可能になる独り言
独り言が多いのは朝青龍の特徴かもしれませんが、朝稽古の後、
自主トレーニングという時間にバランストレーニングとストレッチング
強化補助エクササイズをしているときの話です。
ちょっとでも立ち合いを早くして、押し負けない力をつけたいというリクエストで、陸上のスタートのトレーニングを指導していた時のことです。
両足の踏ん張りと中腰のまま維持できる筋力の強化が必要と話し合い、土俵の感覚と足裏が密着する位置が分かったと踏み込みのトレーニングが見つかった時に納得いくまで繰り返し、もう一本。
後5回と繰り返していました。
その時のヒントは頭の高さが変わらないようにVTRで確認しながら出足を早めるようにするトレーニングをしていました。
いいアイデアを出してくれと繰り返し注文を出されました。
特に下半身のトレーニングについては磐石な状態を維持するために繰り返し行なっていました。
自主トレーニングには余り口を出さなかった高砂親方も(元朝潮太郎)このトレーニングには一目置いているようでした。
そのとき各種目の合間にぶつぶつとつぶやいていることに気がつきました。
「よし、できる。できたぞ。」
「よし、いいぞ。」
という言葉をしきりに言い聞かせているのが聞こえました。
そばで聞いていると、はあはあ息が上がっているときに、
合いの手を入れるように、自分を褒め奮い立たせるようにつぶやいているのです。
長丁場の2週間戦い抜く持久力と精神力をこのときに同時に作り上げ滴り落ちる汗をぬぐいもせずに一心不乱にトレーニングする姿は神々しい姿を見せていました。
何かと悪いイメージがある力士でしたが、実際には真摯に鍛え、立ち向かう姿勢を垣間見ていてトレーニングや勝負事があると自分を褒め奮い立たせることを言い聞かせ、それを習慣にしていることは見習うべきことだと思っています。