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♪胸に響くは、諸行無常!
春の訪れが待ち遠しい今日この頃
ずっと胸に「諸行無常」という言葉が静かに響いています
祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響あり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらはす
おごれる人も久しからず
唯春の夜の夢のごとし
「この世に変わらないものは無く
この世は夢のようにはかない」
学生時代に習った平家物語の冒頭部分
冒頭のインパクトは強く、響きがかっこいいですね
ご近所のAさんの庭には樹齢100年(推定)近くの、なんとも立派な「しだれ桜」があります
先日、とある造園業者の方が、我が家を訪れました
話を伺うと、立派なそのしだれ桜の「伐採」を頼まれた、と言うのです
けれど、あまりにも立派で神懸かっているので、「移植」するとのこと
道路沿いの桜の木なので、通行できないことがある、との説明を受けました
あまりの突然に、言葉が出ませんでした
近所の人達も、今年から見られぬ桜を思い、とても残念がりました
本当にみんなに愛された、美しいしだれ桜だったのです
せめてもの救いは、移植して下さるということ
新しい地でしっかりと根を下ろし
再び咲き誇ってくれることを願っています
Aさん宅のおじいさんは、数年前他界されました
我が家の目の前の畑はAさん宅の畑で、おじさんの畑仕事をしていた姿が偲ばれます
いつも野菜が採れると我が家に声をかけ、お裾分けしてくださる、明るくて愉快な方でした
そして、しだれ桜はおじさんの自慢の木でした
しだれ桜の件があってからここ数日、胸に「諸行無常」という言葉が響きだしたのです
毎年そこにあり、みんなを笑顔にさせてくれたしだれ桜
いつまでもそこにあると思っていました
ずっとずっと変わらずあると
この世に変わらないものなんて無い
唯一変わらないことは、「変わらないものは無い」という事実
この世に産声をあげた我が子の、あの小さくてか弱くて守るべき存在だった時から、いつの間にか子供に背も追い越され…
息子は今では、仕事から疲れ顔で帰宅すると、「明日はスーツね!」などと言って、食事の席に着いたりします
「スーツが何?出しとけってこと」と、偉そうな口振りに腹立たしくも思いますが、主人と全く同じ言い方に笑ってしまいます
最近は、娘の成長にも驚きました
幼き頃は、スーパー銭湯などへ行くと、あちこち一通り浸かって遊んだら「もう出たい」と言い出し、ゆっくり私が入っていられなかったのです
けれど今では、私が「お先!」と出ています
娘は私が大の苦手なサウナに入り、水風呂に浸かることができるのです
また、露天風呂に後から行ってみると、湯舟に姿はなく、よくよく目を凝らすと、寒風吹きすさぶ中、ビーチチェアに心地よさげに座っていたりします
今でも愛しき我が子ではありますが、いつの間にか、守るべき存在ではなくなりました
全ては変わりゆくのですね
もちろん何かあれば親として守りますが、いつまでも子供ではないのです
もう肩の荷を下ろしていいんだな~と実感しています
信じて遠くから見守っていればいいんですね
変わっていないのは…私だけ?
いえいえ、若いつもりでいても、確実に年齢に相応しい外見になってきています!だからこそ、もう無理しません!
平家物語では、平家の栄華から滅亡までが語られていますから、インパクトがありすぎる冒頭部分だけで、この世のはかなさを憂いてしまうこともあるかもしれません
けれど、「諸行無常」とあるように、この世は全てが変わりゆくとしたら…今が絶好調の人には戒めにもなるし、今がしんどい状況の人にとっては救済の言葉・希望ともなります
この世は常に変わるから面白いのですね
常にぬるま湯に浸かっていたかった私ではありますが…
淀んでいる川より、サラサラ流れる川の方がいい!
目の前で様々な変化が起こったとしても、一喜一憂し心乱されていても仕方ない!もう、全てを受け入れて、明るい方へ目を向けて楽しむのみです
たまには立ち止まることもあるかもしれないけれど、そこに執着することなく、明るい希望を持って変化を楽しみます
「こんなこと全然問題ない!大丈夫!」と、根拠のない自信を胸に!
この世がはかないのであれば、今この一時を大切にしようと思います!
♪ だいたい同じような毎日だけど、ひとつも同じ日なんてないんだ ♪