ヒバの木はシロアリを寄せ付けないことが実験で明らかに
こんにちは! 「自然に寄せたくらし」のネイチャライズです。
木造の戸建てにお住まいの方であれば、シロアリに対する恐怖が少なからずあると思います。シロアリによって、せっかくのマイホームが台無し。なんてことは避けたいですよね。
青森や能登に多く生育している「ヒバ」(檜葉)という木は、昔からシロアリを寄せつけない木材として重宝されていたそうです。今回は、そんなヒバの木がシロアリ対して有効であることを裏付ける研究についてご紹介いたします。
シロアリが木を食べる理由
そもそもなぜシロアリが木を食べてしまうのか。それは、木に「セルロース」という繊維が多く含まれているからです。セルロースの成分はブドウ糖で、大豆やおからなどの食品にも含まれています。このセルロースがシロアリにとっての栄養素になるわけです。
ヒバはシロアリを対策できる
少し古いデータにはなりますが、宮崎大学で、木材とシロアリに関する研究がおこなわれました。スギやヒノキ、ヒバといった、さまざまな種類の木材をシロアリの巣の近くに置き、どのくらいシロアリが木材を食べたのかを、46日後と72日後に観察するというものです。
結果は、なんとヒバだけが食べられた形跡無し。それに対してほかの木材は、多かれ少なかれ被害を受けていました。このことから、ヒバにはシロアリを寄せ付けない性質があるといって間違いないでしょう。
(引用元:東北森林管理局
https://www.rinya.maff.go.jp/tohoku/syo/simokita/hiba/character01.html)
ヒバはシロアリをやっつける?
シロアリを寄せ付けないヒバの性質を発見したこの大学は、さらにヒバの精油成分に着目していきました。
おこなったのは、ヒバの精油成分を取り除いたおが屑と、取り除いていないおが屑を床に敷き詰め、そこに100匹のシロアリを放って生存率を比べるという実験です。
結果は、精油成分を取り除いていないおが屑のほうは120時間でシロアリがすべて死んだのに対し、精油成分の無いおが屑のほうは240時間経過しても死んでいる個体は見つかりませんでした。この実験から、ヒバの精油にはシロアリをやっつける成分が含まれていることがわかります。
動物のように動くことのできない木は、さまざまなちからを獲得し、生き延びようとしています。シロアリに対抗するちからも、そうしたことの1つといえるでしょう。
ただ月並みですが、シロアリ自体も決して悪い生き物ではありませんので、シロアリがちゃんとくらせる環境を整えることが、人間とシロアリが共存できる方法だといえそうですね。