一人旅in大宰府
2017年の終わり、友人から厳島神社の話を聞き行ってみたいと調べだすようになった。宮島には弥山というなんとも面白そうなお山もあって、牡蠣もある。食べたい。丁度旅に出たいと思っていた日程の日は宮島のお寺で火渡り式、厳島神社で桃花祭など行われるという。これは行けというタイミングだ。興味が湧き、即決まった。
と、思っていつものようにホテル手配や行きたいところなど考えていたが、2018年始めに運悪く入院し、退院から1か月ない日程となってなってしまったため、キャンセルすることになってしまった。
一人旅するなら近場からにしたら?と看護師より助言いただき、7月の連休に決行することとした。
宮島、行きたかった。またいつか。どんどん積もっていく、"いつか"。
近場へ、という事で大分(別府あたりで温泉三昧)にしようかと当初思っていたが、1か月ほど前に体力戻しの散歩の際に睡蓮の写真を撮ったところから行き先が変わりだした。
アートも好きな私は、美術館今何を開催しているかな?という検索を時々している。その検索で思い立って福岡まで行ったりする事も珍しくない。その体で今回検索していたら、モネの睡蓮が福岡県太宰府市にある九州国立博物館で開催される「ビュールレコレクション展」で観れるという事を知った。あ、先日撮った睡蓮これだ。
時々、きっかけときっかけが重なることがある。そういう時は、行けという事かなと思ったりする。単なる思い違いかもしれないけれど。
始まりは仕事を午後半休にして飛び乗った高速バス。音楽を聴きながら乗っていれば着く、乗り換えなしの楽さがあるのは高速バスのいいところ。寝ててもいいしね。
そうして着いた福岡市、今宵の宿はBOOK AND BED IN TOKYO FUKUOKA。
BOOK AND BED IN TOKYOという"泊まれる、本いっぱい"があるとたまたまテレビで放送していたのを少し前に見ていて、うわぁ行ってみたい、と思っていたところに福岡にもあるのを見つけたもの。
読みたい(見たい)本を数冊選び、お布団に持ち込みゴロゴロ転がって読む、最高。そういえば長野で泊まった舎爐夢ヒュッテにも沢山の本があった。ソファに座り山の本をみたりナウシカの単行本を読んだり、あちらも最高だった。
翌日早めにホテルを出発し、そのままホテルを出てすぐの天神駅から大宰府行きの電車に乗った。
大宰府駅から九州国立博物館までのエスカレーターに乗っているうちはお客さんも多いのかいまいちわからなかったけど、着いてみると長蛇の列、車社会ならではのお話。車で来る方が多いんだろうなと思った。
いい絵がいっぱい。普段浮世絵とか日本画家や絵本作家の絵を見る機会が多く、西洋画は久しぶり。久しぶりだからこそ余計いいなぁと思うことが多かった。
撮影OKの絵がふたつあった。最近はここは撮ってもいいですよ、という展覧会も多いんですね。ありがたい。
そして行こうと決めたきっかけの睡蓮。
大きい絵がどんとあって、前に立つと入り込めます、が、撮影できるだけあってなかなか人がきれない。
来てよかった。
そういえば以前福岡市の美術館でみた高島野十郎の菜の花の絵も、大きくて前に立つとぶわっとその地にいるような不思議な感覚になる絵だったなぁ。
好きなんです、高島野十郎。
おみやも手に入れ、折角の国立博物館、全部みちゃおうという事で延々と見て回る。最後あたりエネルギー不足気味になりながらも見て回った。
お土産は展覧会に行ったときは毎回印象に残った絵のポストカードを何枚か買うようにしているのでそのポストカードと、ペンケースに出来そうなカンカンも購入。カンカンってつい買ってしまって家には美術展のものからディズニーから…色んなカンカンが…あぁまた増える。(嬉)
博物館の別の展示会場では、九州北部の歴史を覗くことが出来て、沖ノ島に激しく興味をそそられた。今度はそちらに因んだ所を旅するのも面白そう。
京都から修復に来ているという仁和寺の仏像もみることが出来た。これだけあると圧巻。
九州国立博物館を堪能したあとは、大宰府のまち巡りへ。
まずはやっぱり太宰府天満宮でしょう。
拝殿でお参りしたあと、何となく右手に回ってみる。すると大きな木が。この辺りには大きな楠が沢山あるそうで、私が行ったのと逆の方向にもっと有名な大楠があったとか。帰ってきてから知ってショックを受けた。
けど、仕方ないね。それも縁と言うことで。
このまた後ろにも奥社があると聞いていたけれど暑かったのも相まって疲労感甚だしく、歩く元気が足りなかった。もっと体力戻さないとなぁと感じる。
休憩できるところないかな?とこちらのお寺にお邪魔した。いい。癒される。ただぼぅっとする。至福の時。
体力が少し復活したところでまた近くを散策し、疲労がピークに達したところで今日のお宿へ。
こちらもまた漫画がいっぱいあって読みまくり、旅地での夜が更けてゆく。
そして二日目。
まずはバスで竈門神社へ。
こちらの神社、2023年の今では鬼滅の刃で人気になったとの事。ただ当時は鬼滅の刃は姿かたちもなく…
だた山好きな私としてはむしろあの宝満山の麓という超魅力的な場所。山装備の方を多くみかけ、いつか私も。と心に刻みながら散策をした。
この竈門神社、御札のいただける施設がオシャレです。
縁結びにご利益が…との事なので、女性を意識されてるのかな?
スタイリッシュな神社でした。
山の麓からバスで戻り、向かったのは大宰府政庁跡。
連日暑く、既にへとへとになりかけていた私ですが、この政庁跡の真ん中はすーーっと風が通りなんとも涼しく感じました。
なかなか落ち着ける素敵なところ。
歴史を、当時の人の生活を感じながら歩く。
政庁跡な訳なので、当時は立派な建物があり、役人がたくさん出勤していたのかな。同じ景色を見ていたのかもしれない。
政庁跡からほど近くにお寺があると知り、そちらへ。
こちらは戒壇院。天下三戒壇のうちのひとつとの事。
こちらは観世音寺。
前述の戒壇院もこちらの観世音寺の一部だったものが、後の世観世音寺から独立したとか。
天下三戒壇のうちのひとつがここにあることから感じるように、この観世音寺は元々はかなりな規模のものだったそうで、説明もあったけれど可能ならば当時の様子を見てみたい。
たくさんの人がここに通ってきたのでしょう。
この観世音寺の隣にはたくさんの仏像が安置されている施設もあって、ここまで来たのだから、と入って見ましたが、まぁ大きな仏様がたくさんいらっしゃってびっくり。それはすごい迫力。入ってよかった。
ここで一枚頂いて帰った御札、未だに大事に持っています。
結構このお寺でゆっくりしたのもあり、なかなかいい時間になってきた。
最後にひとつ寄って帰ろう。と思った私はまたしてもここへ。
太宰府天満宮の本殿裏の楠を眺めに。
大きな木が多く、癒される。
心休まる場所。
木はいい。
時に危険な目にもあうけれど。
今回の大宰府めぐり、博物館から通して歴史に触れる旅で、行く先々で思いを馳せた。
歴史は壮大に見えるけどその中一つ一つは今と変わらずたくさんの人が頑張って生きたその跡、と何かで読んでから歴史がもっと身近になった。
私たちの今もいつかは歴史となるという不思議。
歴史めぐりもたのしいもの。
名残惜しい気持ちを抱えながら、帰路についた。
名残惜しくても買って帰ったお土産を持って。
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