明るいDJ/みんなも明るく生きよう!
「さ〜あ、今日も始まりました、DJモリスギの「明るく行かナイト」!
みんな、人生を楽しく生きてる〜?生きる勇気がない人、人生に疲れた人にお送りする、DJモリスギの「明るく行かナイト」、今日も行くよ〜!」
いよいよ始まった。DJモリスギの「明るく行かナイト」だ。
この番組は、最近急増する、人生に疲れた人を減らすために作られた。
司会は、“世界で一番明るいボーイ”DJモリスギ。
僕は、とても人生に疲れている。毎日22時55分を楽しみに待っている。
ところが、マスコミによると、彼自身も人生に疲れた人らしい。親の牛が子の牛に飛び方を教えているようだ。
「は〜い、では一番目のはがき行きま〜す。
ラジオネーム『さかなさん』くんから、『あなたは大丈夫ですか?』のクエスチョン!
………………、、、
『あなたは大丈夫ですか?』?
…………。……………………
は、は、はい、じゃ、次のはがき行きます!!」
さっきのはがきがゴミ箱に捨てられる音がした。
「ラジオネーム『火色のポエム』くんから、『ストレスは溜まってませんか?』???????」
「………………」
「ラジオネーム『モリスギだいじょぶか』くんから…?????????『モリスギストレスは大丈夫?』くん……ラジオネーム『皿回し武雄』くんから…、」
俺のラジオネームだ!
…と、叫んでしまった。
「『モリスギ自体が人生に疲れてない?』?
『新入りが新入りに教えているみたい』?
『『明るく行かナイト』は続けられる?』????
…………………………………………
みんな、ありがとう。とても今、DJモリスギは嬉しいです」
あの“世界一明るいボーイ”が、泣いてる声が聞こえる。
ラジオから水が出てきそうだ。
「でも、心配しないで。DJモリスギはいつでもオンエアです!みんな、心配してくれてありがとう!今日の主役はラジオを聞いてる君たちだ!」
その翌日、モリスギは投身自殺したという。
ラジオ収録が終わってからすぐ。放送局から。26歳で。
多くの人が死を悲しんだ。私も。
でも、少し元気をもらった。頑張って面接へ行った。合格した。ちゃんとした仕事に着けた。
ありがとう、モリスギ。君のおかげで報われた!
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