売り手市場でもサラリーマン&就活生にとって不利?!【ポテンシャル採用・通年採用とは?】
サムネール:Photo by Daria Shatova on Unsplash
***********
・転職しやすい時代って言うけど、ホントかな・・
・転職したいけど不安・・
・将来、転職を考えているけど、有効に活用したい
・面接に自信がない
・”ポテンシャル採用”について知りたい
***********
今回はこのような悩みを持った方にとって、参考になる内容です。
では、まず結論を書きます。
結論:転職、就職しやすい時代といわれていますが、くれぐれも慎重に!
こんにちはワダなおです。
現在、転職する側にとって有利な時代といわれています。
少子高齢化などで、企業側は慢性的な人材不足です。
人材は、会社にとって大切な経営資源です。
近年、企業側は採用方法、採用基準を変え、求めている人材のスキル・能力も急速に変化しています。
今回は、その辺りも含めて深掘りしてみます。
”売り手市場”と”買い手市場”
Image by Keshav Naidu from Pixabay
転職・就職市場で、”売り手市場””買い手市場”ということばを使います。
現在は売り手市場といわれています。
どのような状況を指すのか、少しおさらいしてみましょう。
***********
〈”売り手市場””買い手市場”とは?〉
・売り手市場:採用企業より転職希望者の方が少なく、転職希望者が優位に立っている状況
・買い手市場:採用企業より転職希望者の方が多く、企業が優位に立っている状況
転職市場を全体で見たとき、好景気のときが売り手市場、不景気のときは買い手市場です。
***********
とはいえ、「今が転職のタイミングだ!」と思うのは早合点。
同じタイミングでも、ある職種では売り手市場で、別の職種では買い手市場など、実態は混在しています。
ですから、自分の業種・職種の状況を見極めることが重要です。
自身の業種・職種が、いま、売り手市場か買い手市場かは、”有効求人倍率”から読み解けます。
***********
〈有効求人倍率とは〉
分かりやすく言うと「仕事の数」を「仕事をしたい人の数」で割った数値。
「月間有効求人数」÷「月間有効求職者数」
月間有効求人数は、前月から繰越された有効求人数(前月末日現在において、求人票の有効期限が翌月以降にまたがっている未充足の求人数)と、当月の新規求人数の合計数をいいます。
1人の求職者に対して、求人が何件あるかを示す数値。
***********
つまり、有効求人倍率が「 1 」以上なら、求職者に対して1件以上の求人がある状態です。
ですから、1以上ならば仕事が選べる状態になります。
さて、有効求人倍率は、業種・職種・地域ごとに異なります。
厚生労働省のサイトで算出結果が見られますので、ぜひ覗いてみてください。
参考サイト→ 一般職業紹介状況(職業安定業務統計)
当たり前ですが、人気のある業種、職種、さらにエリアは求職者が集まりますからね。
自分の業種、職種が”売り手市場”か”買い手市場”か把握することが重要です。
売り手市場の業界・職種を見極めるコツ
有効求人倍率を見ると、1を下回る業種、職種、エリアもチラホラ見られます。
これは”買い手市場で企業側が有利な状況”です。
しかし、ここ数年全国での統計上では、有効求人倍率は1を越えています。
つまり就職者、転職者が優位の売り手市場です。
近年、こうした状況が続いています。
ですので、企業側としては、優秀な社員に限らず、とにかく人材そのものの確保に走るわけです。
そこで登場した採用方法が、”ポテンシャル採用”や”通年採用”です。
それぞれ解説します。
Image by Michal Jarmoluk from Pixabay
ポテンシャル採用とは?
転職サイト、企業のリクルートページなどで、”ポテンシャル採用”という用語を見かけるようになりました。
***********
〈ポテンシャル採用とは?〉
・採用する対象は、職種に必要なスキルがない人
・必要な能力・スキルは入社後に育成することを前提
・採用条件は、現状の能力・スキルより将来性を重視
・対象は20代の第二新卒がメインの企業が多い(30歳まで)
関連note:変化に強い人材を目指そう【ポテンシャル採用とは?】
***********
さて、私のケースをご紹介します。
私は東京の企業で管理職をしています。
現在、部下は50人ほど、ほぼ全員が中途採用です。
各種ディレクター、エンジニア、バックヤードのデスク、分析系など、近年に新たに生まれた職種については、入社時にはスキルを有していない方も多く、その方は入社後に取得させています。
つまり、ポテンシャル採用です。
専門的な技術や知識が求められる職種については、入社後に時間を掛けて必要な能力を身につけてもらう方が、人材費に掛けるコストが見合うからです。
分かりやすい事例としてはITエンジニアですかね。
現在、ITエンジニアはニーズが高く人材不足ですので、最初からスキルを有した方を入れようとすると給料が高過ぎて、会社の規定に納まらない。
入社後に能力をつけてもらう方が、転職者にも企業側にもメリットがあります。
また専門職以外に、幹部候補の育成として、ポテンシャル採用を導入している企業もあるようです。
■採用官は将来を見ます!
