森の中に潜む数学 フィボナッチ
木の枝の数、花びらの枚数などなど。森の中には実は、ある法則が隠れているんです。その法則を「フィボナッチ数列」といいます。「聞いたことはあるけれど、忘れてしまった」という人もいらっしゃるかもしれません。今回は、そんな自然の不思議さを見ていきたいと思います。
フィボナッチ数列とは
まず「フィボナッチ」とは、イタリア人数学者「レオナルド・フィボナッチ」に由来しています。一定の規則で並ぶ数列を彼が見出したことから、その法則をフィボナッチ数列と呼ぶようになりました。この数列は自然界に多くみられ、一見、共通点が無さそうな現象でも、意外な規則性が発見できます。
<フィボナッチ数列の並び>
1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89・・・
この数字が並んでいるルールはシンプルで、3番目の「2」以降はどれも「直前の数」と「そのひとつ前の数」を足した数字となっているんです。
例えば「8」の場合、「直前の数」の「5」と、「そのひとつ前の数」の「3」を足した数であることがわかります。「13」の場合は、「直前の数」が「8」で、「そのひとつ前の数」が「5」となっています。自然界には、この1, 2, 3, 5, 8・・・と続く数字のどれかに当てはまることが多いんです。
森の中のフィボナッチ① 木の枝
複雑に入り乱れているように見える木の枝も、実はフィボナッチ数列でキレイに配列されています。1本の幹から伸びる2本の太い枝、その太い枝は3つ、5つと、末端の小さな枝へ向かい、フィボナッチ数列に従って分かれていきます。個体差があるためすべてがそうなっているわけではありませんが、大半の木の枝はこのようになっています。
森の中のフィボナッチ② 花びらの数
花びらも、フィボナッチ数列に沿った枚数で構成されています。例えば、ユリは3枚、サクラは5枚、コスモスは8枚といったカタチです。木と同様に、例外となるケースはあるものの、私たちが目にしたことのある花の花びらは、フィボナッチ数列に沿っていることが多いんです。
このフィボナッチ数列は、「銀河の渦巻き」や「台風の渦巻き」にも見られるのだそうです。自然って、やっぱり奥が深いですね。