもらいました。ということで、廃り始めていたClubhouseを離れ、Gravityという別のSNSに場を移し、合わせて「シェアリス」というRoomを始めました。「シェアードリスニング(聴くを共有する)」音楽体験という意味合いから名付けました。
そして、Glith Hopを再発見!
2024年の1月。友人の音楽アーティストをゲストに迎えてシェアリスのRoomをやっていると、その彼が、この曲を教えてくれたのです。
ラテン調の始まりから、突如ハードなエレクトロに入る、この展開の瞬間に痺れました。BPMにすると115。ちょっと早いですが、Hip Hopダンスが踊れました。本当に何度もリピートしました。2024年10月の投稿段階でも「今年知った曲でベスト1」です。
聴いていると、
僕のライブラリを見返すと、昔集めたのが100曲くらいありました。おずおずと聴き返してみると、カッコいい曲ばかり。つらかったハズのWabble Bassが体に馴染みます。多くの人が「年月が経ってから聴いてみるとまったく違って聴こえる」という体験を語っていますが、それが僕にもやってきました。
そこからGlitch Hopを探す旅が始まりました。青春時代のHip HopをDIGる熱量で。しまいには趣味のDJのメインジャンルがGlitch Hopになりました。
余談なので、また詳しく語りますが、Glitch Hopは、EDMのサブジャンルとしてはマイナーで、ここ最近リリースがほとんどないジャンルになってしまい、ある意味DIGり甲斐のあるジャンルとなっております。
シェアリスは鳥肌級の音楽に出会えると銘打っておりますが、まさにその体験をシェアリスを作った本人がしたという話でした。
みんなもシェアリスに参加してみない?
2024年9月27日に開催回数が200回を迎えたシェアリスに、参加してみませんか?
まずはシェアリスのLINEオープンチャット・discordサーバーに、ご参加いただけるといいかと思います。シェアリスの開催予定、できあがったプレイリストのご案内をしています。
オープンチャット「シェアリス〜音楽を教え合おう!〜」
一緒に最高の音楽に出会いましょう。