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中間にいる
最近は早起きにハマっている。
まわりに朝5時起きの人がいるので、あまり調子こいたことは言えないが、「朝に時間があるから何しよう」と考えられることに感動がある。
元々朝が苦手なのでこの生活サイクルが2週間以上続いていることに自分でも驚いている。早起きのきっかけは、夜に寝付けないことが1週間ほど続き、無理矢理朝早く起きて睡眠時間を削ったら早く寝られるのではないか、という荒い思い付きだった。
初めは7時半に起き、そのまま身体を起こすために散歩に出た。家の裏へと回って高架を過ぎると川が流れていて、朝日に照らされて綺麗だった。立ち止まって見ていると、川沿いに細い道が整備されていることに気が付いた。側に桜が何本か植樹され、時間をかけて景観を作ろうとしている。
偶然見つけた道を歩くと、偶然にもその日の体調が良くて身体が軽かった。これが早起きの効果なのだなと言い聞かせた。
次第に街も起き始めていた。7時半は平均的な起床時間な気がする。しんとしたあの風景を存分に味わいたいと思い、今では1時間早く起きている。自分としてはかなりの進歩だ。本当は22時に寝て5時に起きる生活にしたい。無理せずゆっくり寄せていく。
毎日咲くはずもない桜を見ている。来年この街に居るかもわからないことを確認するには丁度いい時間だ。
Newjeans Bunnies Camp 2024 Tokyo Domeに行った。初めての東京ドームだった。
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ホテルに荷物を置いてレンタサイクルでドームに向かう。若林さんも自転車でこの道を通っていたのかな?と思いながら、一方私は電動自転車に乗り、流れる東京の景色を見ていた。
終演後には「その場に居合わせた」感が強く残った。目の当たりにした感。とにかくスターのステージングを観た。
インターネットのバズで見かける現象はどうしても発信者、演出者側と作為性に目がいきがちだけど、それを考える余地も与えない熱狂が確かにあった。
子どもの頃味わった、PS2からPS3になった時のぐっと解像度が上がるあの感じ。もうほとんど味わえないであろうハードの進化に熱狂できた頃の感動。
世界的なロックスターの初来日はこんな感じだったのだろうか?伝説の歌姫の全盛期のステージはこんな感じだったのだろうか?と思わされるほど、まだ手垢が付いていない、既成にバージョンが付かない感動。ゲームチェンジャーが現れた感。1か月以上経っているのにまだ鮮明に残っている。
プレステに例えてしまったので、Y2Kの文脈とごっちゃにならないようにしたい。代替ではない進化。角度が付いた目線もメタもない、迂回していない真正面からの熱狂があった。
途中のVでは『Bubble Gum』MVでカメラを向けていたヒスの名前を呼び(ここで感涙)、「バニーズと友達になったら」をテーマにしたVが挟まれる。ここに彼女たちの自然な振る舞いの根源が表れている気がした。
構えたカメラ越し、画面越しでしか見られないとしても、ヒスを見つめるように見返してくれるのだなと思いまた感涙。フィクションと現実を行き来する。フィクションで本当を伝える。
そのヒスの物語である『Ditto』で本編が終わる。
全体的な構成として、幻想的でトリップ気味なDJとVJから始まり、不思議の国が想起される『ASAP』で締めくくられる。彼女たちがステージから捌けたその瞬間に、すべての明かりがついて現実に戻される。
東京ドームが初めてなので基本設計がどうなっているのかはわからない。
客席の光量がグラデーションではなく0から1で点くことで、一気に自分の世界が戻ってきた。最後に見た姿が羽が生えていたことも相まって幻の世界にいたようだった。
フィクションで本当を伝える。ただしフィクションである。だけど偽物ではない。
どうにか色んな問題が落ち着いて、この物語が続きますようにと祈るばかりである。