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さあ、行くぞ。9番
太陽を盗んだ男(1979/日本)
監督:長谷川和彦
出演:沢田研二 菅原文太 池上季実子 佐藤慶
物理の知識と材料さえあれば、自宅で簡単な原爆が作れるのかも。荒唐無稽だと知りつつもそんな夢がリアルに感じられる物語である。
やりがいのない教師生活に飽き飽きしている主人公が、自分の手で原爆という最強の武器を作り出そうとする。
その動機はなんだろう。退屈な日常を変えたいから?生きている実感が欲しいから?自分の力を試してみたかったから?単に作ってみたかったから?
とにかく彼は狭いアパートで黙々と原爆を完成させ、1人で祝杯をあげるのだが、缶ビールを片手にゆらゆらと踊る沢田研二の色っぽいこと!影のある艶っぽい声と細い体の線。狂気とスレスレの歓喜に浸り、恍惚をかみしめる孤独な男。
彼は原爆を手にしたことで神になった。そして最初に要求したのが、ナイター中継を最後まで放映させることなのだから、時代だね。お次が、麻薬で入国許可の下りないローリングストーンズの日本公演!
この程度のムチャぶりでいいのか?原爆を持っていてもとりあえず何をしたらいいのかわからないのだから、これでいいのだ。
あの時のビールは、どんな味がしたのだろう。