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「就職活動」は早く始めるべきか否か

2年生の時から就活ってしてもいいものなんですか

大学生から何度かこんな風に聞かれたことがあります。この場合、大学生における「就活」とは何かという問いにも答えが必要になってきます。

「就活」は何の略語か?

まずは「就活」という言葉が何の略語か、について定めておきましょう。当然多くの人が「就職活動」だと答えると思います。ただ、それは正解でありながら、実際の運用を鑑みると正解ではないこともあります。

よく言われることではありますが「就社活動」として「就活」という言葉が使用されている向きがあります。しかし、それは当事者の学生たちからすると無意識の使用です。「就社活動について相談したい」と言われることはありませんが、今の就職活動は結局のところ、就社活動になっていることが往往にしてあります。

冒頭の学生の質問に対してはこう答えます。

「就社活動の就活なら、する必要はないと思うけど、就職活動の就活なら、したらいいと思うよ。」それは「就社活動」は対策や手段であるため短期的な取り組みで充分ですが、「就職活動」は時間がかかるものだからです。

抜け落ちた「職」

「就職活動」の「職」を国語辞典で調べると、「職業、仕事、担当する役目、職務技術」といった意味が書かれています。しかし、大学生のエントリーシートの確認や模擬面接をしていると、この「職」の部分がごっそり抜け落ちていることが頻繁にあります。「A社で働きたいけれど、志望動機が書けません。」「仕事内容は上手くやれると思うので、正直何でもいいです。」「同じ業界なので、仕事は結局同じだと思います。」などなど。

エントリーシートを見たり、模擬面接をする段階まで行くと、それはもう「就社活動」の最終段階です。けれど、キャリアアドバイザーと学生との出会いはこの段階が初対面であることが多く、ここでこの状態で来られると、「間に合うかなあ(心配)」「もっと早く出会いたかったな」という気持ちになります。

「職」に出会うためにしてほしいこと

「職」にアプローチするためには、どうすればいいのでしょうか。その人それぞれの方法やタイミングがあり、一つの正解があるものではないですが、大学生であればやったほうがいいなと私が思うことは大きく次の2つです。

①他者に出会うこと

自分以外の価値観や人生を知ることです。実際の知り合いはもちろんのこと、会ったことのない人でもいいし、本の世界でもいいと思います。身近な友だちの考え方は自分と違うけどすごいと思うという人も、スティーブ・ジョブズの言葉によって、自分が働くことや自分の生き方を考えるようになる人もいますよね。

②世の中の仕組みを知ること

世間のお金の仕組み、仕事と仕事が繋がる仕組みを知っておきたいですね。自分がどういう価値を社会に提供して対価をもらう立場になるのかを認識するには、全体の仕組みをある程度知っておかないと働く人としての自分を社会に位置づけることは難しくなります。

この2つは時間がそれなりにかかります。だから「就職活動」は早くから行っていいと思うのです。

子どものころは「就職」だった

突然ですが、話をそれぞれの人の幼少期にさかのぼらせましょう。

「将来は何になりたいの?」と一度は聞かれたことがないでしょうか。割と元気よく「サッカー選手!」とか「ケーキ屋さん!」とか「亀!」とか答えている子どもを容易に想像できます。某保険会社が集計した「小学生がなりたい職業ランキング」といったものが定期的に発表されたりもしますね。私たちは意外と小さい時から、職について問いを投げかけられているのです。
その時に「ああ〜、あんまりそれ考えたくないけど、○○会社に入りたい」などと「就社」を答える子どもはほとんどいないのではないかと思います。

「就職」について答えられていたはずなのに、いつから「就社」にすり替わってしまうのでしょう。この過程については、とても興味深いのでいつか考えてみたいと思います。

世の中でどんな役目を果たしていくのか、それはつまり、どう生きるかということ。それを考え、動き始めるのに、「いつから」なんてこと、あるわけがありません。

皆と同じ「就活」でいいのか?自分の「就活」はどんなものにしたいのか?そんなことを学生たちと一緒に引き続き考えていきたいと思っています。


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