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虫には虫の、人には人の時間の流れがある
時間の流れに疑問を持ったことはありますか。
私が初めて時間に疑問を持ったのは、中学生の頃です。
塾の国語の教材で、過去・未来・現在の時間の流れについての文章がありました。
時間という身近なものであるのにも関わらず、普段考えないことが言語化されていることに衝撃を受け、そのページだけ切り取ったことを覚えています。
ただ、時間の流れはみんな同じなのでしょうか。
私はみんな違うと思います。
それは、生物学者のヤーコプ・フォン・ユクスキュルが唱えた「環世界」という考え方に共感しているからです。
「環世界」とは、、、
それぞれの生物がそれぞれの感覚や身体を通して生きている世界のこと。
→生物にはそれぞれの生物ならではの「環世界」があるという考え方
簡単に言えば、蟻には蟻の、スズメにはスズメの、犬には犬の、人には人の世界があり、それらは主観的なものである という考え方です。
そして、その考え方は時間の流れにも応用されます。
ユクスキュルは著書『生物から見た世界』の中で、以下のように述べています。
「時間こそは客観的に固定したものであるかのように見える。だが今やわれわれは、主体がその環世界の時間を支配していることを見るのである」
時間は客観的に決められたものに見えますが、時間の流れは主体となる虫・鳥・動物・人が支配しているということです。
このことから、私たちが客観的と思っているこの時間は、人が支配している時間に過ぎないのではないかと思います。
森にはたくさんの虫・鳥・動物・微生物などがいます。
そう思うと、森には多く世界、すなわち多くの時間が存在していると言えるのではないでしょうか。
私は、この様々な世界がたくさん交差しているからこそ、自然に対面した時の畏怖の念や、エネルギーを感じられるのではないか、と思っています。
社会では、人もそれぞれ世界(時間の流れ)は違いますが、人と人との関わりのため、他の生物との違いに比べれば、世界(時間の流れ)に大きな違いはありません。
だからこそ、自然に触れて、様々な世界(時間の流れ)を感じることで、人間の時間の流れを超える経験ができると思うのです。