【自然農法】肥料を一切入れないのにできる理由
世間一般では、お米や野菜を育てるにはまず、肥料を入れて土に馴染ませてから作物を植えるというのが常識になっています。
なぜ肥料を入れなくても、作物が成長するのかを今日は説明します。
「土」が肥料のかたまり
まず、結論から言うと「土が肥料の塊」なんだという事です。
土の力というのは無限大で使えば使うほど、力を発揮します。
僕は3年以上農薬も肥料も一切入れずにお米を作っていますが、毎年下の写真のように立派に稲穂が付きます。
肥料を入れてしまうと土が弱り、土が本来の活動力が完全に停止してしまう為
元々土の養分を吸って成長していた作物が、今度は肥料を吸って成長しようとするので、
次から肥料を入れないと作物が育たない状態になります。
しかも肥料を入れ続けると土が弱り、今まで入れた残留している肥料分が固まりますので、
どうしても作物の根が張らなくなりますし、何より味が全然違います。
もちろん一生懸命作られてる農家の方達の気持ちは十分理解してます。
僕も農業をしているので、
ただ本当の自然農法で作った野菜を食べた事がある人なら分かって貰えると思いますが、
レタスなんかでも、市販の農薬や肥料を入れて作った物は、生で食べると苦味あり、あと固いですが、
自然農法で作ったレタスは苦味なんか一切なく、噛むとほんのり自然な甘みがあり、そして何より柔らかくて本当に美味しいです。
なのでドレッシングなんかかけなくても、そのままかじっても食べても美味しいです。
他の野菜もそうですが、大根なんかでも辛味があって食感がガリガリいうのは農薬と肥料が入ってるからです。
自然農法で作った大根は色は白く・きめ細かくて・ねっとりとして、もちろんザクザクした食感はなく辛味など皆無で本当に美味しいです。
連作障害は農薬と肥料が原因
よく聞く「連作障害」というのも、肥料が原因です。
根が張らなくなり作物が土の養分を吸収できなくなるので、違う圃場に変えて何年か休ませて、また植えると作れるようになるという理屈になっていますが、
休ませると作れるようになる理由は、農薬や肥料で悪質化した土がその間に降る雨や風で、残留する肥料分を幾分か洗い流してくれたことにより、
土が少し柔らかくなった為、再び根が張るようになったからです。
作物というのは「連作」するほど良いんです。
その理由は、同じ作物を同じ圃場で連作をすると、土がその作物を作るのが得意な土になっていく為、
クオリティの高い、本当に美味しい立派な作物が作れるようになります。
人間で例えるなら、一つの事を何十年もやり続ける職人さんと、やり始めの職人さんとでは、その道の技術や経験値が違うのと一緒で、
土もその一つの作物を作るのに特化した土になっていきます。
なので二毛作なんかは絶対やったらダメです。
お米を作ってて、せっかくお米を作るのが得意な土になっているのに、そこに二毛作で畑で作る麦などを植えたら、当然ちゃんとしたものができなくなって収穫量も減ります。
お米は田んぼ、野菜は畑で作るという感じで、一つの所に一つの作物を作るのが一番ベストです。
実際によくニュースで台風などで稲穂が全部倒れてしまっている映像を見たことがあると思いますが、あれも作物の根が張ってないから
台風などか来るとすぐ折れてしまうようになりますし、結実が少なく背ばかりが伸びて葉部分が大きくなるので、
葉蔭になって日が当たりにくくなり、米・麦・豆類なんかは皮が厚くなり実の部分が痩せてしまいます。
確かに肥料は即効性があり、初めはものすごく収穫量が上がりますが、
何年もやっていると、
やっぱり長年散布した肥料が固まり、土の表層から内部層に固い壁を作るので、根が張らなくなり収穫量も年々少なくなります。
実際に農薬と肥料を入れて作っていた農家さんから、根が張らなくなりお米ができなくなったという方の、田んぼを借りて作ったことがあるのですが、
しっかりトラクターで深耕をして天地返しを行い、できるだけ雨風で残留している肥料分を減らして、お米作りをした結果こうなりました。
農業資材・農薬・肥料代の高騰問題や今の現代農業における数々の問題を解決するのは、
自然農法以外方法は無いと自分は思っていますし、必要になる時は本当に近いと思います。