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エレベーターって、怖くないですか?

昔ネットで流行った「異世界に行く方法」を知ってます?

「知っている!」というアナタはもしかして俺と同世代で、2000年代あまりにもモテず暇で暇で仕方なくネットでオカルト情報ばかり集めていたのではないでしょうか?

めちゃくちゃ有名ではあるのですけれども、やり方を紹介します。
まず最初に条件があるのですが、10階以上の建物で、エレベーターがないといけません。ま、そのくらい高い建物であればだいたいエレベーターはあるんじゃないかと思いますけれども。では次に、その手順の説明です。
①必ず1人でエレベーターに乗る。
②エレベーターに乗ったまま、4階、2階、6階、2階、10階と移動する。
注意事項としてここで誰かが乗ってきたら失敗となりますので、また最初からやらないといけません。多分ですけれども、かなりの不審者と思われてしまいますので、ご自身が住まれているアパートなどではやらない方がいいと思います。
③10階に到着したら降りずに5階に移動。
④5階に移動すると、若い女性の方がエレベーターに入ってきます。でもこれはなぜか「失敗」にはならないのです。ここで注意が必要なのが、この人に絶対に話しかけてはいけないそうです。
⑤女性がエレベーターに乗ってきたら1階のボタンを押す。しかしエレベーターはなぜか1階ではなく10階に移動するそうです。そう、これがどんどん「異世界」に向かっている瞬間です。もしも戻りたいのであればここでボタンを押して途中の階で降りてください。7階を過ぎたあたりでほぼ成功と考えていいでしょう。
⑥10階に到着。エレベーターを降りるとそこは先ほどと同じ10階のように見えて、実は今まで見ていた世界とは違う「異世界」になっているそうです。

というのがエレベーターを使って異世界に行く方法なんですけれども、これどう思います?まぁ、33年も生きていたらこんなのただのデマだってのはわかっています。異世界なんかあるわけないですよね・・・。ま、もちろん実戦はしていないんですけれどもね。なぜ実践しないか?それは・・・怖いから、なんかじゃない!それよりも怖い事情があるのだ。
・・・仕方ない、その事情を話そう。

・・・俺が住んでいる地域が田舎過ぎて、10階もの建物が存在しないのだーッ!ガツーン!!

今日は俺のテキストをいつも読んでくださる素晴らしい皆様に、俺の秘密を特別に教えてあげまするよ。10代の頃、この「エレベーターで異世界に行く方法」を初めて見た時、めちゃくちゃ怖くてしばらくエレベーターが使えませんでした。
ちなみにこれが俺の中で「第二次エレベーター恐怖時期」でした。

「第一次エレベーター恐怖時期」はまだ6歳とかの頃だったかな?うる覚えで申し訳ないのですが、テレビの特集で、大地震でエレベーターに閉じ込められた人の話、みたいなのをやっていました。まぁ、テレビの放送の中で取り上げられていることなので、大地震などでエレベーターに閉じ込められた場合はこんな手順を踏んで脱出してください、みたいなことを言っていたんでしょうけれども、当時の俺はガキだったので、あの狭い空間に閉じ込められるってだけで怖くて怖くて。しかも停電か何かの関係でエレベーターの中が真っ暗になってしまうじゃないですか。それを想像しただけで怖くなっちゃって・・・。家族でデパートなんかに行った時にエレベーターがしばらく乗れなくなったのです。

それから10年近く経過してから、上記で書いた「エレベーターで異世界に行く方法」のオカルト文章を読んで「第二次エレベーター恐怖時期」がやってきてしまったのです。
ちなみに「第三次エレベーター恐怖時期」は今のところやってきていないのですけれども、潜在意識の中で「エレベーター」というものに恐怖を抱いております。

エレベーターって、怖くないですか?

札幌駅とかにある、ドアの反対側がガラスになっていて、エレベーターがどんどん上がっていくのが見えるタイプのがあって、それはそれで高所恐怖症の俺は怖かったりしますけれども、ガラスも何もないタイプの、ドアとあと3面壁でできているエレベーター、あれめちゃくちゃ怖くないですか?「停電になったら真っ暗になるんだろうなぁ?」なんてことを考えたら怖くて仕方ない。

1999年に PlayStation でコナミから発売された「サイレントヒル」というホラーゲームの名作がありまして、あの中にも「エレベーター」を使った恐怖演出がありました。すでにこの作品をプレイ済みの方は「ああ。アレのことかい!」とニヤニヤしているでしょう。そもそも「サイレントヒル」という作品を知らない人のためにサクッと説明させていただきますと、「サイレントヒル」と言う名称の、常に霧が立ち込めていて誰も住んでいない不気味なゴーストタウンの中での出来事でゲームが進行するんですけれども、とある事情があって「病院」に行くのですが、中はもちろん無人。でも電気は通っていて「廃病院」ではなさそうな雰囲気。

エレベーターに入って行き先フロアのボタンを見ると3階建ての病院であることがわかります。
誰かいないか、もしくは先に進めるアイテムがないか、あちらこちら探索するのですが鍵がかかっていたり、そもそも鍵が壊れていたりと足止めを喰らってしまいます。
1階も2階も3階も、隈なく探索して手がかりなしです。もうこれは、どうすることもできない。
ゲーム内のプログラムが誤操作して、先に進めなくなったのか?なんてことを考えてながら何度も乗っているエレベーターに乗り、フロアのボタンを改めて見ると「4階」のボタンがあるのです。

4階?え??3階建じゃなかったっけ?俺の勘違い??
不思議に思いながらも「4」のボタンを押し4階にいくと、エレベーターのドアの先は真っ暗で血なのか錆なのかわからない真っ赤な何かが床壁天井にビッシリついて、廃墟のような場所にモンスターがウヨウヨいるという、まさに「異世界」に行ってしまうのです。
こんなの、めちゃくちゃ怖いじゃないですか。だからエレベーターで戻ろうと思うんですけれども、もちろんエレベーターが故障して戻ることができず先に進むしかないのです。あれは怖かったな。

これを思い出す出来事が先日ありました。札幌市内の某ホテルを利用したんですけれども、客室に行くエレベーターが隣り合わせで2ヶ所ありました。俺が宿泊したのが7階の部屋。そんで夜のお楽しみ大浴場が地下1階にあります。
俺は根っからの貧乏性なので、元を取る勢いで何度も大浴場に行ってしまうんですけれども、この時も翌朝早起きをして大浴場に行こうと、エレベーターに乗ってみると、なんと前の日まであった「B1F」のボタンがないのです。
え??どゆこと!?!?!?
昨日は「B1F」のボタンがあって大浴場に行けたのに、今日はボタンそのものがない。
まさか、昨日の「B1F」の大浴場は俺が見た幻の世界なのか???

一瞬驚きましたが、俺も33歳のいいトシした大人なので原因がすぐにわかりました。このホテル、地下1階にはエレベーター乗り場が1ヶ所しかないのです。つまり2つエレベーターが並んでいますが地下まで行けるのはそのうちの1個だけ。俺は、地下には行けないエレベーターに乗っただけなのです。
なんともまぁ、浅いオチですけれども、この瞬間「サイレントヒル」の病院のエレベーターのことを思い出してしまったのでした。なんでもかんでも、スグにゲームのことを思い出してしまうこの脳みそ、33歳なのに大丈夫なのか、俺!?

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