牛の頭からおしりにかけて切断した革を、半裁といいます。
切断しない場合は丸革などいったりするそうです。
半分とはいえ、大きな牛ですから!
たたみ一畳よりも大きいです。
レザークラフトとして趣味で始めたくらいだと、
そんなに大きな革は使いきれません。。
でもわたしが初めて半裁を買ったのはその趣味のころでした。
きっかけは、落ち込んだことがあり、
気持ちを切り替える意味で、5万円分何か買おう!
と思ったことでした。
最初はヘルツの鞄を買おうかなーと思って渋谷のお店に行ったりしましたが、
既製品ではなく、革自体を買うのも面白いのではないか…!と。
それがきっかけで、革を仕事にするような方向に進むんですね。
革細工を趣味で始めたばかりのころ、
東京浅草を中心に、革や道具のお店や問屋などを巡っていました。
ちょっと離れた場所にもいってみようと、
荻窪のクラフト社に行ったときです。
そこでで見た革に一目ぼれし、
前回お話しした資金で購入。
茶色で2.5㎜厚ほどのまさに『THE 革』 でした。
たたみ一畳以上の大きさです。
とっても、重いです。
電車を乗り継ぎ、大変な思いをして帰ったことを覚えています。
初の半裁購入、そして素敵なタンニン鞣しの
分厚い「THE革」にウキウキワクワク!
テンションが上がり、
上がりすぎて食べてみたりしました。
美味しくはないです。
2.5㎜厚ほどのまさに『THE 革』。
革細工を仕事でなく趣味でやり始めたくらいの人間が
半裁を扱うには大変なことが多いです。
特に、「漉き」!!
これは大変です。
「漉き」とは、革の厚みを部分的に薄くするために、
革包丁や専用の機械で、そぎ取ることです。
もちろん漉き機は持っていないので、手で漉きます。
手漉きなんて、そう簡単にできません!
なぜできないのか、できない原因もわかりません。
当時はYOUTUBEも今みたいになんでも載っているわけでもありません。
(今はすごいですよね、なんでもYOUTUBEで無料で学べます。。)
手探りで悩みながら、時間をかけてやっていました。
今なら、あの頃の自分に伝えられることは山ほどあります。
ありすぎて、「辞めたほうが楽じゃない?」とアドバイスしたくなるくらいに。
まぁそれこそ、漉きこそものの上手なれ!
がむしゃらに手漉きに挑戦していました。
それから数年後、尊敬する先生の教室に通い、
イチから教えてもらうことで、
原理原則に基づき脳と身体で理解した
漉きができるようになりました。
そういえば、先生に最初に作った鞄を見せにいったときに使った革は、
あの半裁革でした。
そんな感じであの初めて買った半裁にはいろんな思い出があります。
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