ショートショート「刑事ものの小説、特にタイトルはない」

ショー氏は、コナク警察の刑事だ。
ある日、突然電話がかかってきた。
電話によると、カナブン県ちゃんこ市で殺人事件が起こったらしい。
害者は35才の女性。
ショー氏は刑事仲間のノルール刑事、プラス刑事と一緒に現場に向かう。
現場につくと、女性は道端に倒れていて、ノルール刑事は思わず遺体につまずいてしまった。
かなり体型はぽっちゃりしていて、肩を刺されている。
情報によると、30代の男で、赤いコートを着ているのが犯人だという。
まわりを探すと、それらしい人は5人見つかった。
だが、誰もが容疑を否定する。
「え~い、面倒くさい、まとめて全員逮捕だ!」
そうプラス刑事が叫ぶと、二人はプラス刑事の方を見た。
彼は36才で、赤いコートを来ていた。
ノルール刑事が衣服を触ると、赤色に紛れて血がついていた。
「逮捕だ!」
途端にショー氏が叫び、彼を警察にしょっ引いていった。
そして二人は署長の部屋へ。
ショー氏は言った。
「この事件、片付けました。これで巡査部長から巡査に階級を上げてくれますか?」
すると署長は言った。
「上げるどころか全員逮捕じゃよ」
「何でですか!私は何もしていません」
「最近事件が多いと思ったら、お前らの出世のためだったんじゃな」
途端に二人は黙りこくった。
「わざと事件を起こしたんじゃろう。
仲間や、一般人を犠牲にして」
二人はもうしゃべる気配もなかった。署長は続けた。
「それから、被害者の女、出てこい」
刺された女が出てきた。
「お前もショーとノルールの一味だろ?」
「はい」女は言った。途端にノルールが、
「おい、裏切り者!否定しろと言ったろ!」と叫んだ。
「だって…」
「だってじゃない!ここを出してくれ!」
そして、バンバンドアを叩き始めた。
署長は更に続けた。
「女を刺したナイフは本物だったぞ。せめて自分たちの仲間と一般人を大切にする心を持て」
3人は警察官に連行されていった。
ひと安心した署長だったが、警察官が署長室に入ってきて、
「あなたを逮捕する」
と言い放ったのだ。
「わしは何もしておらん」
「不正な事件を起こして署長に出世した」
「ちょ、待て、何もしていない!!」
署長は警察官に連行されて行った。
実を言えばその警察官たちも不正に出世していた。
結局みんな悪かった。
どうせみんな悪いなら、こんな騒動にならずに済んだのに。
それが分かっていれば、こんな騒動は起きてない。

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