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おかしな言葉集 2本立て

ちょっと前まで「変な家」が流行っていたが、慣用句は変なものだらけで枚挙にいとまがない。
「腹を割って話す」と聞くと、屈強な男二人が割腹し、畳を血で濡らしてうめきながら必死に会話している絵しか浮かばない。
「しらを切り通す」の「しら」は恐らく「白」からなのだろうが、私はどうしても動物の肉の部位を思い浮かべてしまう。「すねをかじる」や「揚げ足をとる」もそうだ。
ここまで書いて気づいたが、慣用句より私の連想の方がよっぽど変だ。ある意味私は、共感性のある文が書けなくなったのかもしれない。
『共感性なぁぁぁぁぁぁぁい!!!』
あの「人」の声が甦る。

何でもかんでも「The」や「THE」や「ザ」をつける風潮が蔓延している。
正確には、「The・THE・ザ連合軍」が大挙してこの言葉あふれる世界に押しかけようとしている。いや、もう侵略はすでに始まっているのだ。
「The」と調べると「の」、「その」、「というもの」という結果が出てくる。
さらに特定の物事や人、その中でも一般的に知られているとされるものに対しては、冠詞としての「The」を使えるそうだ。
しかし、なんという事だろう。翻訳で「The ま」と打つと、翻訳結果が「ま」になるではないか。
つまり、「The」は何かと右隣り合うと、死んでしまうのだ!
なんてことだ、これじゃあ満員電車では確実に死んでしまう。
春は進級の季節。Theは運良く、席替えで気になるあの娘と右隣になった。Theは浮かれて登校した。彼は、今日が人生最後の日になるとは夢にも思っていない。
そして、ああ、ついにその時が来てしまった!
彼は浮かれすぎて油断し、右から来た人とすれ違ってしまったのだ!
そう、その人こそ、万引き・恐喝・暴行を繰り返す極悪非道高校生「to」だ!!
というわけで、世界を侵略しかけ、多くの受験生を悩ませた「The」は消滅した。
めでたしめでたし。

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