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K.A.N.I

言っててなんだか面白い生き物、第一位は「カニ」。そう思っている。
西ローランドゴリラの学名「ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ」や、名前だけでなんだか腹立つ「ドバト」、同じ海洋に棲む生物である「イカ」を抑えた圧倒的な一位だ。

カニが面白い理由その①
「Kani」
カニの子音と母音を可視化すると「Kani」になる。
母音は「あい」。母音が同じ二文字の言葉を探してみると、
「愛」「兄」「ダニ」「滝」「柿」「牡蠣」「秋」「鍵」「泣き」「ハリ」「不意」「不利」「不死」「富士」などがある。
なんということだ。どれも言っていてちょっと楽しいかつ、一部のものにはネタ要素も含まれている。母音「あい」部隊はどれも優秀だ。
そして、そのなかでも特に秀でているのが「カニ」だ。子音の方にも注目してみる。
まず「k」を発音しているというインパクト。子音「k」は『喝!』の最初の音でもある。目が覚める効果でもあるのだろうか。
そのあと「n」だ。子音というよりは、『二~』と口を引き伸ばしているのが面白い。「喝!」と言いかけたあと『二~』。なんというギャップだろう。
更に面白いのが「タカアシガニ」。こいつはすごい。何と言っても母音の3分の2が「あ」だ。『あああいあい』。しつこいようだが、こんなに面白いことはない。

カニが面白い理由その②
「蟹」
そんなカニだが、漢字にすると一転して謎を含み始める。
カニを漢字にすると「蟹」。
まず虫ではないのに虫へんを使っている点。これはまあ分かる。
先人が砂浜にふと立ち寄ると、足が八本で何やら欠けた月のような形をした生物に出会った。
これをひと目見て先人はこう言った。
『コレワムシダァアァ~~』
脳みそが十分じゃなかったためにこのような見当違いの漢字を作ってしまったのだろう。無理もない。
しかし下は「虫」だが、上を見てみるとどういうわけか「解」の文字が。
つまり、「すべてを理解した虫」ということなのか。
人間は何やら自分たちのことをカニと呼んでいるので、自分たちはカニなのだと思っていたのに、自分たちは実は虫だったのか!
ショックを受ける蟹…もとい虫。
しかしなんだ、あいつら人間は我々のことを虫だと気づかずに「カニ」などとあてずっぽうな呼び方をしているのか。
所詮やつらは低知能生物だったということだ!愚かな人間どもよ、見よ!我々はここに宣言するぞ!
『ワレワレワムシダァアアァ~~』
ただのかにみそでものを考えているのだから無理もない。
このあと、彼らは水揚げされ出荷された。

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