社内アイデア募集から実現した、リアルタイム在席状況可視化
こんにちは、ごまちゃんです。
ナビタイムジャパンで情報システム部門(以下情シス)に所属しています。本日は、社内アイデア募集から実現したMeraki DashBoardを利用したリアルタイム在席状況可視化についてご説明します。
Slackの#other_アイデア募集チャンネル
ナビタイムジャパンではコミュニケーションツールとしてSlackを利用していますが、その中に「#other_アイデア募集 」というチャンネルが存在します。
当チャンネルでは匿名投稿を可能としており
といった、サービスや社内制度に関するアイデア交換の投稿が活発に行われています。コロナ禍の2021年から運用開始していますが、オンラインで自由闊達な会話が生まれ、現在に至るまで数々の新たなサービス開発に繋がっています。
社内の「アイデア募集チャンネル」からの依頼
そんな中、情シス宛に以下のアイデア募集投稿がありました。
ナビタイムジャパンはビル内の複数フロアを利用しています。
各フロアにおいて、定時後に自分以外に働いている人数を把握したいという要望です。
自分自身も定時後に、同じフロアにどれくらいの人がいるのか、というのは遭遇する問題のため、対応の返信をしました。
実現に向けてのアイデア
まず前提として社内ネットワーク環境の話をします。
ナビタイムジャパンは、すべての社員がノートパソコンで業務を行っています。同時に社内の6フロアには無線アクセスポイントが合計22台設置されており、社内どこからでも社内ネットワークへの接続が可能です。社員はノートパソコンを片手に、場所を問わず業務を行うことが可能です。
情シスから見ると、無線アクセスポイントの接続履歴を確認し
「無線アクセスポイントへの接続数=業務中の社員数」と判断すれば
リアルタイムでの社員数が把握できる、と考えました。
Meraki Dashborad APIを用いた、接続履歴の確認
ナビタイムジャパンでは、無線アクセスポイントはすべてMerakiを利用しております。
Merakiは管理システムがクラウドベースで構築されており、社内外問わず管理が行えるのがメリットですが、接続端末の情報をMeraki Dashborad API 経由で取得できるのも大きな特徴の一つです。
Meraki Dashborad APIでは接続中の端末情報を取得することが出来ます。
このMeraki Dashborad APIを用い、22台のMerakiアクセスポイントから10分ごとに接続中の端末情報を取得し、スプレッドシートに書き込むツールを作成しました。MerakiにはGAS経由でMeraki Dashborad APIにアクセスできるフォーマットも用意されており、一文参考にさせていただきました。
構築中の問題点
実際には、いろいろあって社員数より多い数の端末がカウントされてしまいました。そのため10分間の計測時間の中で通信量のしきい値を設け、基準を満たしていないものはカウントを行わないという制限を入れました。
すると最終的に、実際にリアルタイムに勤務している社員数に相当する端末台数を抽出することが出来ました。
実際に動かしてみて
最終的に、アクセスポイント毎に抽出した端末台数を更に各階毎に並べることで自分のフロアに残っている人数を可視化することが出来ました。
社内でポータルサイトとして全社共有しているスプレッドシートに貼り
誰もが確認できる状態で全社アナウンスし、良い反応もいただけました。
導入のメリットと今後の展望
今回のシステムは約2週間でリリースが出来ました。
社内からの要望に対して、短期間で解決できるソリューションを用意できたのは、クラウドシステムのメリットかと思います。そしてGASがすべての情報を自動取得してくれるため、メンテナンスフリーであるのも情シスにとっては非常に嬉しい点です。
また副次的な効果ですが、これまでは分からなかった「曜日ごとの出社状況」や「社内のどの場所に普段多く人が在籍しているか」ということを可視化することが出来ました。特に後者は情シスとしてアクセスポイントの位置調整、電波強度の調整に役立っています。
今後は取得できた端末台数をSlackへ通知することで、より利用されるシステムに昇華できればと思います。