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9月23日/PERに関して

 前回は夏服と冬服に例えて金利の事を書きましたが、今回は風邪薬に例えてみたいと思います。
 金利を下げるのは「不景気下で景気を良くするため」なので、言わば病気で体調が悪くなった人が風邪薬を服用するのと同じような事です。その結果病気が治れば風邪薬を飲むのをやめる(=低金利政策をやめる)事になる訳です。そういう意味では、ゼロに近いような低金利というのは不健康な状態であり、ある程度金利を上げる事が「金融正常化」にあたるのは確かにその通りです。
 しかし、だからと言って金利を上げて「金融正常化」すれば問題が解決するかというと話は別です。現在自民党総裁選に立候補している石破や河野などは「一刻も早く金利を上げて金融正常化するべきだ!」というような事を主張していますが、それが「しっかりと病気を治して風邪薬から卒業する」という意味なら分かりますが、病気も治っていないのに単に風邪薬だけやめてしまえばどうなるか?答えは自明で、体調がもっと悪化するだけです。
 利上げを主張するのなら「どのようにして金利を上げられるような経済を作るか」をまず説明すべきです。景気が回復していないのにとりあえず金利を上げるというのは大間違いの政策であり、それこそ日本経済を崩壊させる愚行であるという事は声を大にして言っておきたいと思います。
 
 
 さて今回は、以前読者様から質問頂いた「PER」についての私の認識について書きたいと思います。
 
 株価の割安度を測る指標には様々なものがありますが、その中でもPERは最もポピュラーな指標と言っていいでしょう。どの投資関連サイトの銘柄紹介ページを見ても、PERは真っ先に記載されている指標です。
 
 ですが結論から言うと、私はPERという指標はあまり重視していません。もう少し正確に言うと、2~3年前までは重視していましたがここ最近はすっかり重視しなくなりました。決算チェックリストにPERの欄を作っているのはあくまでPERを重視するかもしれない読者様のためであって、私一人が使用するためにリストを作るならPER欄は削除してしまうかもしれません。
 
 ではなぜ私がPERを重視していないか…をお伝えする前に、そもそもPER・PBRとは一体何を表している指標なのでしょうか。インターネットで検索してみるとPERは「株価収益率」の事で『株価÷1株当たり利益』で表されるとの事です。また、PER=PBR÷ROEという式でも表されるようです。
 
 ですが、私から言わせればハッキリ言って「何のこっちゃ?」です。株価収益率?1株当たり?ROE???ベテラン投資家ならともかく、投資初心者がこんな難解な式を見せられても理解するのはまず無理でしょう。
 私から言わせれば、PER・PBRの計算式は以下です。

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