セメント、セメント、メメントモリ。
イマニュエルの『セメント取ってこい』の一言に、その場の空気が一瞬凍ったように感じたのですが、私の頭の中にはハテナの一文字。
セメントって、殺人事件によく使われる、安藤忠雄感満載のあれよね?
セメント…、セメントって一体何?
そんな私を横目に、石に水を吸わすイマニュエル。セメントの吸着力を良くするためだそう。
なんだか環境に悪いようなイメージがあるので、その場にいた謎のエコ自由人、ニコに聞いてみました。
『セメントの製造にはものすごくエネルギーを使うんだ。しかも、使用される砂はリソースが限られている。』
ほうほう。
ちなみに私の名前、『mieko』はドイツ語読みで、『ミーコ』と発音されるので、『ミーコ』と『ニコ』が同空間に居合わせると、非常にややこしいです。おまけに名前の最後に『コ』がつくとこちらでは男性名と解釈されますので、よく『Mirko』という強烈に古臭い男性名と間違えられることが多いです。ミッチーブームの落とし子、『子』がつく昭和キラキラネームもこちらでは全く機能しません。父の命名の苦労も呆気なく水の泡です。あ、また話が脱線しております。
ここで気を取り直して、セメントについて調べてみますと、
こんな素晴らしい記事を発見。さすがnote、勉強になりました。
やはり、私のように、コンクリやセメントにお世話になりつつも、深く考えずに暮らしてきた人は多いようです。セメントは石灰石を焼成して作られ、水と混ぜたら化学反応起こして固まるという粉。そのセメントが接着剤のように働いて石やら砂を固めたものがコンクリで、辿れば紀元前七千年前からある新しくて古い『人工の石』であるそうな。
エコ界隈で目の敵にされるのは、やはり石灰石を焼成するための膨大なエネルギー量と製造過程に排出される、(グレタとみんなが大嫌いな)二酸化炭素のせいでしょう。もちろん輸送にもエネルギーが必要です。
石灰石以外の材料は、アルミニウムや鉄分などの量を確保するために添加しますが、現在では天然よりも多種多様な廃棄物を再利用していることが多いです。
1000kgのセメントをつくるときに、471kgの廃棄物が原料や燃料として使用されています(2017年度実績)。
おそらく、多くの人が思っているよりかは、環境に配慮している材料です。
ふむふむ。思ってるよりかはマシ…なのですね。
しかし、コンクリートは耐久性の問題もあり、コンクリート建造物の運命は誰にもわからないのです。そういえば、昨年日本に帰国した時、トンネルの劣化問題が話題になっておりました。今こそ個人の繁栄のためではなく、未来の子孫のためにコンクリートの使用方法をよくよく考えねばならない、とYasudaさんはおっしゃります。
まさに、メメントモリ。よかった、オチがついて。
イマニュエルとセメントの力を得て、廃品で組み立てたアースオーブンの土台が出来上がりました。この土台にはイマニュエルの孫の代まで役目を果たしていただこうと思います。