複数の依存先があることを自立と言い、依存先がひとつしかないことを執着と言います。
看護学校へ入学する時の試験で、
「自立」について述べよと問われた。
同期は高校卒業した18歳の中
私はひと回り上の29歳。
社会人で、一人暮らしをしながらの受験でした。
だから、心の中では、「私はすでに自立してる」って思いながら、
「自立とは、人に迷惑をかけずに、一人で衣食住を整え生活できること」と自信をもって答えました。
以来、ことあるごとに、自立ってなんだろうと考えてきました。
一般的に「自立」について辞書を引いてみると
「自分以外のものの助けなしで、または支配を受けずに、自分の力で物事をやって行くこと。」が正解です。
医療や介護でも自立支援とは、
できる限り自分の意思や力で生活ができるようにサポートすることです。
障害があろうと、守ってくれる親がいなくなろうとも、
年をとって、身体が不自由になろうとも、
人は一人で生きぬいていかねばならない
という固定概念。
キツいです。
でも、本当に一人で生きているのでしょうか。
小児脳性まひで、現在は車いすで生活する小児科医の
熊谷晋一郎(くまがやしんいちろう)さんの言葉を引用します。
一人で生きている
というのは錯覚でした。
人間は周りの人に頼らずに生きていくことはできません。
物理的にも精神的にも。
本当の自立とは、
周りに頼れる相手が大勢いる状態
コミュニティや社会を持っているということです。
健常者や、障害当事者、高齢者に限らず、
誰でも。
安易に人に頼ればいいといものではありませんが、
自分にとって必要な依存先を見極め選ぶ能力も、自立力だと思いました。
価値観に執着せず、
「おかげさまで」の感謝のココロで生活していきたいですね。