ヒバの木に含まれる成分「ヒノキチオール」とは
ヒノキチオールの優れた作用
ヒバ(檜葉)の木には「ヒノキチオール」という成分が含まれています。
このヒノキチオールには、いろいろな不思議やドラマがありますのでみていきましょう。
まずは、その作用から。
ヒノキチオールには次のような働きが認められていて、
私たちの生活の質を高める助けをしてくれています。
<主な作用>
〇殺菌・抗菌作用
〇消炎作用
〇細胞活性化作用
〇メラトニン生成抑制作用
〇コラーゲン産生促進作用
〇皮膚浸透作用
こうした働きを活かし、切り傷の薬、化粧品、歯磨き粉など、
ヒノキチオールはさまざまな製品に用いられています。
ただし、抗菌作用のメカニズムなどについては、まだほとんど解明されていないそうです。
ヒノキチオールの名前の由来
「ヒバなのに、ヒノキチオール?」と疑問に思った方もいらっしゃるかもしれません。
このヒノキチオールという成分を発見したのは、
有機化学者の野副鐵男(1902-1996)さんです。
天然有機化合物の研究に取り組む野副さんは戦前、台湾へ赴任。
1936年には台湾ヒノキから、ある成分を発見しました。
野副さんはその成分が台湾ヒノキから見つかったため、「ヒノキチオール」と名付けます。
当時、自然界には七角形の分子構造は存在しないといわれていたそうですが、
野副さんはヒノキチオールが七角形の分子構造をしていることを突き止めました。
この大発見と、その後の熱心な研究により、1958年に文化勲章を受章されています。
ヒノキ(日本産)よりもヒバのほうが多い
のちにヒバの木からもヒノキチオールは発見されるのですが、
先に台湾ヒノキから見つかったため、ヒノキチオールと呼ばれています。
もしヒバから先に発見されていたら「ヒバチオール」になっていたかもしれないですね。
またややこしいことに、日本に生育しているヒノキにはごくわずかしかヒノキチオールが含まれておらず、ヒバのほうがより多く含んでいるのです。
少しこんがらがってしまいそうですが、ご紹介したように、ヒノキチオールはいろいろと働いてくれます。