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クラフトコーラをゼロからローンチしてみるPART2
オリジナルのクラフトコーラが出来上がって、瓶入り飲みきりの製品も完成した。新潟で開催された食品見本市「フードメッセ」にもブース出展した。さて、これからこのクラフトコーラをどう売っていくか。「買いたい人」に売る、要はそういうことなのだが。。。。
コーラとクラフトコーラ
「1本100円のコーラを1000円で売る方法」
これはマーケティングの世界や広告業界で、
さんざんこすり倒されている訓話であり、
かなり昔だが同名の書籍も出版されベストセラーになった。
この正解についてはいろいろあって、
おなじみの回答が
「砂漠の真ん中で喉が渇いて死にそうな人に売る」
いや、一休さんかよ(藁)
書籍ではリッツカールトンの例が挙げられている。
曰く、
原価30円のコーラをスーパーや量販店では100円以下で売っている。
同じコーラをリッツカールトンのルームサービスでは、
ライムと氷を添えた冷えたコーラが1000円で売られている。
リッツカールトンではコーラが好きな富裕層に対し、
快適な部屋で最高の状態のコーラを飲むという
「体験」を売っている、というような内容だった(たしか)
要するに「プロダクトセリング」と「バリューセリング」の対比のたとえ。
100円の価値のものを100円で販売されるスーパーのコーラは
「プロダクトセリング」
100円の価値のコーラに新たな価値をのせて1000円で売る
リッツカールトンのルームサービスは
「バリューセリング」
さて、クラフトコーラの話。
いわゆるクラフトコーラは今や全国で数多くの銘柄が流通しているが、
大部分はシロップで販売され、ボトリングタイプはほとんどない。
私基準の「クラフトコーラ認定」で言えば、
ラグーンコーラの他は、世界で最初のクラフトコーラ、
クラフトコーラの始祖・伊良コーラだけという認識。
小売価格は500円~550円(税別)。このあたりが瓶入りクラフトコーラの
攻防戦となってくる。NBの一般的なコーラの5倍強の価格。
クラフトコーラを作ってみた人ならわかると思うが、
それなりに原価はかさむ。
特にばかばかしいのは、瓶づめのコスト。
実際、瓶の値段なんて大部分は物流コストなのが実情だ。
こうしたコストを消費者の負担に回すのは違う。
だからほとんどのクラフトコーラはシロップ売りを主戦場とするのだろう。
クラフトコーラをボトリングして売るには、
新たな価値の創設が必要になる。明らかに。
「入ってる」のか「入ってない」のか
クラフトコーラを世に出すとき
戦場(市場)に何を武器として持っていくのか?
たしかに
「100年以上前のレシピを復刻」
「本物のコーラナッツを使っている」
というアプローチは、それなりに濃厚なツカミだと思う。
こんなスパイスもこんなハーブも調合して。。。
手作りしていますよ。。。
一方で、
僕らが考えたのは
「〇〇を使っていませんよ」を
前に押し出すセールス。
「人口甘味料を使っていません」「添加物を使っていません」
「カフェインが含まれていません」
昨今のフードマーケティングで
良く使われるフレーズが
「フリーフロム」
20年前の健康食品や健康飲料の世界はこぞって
「〇〇配合」「〇〇何個分のビタミンC」などを競ったものだ。
カラダに良い、元気の源になる
何かが「入っている」ことがセールスポイントだった。
現代は「入っていないこと」がバリューになる
グルテンフリー、ケミカルフリー、シュガーフリー、GMOフリー。。。
特に、10~20代の若年層は
「入っているもの」に敏感だ。頭が下がる。
僕ら、今の50~60代が一番ヒドい。意識が低い。
もう、小さいころからすんごい色をしたお菓子や
どこで作られたかわからないジュースにまみれていたから
そういうことに鈍感な人がほとんどだ。
マジで農薬や化学肥料にまみれた野菜を食べると
ちゃんと反応するのは若い子たちの方。
今の若い子には「化学合成添加物の入ったものを受け付けない」
という向きが少なくない。口に入るものに対して意識が高い。
食品の市場をつくっている50~60代のおっさんたちは、
意外とこれがわかっていない。
無添加とかオーガニックは「教育ママ」向けだと思っている。
違うよ、もう。
ナチュラル志向の若い層に、ラグーンコーラを飲んでもらいたい。
だから僕らは「入っていない」ことを売る。