「地獄の釜の蓋」と「リメンバーミー」
8月に入りましたね!ある地方では、8月1日は、釜蓋朔日(かまぶたのついたち)と呼ばれ、「地獄の釜の蓋が開く日」とされています。
数年前に「地獄の釜の蓋が開く日」を初めて知った私は、その物凄い強烈な言葉に衝撃と共に恐怖を覚えました。
実は「地獄」とは「あの世」のことらしく、「釜の蓋」は「この世とあの世を出入りする扉」なのだそうです。
釜の蓋が開くとご先祖様は、飛び出してくるのだとか。
ご先祖様たちは、8月1日に出発しないとお盆に間に合わないそうです。
亡くなったら、必ず地獄に落ちるという訳ではないようで一安心ですね。
ご先祖様たちが地獄で…閻魔大王のグラグラ沸き立つ釜の中に入って、茹でられているわけじゃなくて、本当に良かったと思いました!
ご先祖様を迎える家族は、「釜の蓋が開いた」ことを喜び、この8月1日におまんじゅうをお供えするそうです。
ご先祖様を大切に思う、何とも心温まる良い風習ではないでしょうか。
私の育った地域では、このような風習は全くありませんでした。
しかし、記憶を辿ると、ご先祖様がいる家庭では、8月は庭の手入れをしたり、破れた障子を張り替えたりして家を綺麗にしていたように思います。
それは、親族が集まるから綺麗にしていたと思っていました。それが一番の理由でしょうけれど、ご先祖様を迎え入れるためでもあったのですね。
何ともご先祖様に失礼な!ご先祖様を大切に思う方が先ですよね。
どしても現世に生きていると、目の前のことに気をとられ、大切なことを忘れてしまうんですよね。気を付けたいと思います。
先日、『インサイド・ヘッド2』公開記念!で3週連続でディズニー&ピクサーの名作を、金曜ロードショーでテレビで放送していました。
1週目は、『リメンバー・ミー』でした。
泣けます!本当に温かい涙が流れるんです。
涙に温度はないけれど、悲しい涙ではないんです。心温まる涙なんです。
家族を思う気持ち、ご先祖様への思いが溢れてくるんですよね。
感動シーンは、ラストに畳みかけるように涙を誘う場面です。
主人公ミゲルとママココ(ひいおばあちゃん)とのやりとりが、私は何度見ても泣けます。
ママココは認知症で、表情もぼんやりして言葉数も少なく、無反応のような状態の日々を送っていました。
ミゲルがママココのお父さんが作った歌を歌いだすと、ママココの表情がどんどん生き生きしだして、一緒に歌いだすのです。
ママココの細やかな表情の変化がとても好きで、「リメンバーミー♪」の歌も良くて、亡くなった人を思う気持ち、家族の絆や温かさに心打たれます。
映画の中の有名なセリフに「人は2度死ぬ」とあります。
「肉体的な死」と、「自分を覚えている人がいなくなったときの死」。
『リメンバー・ミー』は、メキシコ人がモデルとなっています。
メキシコでは先祖をとても大事にし、亡くなった人の写真を飾って忘れぬように覚えておくという風習があるそうです。この世から遠く離れてしまった大切な人を、いつまでも忘れずにいたいですね。
私はまだこの世にあり、未体験で分かりませんが、「人は2度死ぬ」という言葉が胸にグッと刺さります。
「地獄の釜の蓋が開く日」だと思った瞬間に、『リメンバー・ミー』を思い出して、録画を再生してみて泣いていた私の今日この頃でした。
8月はお盆の月だし、改めてご先祖様に思いを馳せて、感謝をささげたいと心から思います。
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