1つの8小節トラックからフル尺の曲が生まれた “ゆっくりすればいいじゃん”
10秒で高品質なMVが作れるアプリ「ムビート」を提供している株式会社クロスフェーダーの名波です。よろしくお願いします。
8小節トラックアワードで見事、最優秀賞に輝いたTaiyo Kyさんに入賞を機にインタビューさせていただきました。素晴らしい曲を作られた人物像に迫ります。まずはその珠玉の1曲「ゆっくりすればいいじゃん」をお聴きください。
(動画は、当社アプリ「ムビート」で作成してます)
※ Taiyo Kyさんを囲む会を企画しました。詳細は末尾にて!
忙しい一日だったよね。だから家に帰ってゆっくりすればいいじゃん
Taiyo Ky - ”2時間の仕事のために、片道2時間かけて仕事に行って疲れたある日。でも明日は休み。家に帰ってゆっくりしたい。その気持ちから生まれたこの曲。聴いた人が「ゆっくりしよう」という気持ちになってくれるとうれしい。”
初めて聴いたとき、まさにそのような気持ちになりました。Taiyo Kyさんの思惑通りです。
私は、音楽を聴くときはすべて音で聴く、つまりボーカルも楽器で意味は入ってこないのですが、この曲はすーっと歌詞が入ってきました。8小節という短い尺は、リスナーの集中力が自然と上がって聴けるのかもしれません。とこう書いていて8小節の可能性を1つ見つけられました。ラッキー!
今回、8小節トラックアワードと銘打ち、募集したのでインストのダンスミュージックの応募がほとんどだろうと考えていました。その中でボーカルあり、かつこのクオリティ。本当に意表をつかれました。そうきたか! まだまだ開拓されていない8小節の可能性を感じた瞬間でした。
尺の短いコンテンツが人気の中での8小節トラックの意味合い
Taiyo Ky - ”TikTokのショートムービーが流行っていたり、音楽がどんどん短くなっていたり、テキストも長いものは読まれなくなっている。そのような中で音楽として非常に短い8小節トラックを作ってみると、短い尺でも面白い曲が作れることがわかりました。時流に乗ったコンテンツだと思う。”
こちらは我々の思惑通りです 笑。
もともと8小節という枠組みは、私がダンサーだったことから生まれました。8小節はダンスの最小単位で、その8小節の組み合わせでダンスは展開されていきます。つまり最小の8小節で気持ちがよくないものはダンスとして成立しません。8小節で曲が成立するという考え方は、私がその気持ちよさを体で知っているからできたと考えています。
今回の8小節トラックアワードを契機に、8小節の音楽を楽しむという文化を作っていきたいと考えています。熱い思いの詳しくは、こちらご覧ください。
https://8bars-music.com/front
8小節トラックをきっかけに1曲を仕上げた
Taiyo Ky - ”作った8小節をもとに3分の曲まで持っていけました。”
フル尺バージョンです。ぜひじっくりお聴きください。
我々は8小節を俳句になぞらえます。誰でも5・7・5は言えるけど、聞かせる・読ませる1句を作るには相当のスキルが求められます。別の言い方をすると、その世界に入るのは簡単、入ってみると奥深いということです。
フル尺を作るのは、その俳句を小説にする感じでしょうか。
Taiyo Kyさんのように8小節という最小単位から1曲まで世界を広げた方が出てきたのは非常に嬉しかったです。まずは8小節を突き詰めてから考えると、その後の広がりが出て作りやすいのでしょうか。またTaiyo Kyさんにお聞きしたいところです。
三沢、サイパン、ラスベガス、クアラルンプール、ベルリン、オーストラリアと多くの国で育んだ感性とスキル
Taiyo Ky - ”幼少の頃、アメリカ人の母の都合で世界各地を回っていた。楽器としてはピアノ、サックス、バンドでギター・ボーカルをしていた。いろんな楽器ができるのは今に活きている。”
Taiyo Ky - ”その後、クアラルンプール、ベルリン、オーストラリアに音楽留学。ベルリンでHipHopとDTMに出会った。”
お母様がアメリカ人で米軍基地で教師をしてらして、その転勤であちこちに行っていたとのこと。その後もアジア、ヨーロッパ、オセアニアの3ヶ所に音楽留学。今回飛び抜けた曲になったのは、特殊であったり多様であったりの環境に身を置いていたからかもしれません。
陳腐な分析かもしれませんが、①日本人としての感性、②アメリカ人としての感性、③アメリカ文化の洗礼、④大陸をまたにかけたご経験の掛け合わせが非常に優れた作品になったのかもしれないなと思います。そんな経歴の方が日本語の歌を乗せた8小節を作る。味わい深いポイントです。
マレーシアを拠点に本格的な音楽活動を続ける
Taiyo Ky - ”今後は大好きなマレーシアに引っ越し様々な企業やアーティストに楽曲を提供しながら自身もアーティストとして音楽を続けたい。”
もともと日本に留まらない音楽制作を続けてこられたTaiyo Kyさん。今後はマレーシアで活動予定とのこと。1年ほど前にアップしたLo-FiのSpotify配信をきっかけに、シンガポール、マレーシアの企業からオファーがあるそうです。
ここで脇にそれて私の話です。長年東京で働いていましたが、学生時代を過ごした京都に住みたくて移住して10年が経ちます。好きな場所にいる、ただそれだけで精神的・肉体的に満たされます。だからこそ生まれる仕事のパフォーマンスもあると考えています。その経験から僭越ながら、マレーシアに移住後は、Taiyo Kyさんのさらなるご活躍が期待できると考えます。
また、当社のアプリ「ムビート」のダウンロードの半分は海外からとなっています。グローバルで活躍されるTaiyo Kyさんをサポートできるプラットフォームに育てて行きたいと考えています。
8小節トラックのこれから
これまでの記事の繰り返しですが、今回531曲ものご応募がありました。実のところ10曲しか来なかったらどうしようと思いながら手探りで8小節トラックアワードを始めました。結果としては数もそうですが、クオリティがあまりに高くて入賞枠を3曲から26曲に広げることにもなりました。また想定を越えた作りがなされた曲の応募もあり、8小節トラックの可能性は広がりました。
主催者として、これほどうれしいことはありません。引き続きアワードの企画・実施をしていくとともに、今回の手応えをベースにしたコンテストに留まらないいろんな取組みをしていきます。ご期待ください。
アーティストインタビュー、続けます。
現段階で40人の方にインタビューしています。音楽が大好きということを当たり前の前提として、本当にさまざまなバックボーンをお持ちで面白い話にあふれています。
多様なバックボーンからから生まれた曲をより楽しむスパイスとなるコンテンツとしてインタビュー記事をアップしていきます。よろしくお願いします。(40人の枠を越えて追加インタビューも企画しています。)
Taiyo Kyさんを囲む会、Clubhouseで開催!
「8小節トラックアワード最優秀賞に見事輝いたTaiyo Kyさんとともに語る8小節トラックの作り方」のイベントをClubhouseで行います。ぜひご参加ください。
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日時:6月22日(土)22時〜23時
場所:Clubhouse
内容:
・どうやって作ったか教えてもらおう
・Taiyo Kyさんが応募したもう3曲を聴こう
・上手に8小節を作るコツをみんなで話そう
・8小節からフル尺への育て方
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今日は、8小節トラックアワード最優秀賞のTaiyo Kyさんってこんな人だよという話でした。
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