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♪夏色から一変、白煙の”危”と”毒”

とある夏の朝のことでした。
朝から照り付ける太陽に、娘の「送ってくだい!」の一言で、
私は通勤ラッシュの中を、娘を車で目的地まで送っていました。

道の途中には、片側1車線の長い下り坂があります。
とても見晴らしの良い坂で、遠くに見える山並みや、眼下に広がる街並みを
渋滞のおかげ?で、ゆっくりと楽しむことができました。

こんな時浮かんでくる曲は、♪ゆずの曲「夏色」です。
夏で、下り坂で、ピッタリの曲!
♪ この長い長い下り坂を~ 君を自転車の後ろに乗せて~

と呑気に歌っていると…
対向車線を上ってくる、1台のトラックが目に入りました。
まるでフワフワとした雲のような白煙(排ガス?)
運転席あたりの横側からあげていたのです。

「故障しちゃったのかな?」と娘と話していました。
すると、トラックの後ろに続く車に乗る人の、
口を押えて運転している姿が見えました。

「後ろの人、気の毒…だ…」という会話が終わらぬうちに、
すれ違った我が車に、強力な排ガスの匂いが充満してきました。

あまりにも強力な匂いに悶えつつ、窓を開けても入り込む匂いに、
「毒だ!」と言いながら、娘と爆笑してしまいました。
被害が自分たちにも及ぶとは…想定外だったのです。


そしてある言葉が、フラッシュバックしてきました。
私がまだ20代だった頃、
友人の車に乗せてもらっているときに、友人はこう言いました。
「ね、車の後ろについてる”毒”と”危”のマークって、どっちが怖い?」

考えたこともありませんでした。タンクローリーに付いてるマークなど。
続けて友人は「”毒”の方が怖いよね!だって、もう既に目に見えないけど、
辺り一帯は毒がまき散らされてそうじゃない?」
って。

今なら分かります、友人の言った言葉の意味が。
私が遭遇したこの「白煙事件」は、
モクモクと目に見えましたし、
タンクローリーの中の”毒”ではなかったけれど、
キツかったです。


車の運転は、常に”危”険と隣り合わせであることは重々承知しています。
ただ今回は、”毒”について考えさせられました。

毒の恐ろしさ。知らぬ間に毒は入り込んでくるのものなのですね。
そして、いつの間にか巻き込まれてしまうのです。

よく毒舌家で話が面白くて人気者がいますが、
常々、口から毒を吐いているなんて⁉
「その人自身が既に、目には見えぬ毒に侵され、
体内から吐き出されているの?そして、それをまき散らしている!」
などと、要らぬ心配をしてしまいます。

毒に関する諺に、「毒にも薬にもならぬ」という言葉があります。
害にも益にもならぬ、どうでもいいような存在ということで、
何故か、自分自身を言い当てられているようで苦手です。
この言葉自体にかなりの毒性を感じます。私だけでしょうか⁈

それから、「毒薬変じて薬となる」という言葉もあります。
これは、凄くいい言葉ではないでしょうか!
(薬も過ぎれば毒となるそうですが)

世の中の”毒”が一変して、
全て良い方向へと変わることを願います。

いささか優等生的な言葉ではありますが、
♪ゆずの曲「夏色」のように、
残りの人生を穏やかに軽やかに楽しみながら、
ゆっくりゆっくり下って行きたい、今日この頃です。


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