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執着、無気力、はたまた愛?

私は人の話を聞くのが割と好きな方だと思う。
直近の出来事は勿論、過去の話、例えば以前の仕事とか学生時代のこととか幼少期のこととか。
恋人でも友人でも同僚でも、その人の現在を形成する要素や過程を垣間見るのは面白い。
そして自分のそういった話もオープンにするし聞いてもらうのもイヤじゃない、むしろどちらかと言えば聞いて欲しいタイプだと思っていた。

一方、飴さんは。
自分の話はめちゃくちゃする。
仕事のことが主ではあるが、こちらから水を向ければ過去の話も特に嫌がることもなく何でも話してくれる。
が!!
私のことはなーんにも聞いてこない。
たまに「今日は仕事忙しかったか?」とか聞いてくることもあるけど、過去のことなど飴さんの方から聞かれたことは一度もない。
なので、私が勝手に喋りたいことを喋るのが常だった。

これについてはずっとモヤモヤとしていて。

飴さんは私に興味がないのか…?
私のことを知りたいとは思わないのだろうか。

もう結構前になるが上記太字部分をそのまま聞いてみたことがある。
「紺さんに限らず誰に対しても昔のこととか改めて聞いたことがない。俺も相手が聞いてなくても気にせんと自分の喋りたいこと勝手に喋ってるだけやし」

なるほど。
私に興味がないわけではない。

人に興味がないだけだった。

私はあいにく飴さんのように相手が聞いてなくても関係ない人間ではない。
話したことはきちんと聞いて欲しいしリアクションもして欲しいし興味ない態度を取られるのもイヤだ。

というわけで、それからあまり飴さんに自分の話をしなくなった。
聞いて欲しい話は聞いてくれる人にすれば良いかなと。
仕事の話は職場の人にするし。
趣味の話は趣味が合う人とするし。
子どもの話は子持ちの人とするし。
幸い私にはどのジャンルにもそれぞれ話せる人がいる。
だから飴さんとの会話は大抵飴さんの話から派生する。

最初、一番近しい存在の人に何でも話さないというのはストレスというか、我慢して付き合うみたいで無理が出てくるかと思ってた。
が、意外とそうでもない。
多分、私は自分が思ってるより聞く方が好きだったみたいだ。
そして自分の話を聞いて欲しい願望もさほどないみたい。

恋人同士の形は十人十色、とは言えども。
やはりお互いに話をして聞くのが会話だと思うし、そこが私たちは少々歪な恋人同士なのかもしれない。

どうして人に興味がない人と付き合っているのだろうと思うこともある。
私がコミュニケーションに無気力なだけなのだろうか。
ただ、彼に執着しているだけなのだろうか。
或いは、そういう部分も全部含めての飴さんを好きだからだろうか。

自分でもよくわからない。
わかるのは飴さんが、私を形成する要素も過程も関係なしにとにかくシンプルに私のことが好きだということと、私がごちゃごちゃ考え過ぎてるという事実だけだ。

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