Image by Gerd Altmann from Pixabay
では、ポテンシャル採用で、どんな点が採用基準になるのでしょうか。
***********
〈ポテンシャル採用の採用ポイントは?〉
行動特性を評価基準として重視している会社が増加してます。
・主体性があるか?
・コミュニケーション力が高いか?
・計画的に物事をやり遂げることができるか? など
***********
参考として、ヤフーの求人サイトを紹介しておきます。
参考サイト →ヤフー「ポテンシャル採用」
ちなみに、一応、私も管理職をしているので、自部門で採用する場合、人事部とともに面接に立ち合うことがあります。
その際、重要視しているのは以下のような項目です。
***********
〈ポテンシャル採用の面接時に重要視している点〉
・仕事に対する意欲
・会社にとって有益な人材になるかどうか
・社会人としてのマナーやコミュニケーションのマナーは必須
・自分の将来に希望を持っている!
***********
あと、面接、面談の場で絶対にしてはいけないことも付け加えておきます。
***********
〈面接、面談の場で絶対にしてはいけないこと〉
・前の職場への愚痴
・社会への不満
・自分ではどうにもならないことに対しての評論
***********
すべて当たり前の項目ばかりですね。
潜在能力を重視した選考ですので、その見極めは難しいです。
それでも、”誠実さ”は重要ですね。
私の場合。キャリアのスタートは出版社でした。
入社後、「なぜ、私を採ったのか聞いたことがあります。
答えは、「骨太だったから」でした。
ホントとも、ウソとも取れない回答ですが、その会社の社長の方針だったそうです。
過去の経験から、「延びる社員は骨太が多い」、まあ「無事之名馬(ぶじこれめいば)」という、ことわざもありますからね。
どんな仕事にも共通していえることとして、誠実な人は、”他人の教えを素直に聞く””自分に足りないスキルや知識を伸ばすための努力を惜しまない”といった傾向が強くあります。
ポジティブな思考で、自分磨きに励む人を企業側は求めています。
通年採用とは?
ポテンシャル採用とともに、近年、登場した採用方法を、もう一つ紹介します。
***********
〈通年採用とは〉
企業が必要な人材を必要な時期に、自由に採用活動を行うこと。
***********
単純ですね。
簡単に言うと、1年中いつでも好きなタイミングで採用活動することですね。
***********
〈”通年採用”を導入している企業〉
ソフトバンク/ネスレ日本/ユニリーバ/ユニクロ/ヤフー/メルカリ/ボーダレス・ジャパン/ユーグレナ/チームラボ/GMO TECH/リクルート/サイバーエージェント/ソニー/クックパッド/スカイライトコンサルティング/ビービット/ガイアックス/ファインデックス/富士通/PwCコンサルティング/PwCアドバイザリー/KDDI/TDK/日立製作所/コンドーテック/oriri/アイリスオーヤマ/パナソニック/アーサー・ディ・リトル・ジャパン(ADL)
ほか
***********
先進的な企業が多く採用しています。
参考として、採用サイトを紹介しておきます。
参考サイト→ ファーストリテイリング(ユニクロ)の通年採用
参考サイト→ ソフトバンク「通年採用」(ユニバーサル採用)
基本的には、通年採用の対象者は、新卒になります。
そして導入している企業名を見ると、「人気がある会社ばかりじゃん・・・」と気づかされます。
***********
〈通年採用による、企業側のメリット〉
・留学経験者など多様性のある人材を採用できる
・慎重に選ぶ時間があるので、自社にマッチした人材を採用できる
・内定の辞退者がいても、時期に左右されずに補完できる
***********
たとえ”売り手市場”といっても、企業側は優秀な人材の採用にこだわっています。
最後にまとめ
繰り返しになりますが、どんなに売り手市場になろうとも、会社側は「有益な人材になるかどうか」を見極めています。
さらに現代は、身につけたナレッジやスキルの価値が、数年で下がってしまう時代・・。
ポテンシャル採用や通年採用が導入されている背景には、 ”変化を受け入れる、変化に強い人材" を求める企業側の思惑があります。
時代の変化に対応するには、”学び続け学び直す”ことです。
今回は以上になります。ありがとうございました。
関連note:デキるビジネスパーソンは学び直し、学び続ける!
ワダ なお【インスタ読書日記】読書:週3冊ペースで読んでいます。オススメを紹介します。