卓越したプロをも引きずり込む8小節ワールドという沼地
10秒で高品質なMVが作れるアプリ「ムビート」を提供している株式会社クロスフェーダーの名波です。よろしくお願いします。
今日は、8小節トラックアワードでテーマ賞を受賞されたissei yabuuchiさんのインタビュー記事です。テーマ賞というのは、曲名の世界観を見事に表現している曲に授与させて頂いています。isseiさんは20年のキャリアをお持ちのプロのアーティストで、そんな方にもご応募いただいて本当に光栄です。
どんなジャンルでも作れるisseiさんですが、他に応募がないということで、ワールドミュージックをコンセプトに狙ってご応募いただきました。
その1曲をお聴きください。
(動画は、当社アプリ「ムビート」で作成してます)
8小節という短い時間の中で、きっちりと必要な要素が詰め込まれていて、起承転結があります。だからでしょうか。次の展開が自然と頭の中で鳴るような気がしてきます。我々は8小節を俳句に例えます。5・7・5は誰にでも言えますが聞かせるには相当のスキルが必要です。この曲はまさに手練の俳人のようです。恐れ入りました。
8小節という枠組み、音楽×映像の融合に対する驚き
issei yabuuchi -“8小節トラックアワードの企画を見たときに直感的に大きな衝撃を受けた。”
isseiさんがTwitterで8小節トラック企画と出会ったときの感想です。我々がアプリ「ムビート」を運営してきての気づき「8小節でも音楽は成り立つ」が伝わった瞬間であると考えます。プロのアーティストに衝撃を与えられたのは極めて大きな自信につながりました。
issei yabuuchi -“8小節しかないので、とにかく考えることが、ダラダラしないこと、盛り上げの前段階はいらないこと。デフォルメが必要。写真を撮るのに似ている。どの一瞬を切り取るのかを考え尽くす必要がある。”
8小節トラックを「一瞬を切り取る写真の撮影」とする表現をいただきました。俳句の例えにもう一つの例えが加わりました。
ベテランのアーティストにここまで考えさせる枠組みなのだということに我々も驚いています。今後さまざまなアーティストの多様な曲が積み上がっていけば、8小節の方法論が蓄積・洗練されて、より素晴らしい曲が生まれていくイメージが膨らみます。
issei yabuuchi -“音楽を聴くスタイルとして、オイシい8小節でリスナーの耳目を引き、フル尺につなげるセットは一般的になると思う”
コンテストの従前から、さまざまなコンテンツがユーザーの可処分時間を争う現状、コンテンツはどんどん短くなっています。そのような環境で、8小節を聴かせることをきっかけにして、フル尺の音楽を深く聴いてもらうしかけは非常に有効であると考えていましたが、お墨付きをいただきました。ありがとうございます。
issei yabuuchi -“音楽がムビートで映像と融合されてSNSで拡散されるのがいい。踊れない人でも踊ってくれているような出来上がりが楽しめる。”
「制作する→応募する→発表される」で終わるのが通常のコンテストですが、我々は「制作する→応募する→発表される→曲が動画で使われる」というエコシステムを作りたくて、その一環としてコンテストを位置づけていました。
また、ムビートは、ローンチ時に「動画がリズムを刻んで踊りだす」というキャッチをつけていました。isseiさんご自身がムビートで作った動画によって、そのコンセプトを伝えることができたようです。
8小節トラックアワードについても、ムビートについても、その特長も的確につかんでいただけて非常にうれしかったです。
高校時代のブラックミュージックとの出会い
issei yabuuchi -“高校時代にAcid Jazzをやるバンドを始めた。Princeに憧れた。そうこうするとJazzギタリストになりたいと思うようになった”
実はisseiさんと私は同年代なのですが、久しぶりにAcid Jazzという単語を聴いて懐かしくなりました。流行ったのですよ。1990年代に!
