プロレスにおける批判的な考察 20
外国人エース考える その3
いつの頃からだろう・・・プロレスラーが「怪物」的な存在から、「アスリート」になったのは?
ブラッシーやエリック、そしてブッチャー、アンドレ、ハンセン、ブロディ、ベイダー・・・その昔、プロレスラーは異形の者であり怪物だった。一般人とは違う存在で、見るからに“強さ”と“凄さ”を醸し出していた。
それは日本人レスラーにも言え、ジャイアント馬場やアントニオ猪木など、トップレスラーは190cm以上の身長とヘビー級の体重があったように思う。
藤波の台頭に伴い、軽量級にもスポットライトが当たり、そして少しずつプロレスラーはアスリートになっていく。脂肪を削ぎ落し、シェイプした肉体で高度な技を繰り出す。かつてジュニアヘビー級でしか見られなかった光景は、今ではヘビー級でも当たり前。
その典型的な存在がケニー・オメガ。新日本プロレスの外国人エースだった男である。俺は否定するが、彼と飯伏幸太が新日本マット上をすっかり変えてしまったように思う。
では、今後も外国人エースはアスリートタイプであるべきか・・・?俺はやっぱり否定したい。
新日本プロレスには棚橋や内藤などトップレスラーが数多くいるが、押しも押されぬトップはやはりオカダカズチカ。彼も高い運動能力を有しているが、それでもオーソドックスな試合運びを行っている。
そして次期エースと考えられるのが海野翔太。今は棚橋のコピーのようだが、彼がオリジナリティを出すようになった時が楽しみである。
このオカダや海野は典型的なベビーフェース。対するのはやはり怪物系の外国人がふさわしい。
では、新日本でその候補となる存在は・・・
俺的にはジェフ・コブ。そしてやはり、ジェイ・ホワイトを葬ったヒクレオではないだろうか。
昨年のG1、ランス・アーチャーやジョナ、ファレと超ヘビー級の戦いを繰り広げたジェフ・コブはすごかった。彼の肉体の厚み、そしてどこからでも誰でも投げるパワーとテクニック。彼こそトップに据えるべきだ。
そしてヒクレオ。あの体のでかさは、それだけで説得力がある。ジェイ・ホワイトを破ったことが勲章となり、高く評価されておかしくない。
いかがだろうか?
バレットクラブの新しいボスとなる?デヴィット・フィンレーには申し訳ないが、彼はやっぱり少し小さい。でかさ、そして資質から考え、この二人が新日本外国人エースとして暴れまわることを願ってやまない。