拝啓、9歳のおれへ。

なにに対しても中途半端で、

全てに対して楽観主義で、

いい加減だった9歳のおれ。

その9年間はどうでしたか?

心から楽しめてましたか?

周りに合わせて、

ヘラヘラ笑って、

自分を殺して、

楽しかったですか?

そりゃ、引越し多くて、

かわった経験ばっかりしてて、

君はクラスでもかなり浮いていましたよ。

でも、君は楽しかった?

辛いことはひとつもなかった?

なら、どうして笑うの?

自分の気持ちや感性に

正直になるべきだったと

おれは思うよ。

でも、君の9年間は

全くの無意味ではなくて

その9年間は

今のおれを造り上げた。

それは誰であってもできない。

君だけの成果で、

君だけの結果だ。

図書館にいびりたって、

真っ暗になるまで読み漁って

真夜中になっても、夢中になった。

生まれて初めて

ほとんどのものを投げ捨ててまで

夢中になった君は

16年後には誰にも負けない武器を持ったんだ。

体の大きさは変わらないけどね。

身長は伸びなかったよ

手の大きさだって

足の大きさだって変わらなかったよ

でも、心の中に誇れるものができた。

頑張ったね、大丈夫だよ

信じたまま、突き進んでくれてありがとう。

16年前の9歳だったおれが歴史を好きになってくれてありがとう。

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