私はこの妄想する少女を泣かせてみたいと思った
先に言っておくが、私は別にサディズムを所持してはいない。
ましてや、いたいけな少女を泣かせることに愉悦を覚える人間ではない。
とりあえず、まず、喜多日菜子の泣き顔が見たいだけなのだ。
軽く自己紹介をしよう。
私はアイドルマスターシンデレラガールズ(以下、デレマス)というソシャゲをプレイしている、いわゆるプロデューサー(以下、P)だ。
Pとは言ってもリアルのPな訳ではなく、『艦これ』なら『司令官』、『FGO』なら『マスター』、『グラブル』なら『騎空士』など、プレイヤーの別称でしかないことだけ伝えておきたい。
その中で私は妄想をこよなく愛する少女アイドル、喜多日菜子(きたひなこ。以下、日菜子)のPをしている。
いつも口元を緩ませ、ハの字困り眉毛をした、スキあらば……いや、スキが無くても妄想をしている少し変わった美少女だ。
そんな日菜子を泣かせてみたいと思った経緯を、彼女のキャラクターを紹介しながら解説しよう。
デレマスのアイドルは以下の3種類に大別される。
ざっくりした分け方だが、
『とにかく可愛さ特化のキュート』
『カッコよさに定評のあるクール』
『明るく元気なパッション』
だ。
日菜子はその中でパッションに所属しており、明るく前向きな性格をしている。
いつも『むふふ♪』と笑いながら多種多様な妄想をしており、そのために努力も欠かさない健気な彼女。
その妄想は多岐にわたり、基本は『白馬の王子様がお姫様である自分を迎えに来る』というものだが、悲劇・喜劇問わず、ジャンルも現代ものからファンタジーまで何でもありなのだ。
日菜子「妄想だからこそ百難超えてのハッピーエンドがいいんです! 日菜子は妄想のプロですから!」
いつも緩んだ笑顔で、楽しげに妄想し、時にはそれを語る彼女はとても魅力的である。
色んな妄想シチュエーションで鍛えられているのか、メンタルが強く、日菜子が大きく悩んだり困ったりする場面は少ない。
精神的に安定しているだけではなく、ダンスなどの身体技術も低くないため、大抵のこともさほど苦も無く乗り越えてしまう。
そんな日菜子だからこそ、泣かせてみたいのだ。
もう少し具体的に言うと、色んな感情に満ちたシーンを見てみたいのだ。
日菜子はとても感情豊かで、感受性に優れていることに異論はない。
だがこの7年間、日菜子を見続けてきたが、見たことが無い感情がある。
それが喜怒哀楽の、怒と哀だ。
彼女が苛烈な怒りをあらわにしたり、涙を流し悲しんだシーンは無い!
(妄想の中でや、演技の中でならあるが、それはノーカンである)
アイマスは、Pとアイドルが二人三脚で作っていく、表も裏も見せてくれる物語だ。
デレマスで言うなら、特訓前がPとの日常、特訓後がアイドルとしての姿を見せてくれている。
アイドルとしての場面で怒りや哀しみを描くのはご法度だと思うが、日常なら多少は良いのではなかろうか?
いつも『むふふ♪』と笑いながら多種多様な妄想をしている彼女の、新たな一面を見てみたい。
これが、この妄想する少女を泣かせてみたいと思った理由なのだ。
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