#落書きが一つ一つのストーリー 【小説】歯車
ある工場を見学している。
歯車の音がカチカチカチカチと音を立て、ロボットがせっせせっせと働き、人間もせっせせっせと働いて、車が一台完成した。
車は船で運ばれ、外国に送られる。
一つ一つの部品が大事なんだ。
もし一つだけ部品が抜けていたり、壊れていたりしたら、大きな車がただのハリボテになってしまう。
まるで、人間は他の人間に支えられないと生きていけないのと同じだ。
最近は地球にやさしい車ちゅう物が流行ってるらしい。
車が来ていることが気づくように音を出し、地球温暖化防止の為(だったっけ)に水素で走る。
別の工場にも来た。
今度は細かい細かい部品が密集した携帯だ。
無茶苦茶小さい携帯が、これほどの機能を持っているとは。
江戸時代に始まったからくり文化から、明治の新幹線、昭和のコンピューター、そして平成のスマートフォン。
無茶苦茶小さい携帯が、これほどの機能を持っていることからして、まさに“スマート”フォン。
2つの工場を見学して思った。
機械は基盤が大事なんだ。
基盤がなきゃ、成立しない。
スマホも車も、中の機械がすっぽり抜けていたら何も機能しない。
一つ一つの部品…ここでは“歯車”に例えよう。
一つ一つの歯車が、カチカチ回って、スマホも車も機能している。
生きている。
色々な“部品”(人間で言えば、内臓や心)が“生きている”からこそ、機械は(人間も)、成り立っているんだ。
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