Acid Jazzをバンドでやるというのは、名古屋(私の出身地)のある意味クソ田舎では発生しない事象です(そんなことなかったらすみません。名古屋関係者には先に謝っておきます)。超オシャレです。さぞかしモテたのではないかと推察します。
Acid Jazzの代表曲を選ぶとするとこれでしょうか。異論はもちろん認めますよ。
私の話をすると、高校時代にEarth, WInd and Fireを聴いて何だこのごりごり気持いいベースラインは!からの大学時代に始めたダンスを通じて知ったHip Hopにドハマリしました。
そこからHip HopのサンプリングネタをおっかけてSoul、Jazzを少しかじるようになりました。いいのですよ。ブラックミュージックは。とにかく。この脱線話は、ブラックミュージック好きとしてのシンパシーをバリバリ感じましたということです。
バークリー音楽大学に奨学金で留学したエリート
isseiさんは、高校卒業後にギタリストとしての腕を磨くため、Musicians Institute, Hollywood(MI)で学びました。習得したいのが日本人にないセンスだったとのこと。ブラックミュージックの泥臭いBluesのフィーリングを体感したかったんだと仰っています。ロス・ボルトンというFunkギターが超絶な先生に師事したそうです。
一旦帰国して出入りしていたスタジオのエンジニアミキサーに、プロデューサーを目指すと良いとアドバイスされ、楽器演奏だけではなく、作曲や、編曲、録音を学びたいなと思っていたころ、ちょうどアメリカの名門音楽大学”バークリー音楽大学”の奨学金試験の募集があり、合格してボストンに渡りました。
帰国後は、バンドを経てツアーミュージシャンをしていたそうです。有名どころではRIP SLYMEなどとのこと。アーティストとしてはやりきったと思い、音楽プロデューサーとして広告音楽を手掛けます。その後独立してゲーム音楽、映画音楽を中心に活動されています。
issei yabuuchi -“ずーっと音楽人でいたい。偉くなって作れなくなるのは嫌”
高校の普通科を出て、周囲がするように日本の大学を経てサラリーマンになった身としては想像がつかないキャリアです(起業後のここ3年は完全に道を外れていますが)。
30歳で音楽理論を捨てる
issei yabuuchi -“音楽理論に縛られている限り練習曲しか作れない。”
音楽プロデューサーを始めた30歳のときにそう決断したのだそうです。音楽アーティストではない私からは何を言っているのかわかりません 笑。
issei yabuuchi -“作曲は、コンピュータで絵を書いている感覚。譜面にも起こさない。頭で鳴っている音を作り込む。自分の個性を出す必要もない。個性を出そうととんがっているのを捨ててみようと思った。”
もはや何をおっしゃっておられるのか!という感じです。
理屈ではなく、自分の感性を軸にするということでしょうか。でもそれだと自分の個性がでてしまいますよね…。頭の中どうなっているのでしょうか。
私がコンサルタントとして培った論理構成力を土台にしつつも、40歳を過ぎてBtoC、しかもクリエイターばかりの世界に飛び込んだ経験から推し量ってみましたが、ここが限界です!
プロでも応募できるコンテストはうれしい
issei yabuuchi -“たいていのコンテストは、アマチュアに限ることが多い。今回はプロでもOKなのがうれしかった。楽しませてもらった。”
プロ・アマ問わないのは少ないのですね。我々としては初めての取組みだったので知らなかったところです。趣旨としては、初級者には入りやすく、上級者には手応えのある枠組みなので、両方募集させて頂いたのですが、結果としてプロが練り込んだものを聴けて8小節の可能性の広がりを感じて本当に興奮しました。
ムビートのご利用はこちらから!
冒頭で紹介した動画は、弊社アプリ「ムビート」で作れます。
ご興味のある方はインストールお願いします!
今日は、8小節トラックアワード テーマ賞のissei yabuuchiさんってこんな人だよというお話でした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?