生活の全て、今なら全部やれます

歯医者に行くためにお気に入りの服を着る。グラニフと石黒亜矢子がコラボしたシャツで、創作の妖怪が一面にプリントされている。ヤクザが着てそうな派手なシャツだけど、色合い自体は落ち着いていてとても着やすい。本当に気に入っていて、私にとっての戦闘服だ。

そんな服を着て行くのは、歯医者が怖いからだ。施術中、患者の命はやつらの手の中に握られている。あいつらは患者にむかついた瞬間「すいません、手が滑りました♪」と言って、手に持っているドリルを患者の脳天にぶっ刺すことができる。こちらも気合を入れていかねば殺されてしまう。

着替えて外に出ると、温かくて嬉しくなった。さらに、剥き出しのサンドイッチを一心不乱に食べながら歩く女性が目の前を通ったのでテンションが上がった。たしかにサンドイッチを歩きながら食べたくなる季節だよな、春っていうのは。

歯医者に脳天をドリルで貫かれることもなく無事に施術が終わって帰宅。体重が増えないことを悩んでいる母親のために、高野豆腐とささみを卵で閉じた謎の料理を作る。タンパク質三連星。

料理の作り置きを終えて洗濯物を入れると、全ての衣類が完全に乾いていたので小さく踊って祝った。幸福とは洗濯物がすぐに乾くということだ。その理由だけで、夏が季節の中で一番好きだ。

春の陽気に浮かれまくった勢いで、スニーカーと電動シェーバーをamazonで注文。生活の全て、今なら全部やれます。そういえば、もうすぐ一年ぶりに無印良品習慣が開催されるらしい。盛り上がってきた。

でも、もしまた寒くなってしまったら全て投げ出してしまうだろう。どこか遠くの過疎化した漁村へ行き、名前を変えて一から生活を始めるだろう。その時に使う偽名をランダム単語ガチャで決めます。

→「茎わかめライフル　倦怠期」
悪くないですね。