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はじめの法隆寺②

さて。南大門から早速入ります!

とっても落ち着いた空気

門をくぐると
すっと先に見える西院伽藍さいいんがらん
五重塔や金堂がある
法隆寺の中心を見ることができます

実は法隆寺以外にも
奈良の神社やお寺をめぐり
人混みにまみれたあとだったから

私も娘もなんかホッとするねぇ。
落ち着いていてとても良い感じ!

普通のお寺は
南大門を通ったまっすぐその先に
仏様がいる

でも法隆寺は
南大門を通ったら
次に中門がある。

これは飛鳥奈良の時代の特徴

時代の移り変わりと共に
中門はいらないよね!と
他のお寺などではなくなっていったから。

中門には
右側に阿形あぎょう
左側に吽形うんぎょう

阿形
吽形

阿吽あうんの呼吸の元になったお2人が
西院伽藍を守っています

お2人の色が違うのは
歴史の中で少しずつ修復を重ねたから。

お2人がつくられたのは
奈良時代の711年

銅が採れなかった日本で
この時代は
そうだ!土粘土で作ったら良いんじゃないか!と
工夫してつくられた。

赤色の阿形さんは
土粘土のまま

背中むきむき

阿形さんは、壊れそうになったら
粘土を重ねてペタペタ修復され

今では筋肉むきむきに!
かなりのガタイの良さです。

一方
吽形さんは…

スマート!

でも日本は高温多湿。
土はね、腐りやすくて
ぽろぽろこぼれちゃうわけです。

吽形さんも途中で壊れてきちゃったから

土の次に
奈良時代中期に木と麻布と漆で仕上げる手法

でも漆が高いから
平安の頃には木だけで創り上げる手法

その時代で最良の技術を使って
吽形さんも修繕されたから

吽形さんの素材は木。

お2人のテイストが違うのは
いつの時代でも大切に修復されてきたからなのです。

江戸末期まで
こうして修復を重ねられて来て

大正時代以降は
文化財保護のため
形を変えない修復が良しとされるようになり

やっと最近
腐らせない技術が上がって

今に至る。
…すごすぎでしょう。

そして中門を入ると
左右に回廊かいろうと呼ばれる廊下が広がる
これも国宝

!柱に注目!

柱となる木の
上下が細くて真ん中が太くなっているのが
分かりますか?

これはギリシャのパルテノン神殿と同じ形で
エンタシスと呼ばれる
飛鳥の時代の建築技術

ギリシャからシルクロードで技法が伝わった??
でも途中にそんなことをする建物がない…

だから…
たまたま同じだった??

など
建築物としてのさまざまな見解があるみたい。

私は建築家ではないから
よくわからないけれど

飛鳥の建築技術
胴張どうばりというそうです。

ここが飛鳥の時代から残るものなんだという
感動っ!!

そしてねこの柱
1本の柱だけど

なんと大きな1本の檜ひのきを
4分割にしたもの。

どんだけおっきい??

2m級の檜を
生駒山で採って大和川に流して
斑鳩の地まで運んできたとか…

どんだけー!!

【檜ひのき】
学名 Chamaecyparis obtusa
別名 Japanese cypress、Hinoki cypress
常緑針葉樹 
樹高20〜30m
大きなもので樹高50m直径2,5m

腐りにくく建材として最高品
伐採後に耐久性が徐々に上がる
300年後に最高強度
1000年後に伐採時に戻る

もちろん香りも良い

そんな檜を柱にする。
芯があった方が強度耐久性があがる。
飛鳥の時代も今も変わらない植物の知識。

今はこんなに大きな檜あるだろうかっていうくらい
大きい檜が
生き生きと生きていた古代を想像すると

またヲタ心をくすぐられる。笑

ところどころ直してある

よく見ると
柱の所々に修復の跡がある。

これも技術。
日本人の繊細な技術力を見ることができる

時代によって修復方法は変わる(明治)

建築家の方が法隆寺にくると
こういった技法をたくさん学ぶそうです。

梁がカーブしながら並んでいるの分かるかな?

上を向いて梁を見ると
軽くカーブを描いている。

これは飛鳥の時代の建築法
曲面の美。

一方

三角の中に縦に木が追加されてる

飛鳥の技法と見比べてもらいたいのですが

飛鳥の方は三角の中に何もないのに
こちらは三角の中に縦に木があるでしょ?

こちらは
平安の時代の技術

梁は横にまっすぐ。

平安の頃に修復された場所。

でもよく見て。ひび割れがあるでしょ。

平安の頃には都が京都にうつり
このくらいで良いだろうみたいな感じで

安く修復されたのかな?笑

見比べるだけでも
飛鳥の時代の技術力の素晴らしさが
よくわかる。

同じ回廊の中に
飛鳥 平安 江戸 明治
様々な時代を見ることができて

もっと知識があったら
探す楽しみもあるだろうな〜!

回廊から見た金堂と五重塔

回廊からこの角度で金堂と五重塔を見て
左側が飛鳥の回廊
右側が平安の回廊ですよ

中門と回廊だけで
ひとつの記事になっちゃいましたね笑

さあ!次回はいよいよ
金堂と五重塔に行きましょうか。

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