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<無料>DOE銘柄についての簡単な解説

 当ブログも3か月目に入りました。10月も引き続きよろしくお願い致します。
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 相場の方ですが、日経平均は反発。保有株では事実上の上方修正及び自社株買いを発表した3452ビーロットが前日比+9.14%と値を飛ばしました。8月決算チェックにて最上位評価していた銘柄だけに嬉しい限りで、やっぱり2Q決算銘柄は強いなと改めて感じます。同じく2Q決算最上位評価だった3299ムゲンエステートと同じような意味合いの銘柄ですが、ムゲンエステートは既に株価がかなり上がってくれています。ビーロットもムゲンエステートの後を追う展開を期待したい所です。
 

 
 さて、今回はDOE銘柄というものについて書きたいと思います。
(※今回の内容は昨年7月22日に旧ブログで書いた記事と似たような内容となっていますが、当時の記事を読んでおられない方も多いと思うので改めて書く事にしました。今後も旧ブログで書いたのと同じような内容の記事が出てくる事があるかと思いますが、当時以上にアップデートした内容となるよう心がけますので何卒ご了承下さい)
 
 まずは『DOE』とは何かという事を簡単に解説したいと思います。DOEとは「Dividend On Equity ratio」の略で日本語では「株主資本配当率」と訳し、企業が株主資本に対してどの程度の配当を支払っているかを示す指標です。「株主資本」というのはちょっと難しい単語ですが、端的に言うとその企業が保有している純資産を指します。では純資産とは何かというと、例えばある企業が現金やら固定資産やら全部合わせて1億円の資産を保有しているとして、でも銀行から3000万円の借り入れを行っていれば、株主資本(純資産)は1億円-3000万円=7000万円となります(細かい事を言い出すともう少しややこしい計算になりますが、簡単に言うとこういう事です)。
 
 これを踏まえた上で、一般的に企業の配当額決定あたっては以下の3パターンがあります。
 

①.利益額や株主資本の額に関係無く配当額を決定するケース
②.利益額に一定の割合(配当性向)を掛けて配当額を決定するケース
③.株主資本の額に一定の割合を掛けて配当額を決定するケース
 

 ①は最もシンプルなケースです。例えば私がかつて保有していた4540ツムラは最近こそ増配に踏み切りましたが、私が保有していた頃の配当額は毎年64円で一定していました。業績とか関係無く毎年64円です。
 また、配当額が一定ではなく徐々に増配していくような企業もあります。例えば8593三菱HCキャピタルは目下26年連続増配中ですが、配当額は利益額や株主資本から算出している訳ではなく、「前期の配当に数円増配する」というやり方を毎年繰り返しています。
 

 次に②(利益額に配当性向を掛けて配当額を決定するケース)ですが、このケースはその年の利益額によって配当額は大きく変化します。
 例えば、以下は9028ゼロという銘柄の各年における配当額及び配当性向ですが…

 ご覧の通り配当性向は25%で一定しており、配当額は年によってバラツキがあります。配当性向に基づいて配当額が決まるケースの場合は、業績が良くなれば配当額も上がる一方で業績が悪化すればすぐに減配となってしまうので、ある意味ではハイリスクハイリターンの銘柄と言う事もできます。
 
 
 これらに対して③(株主資本の額に一定の割合を掛けて配当額を決定するケース)が、今回のテーマである「DOE銘柄」に該当します。
 DOE銘柄の最大の長所は、何と言っても安定した配当が保証されている事です。先ほど見たかつてのツムラの場合、年間配当64円というのは安定しているように見えて実は「いつ減配されるか分からない64円」でしかありません。また、②のケース「利益額×配当性向」で配当額を決定する場合、好業績なら良いですが逆に業績が悪化すれば即減配となってしまいますし、それこそもし赤字に転落してしまえばその年の配当額は理論上0円となります。よっぽどの安定大企業以外は市況次第で業績が突然悪化したり赤字になってしまう事は十分有り得る話です。例えば今では年間数千億円の利益をあげている5401日本製鉄ですら、つい4~5年前は赤字でした。
 
 その点、DOE銘柄は「株主資本」に一定割合を乗じて毎年の配当額を算定する訳ですが、株主資本というのは言わば創業以来何十年かけて積み上げてきた内部留保の総額なので、多少業績が悪化したぐらいでは大きく変動しません。試しに先ほどの9028ゼロという企業のの財務諸表を確認してみると、単年の利益は20~50億円程度なのに対し株主資本は372億円もあります。だから仮に今期5億円の赤字を計上してしまった場合、現在のように「配当性向25%」なら配当額は一気に0円となってしまう訳ですが、株主資本は372億-5億=367億円になるだけなのでDOEによって配当額を算出していれば配当額はほとんど変わりません。つまりDOE採用銘柄は、企業の経営が傾くような大アクシデントでも無い限り、安定した配当が保証されているという事になります。
 
 そして近年、実は配当額決定にあたってDOEを採用する企業が増えているのです。その理由は端的に言うと企業が株価を上げたいから…つまりは投資家に自社の株を買って欲しいからなのですが、その策として安定配当という安心感を投資家に買って欲しいと考えDOEを採用しているのです。私自身、保有株に占めるDOE採用銘柄の割合は年々増えています。
 
 現在は株式市場のボラティリティ(価格変動)が非常に大きく、乱高下が非常に激しい時代です。何せこの2か月だけで3回もブラックマンデーがあるという異常事態です。そして政権も変わり、利上げ・円高・株価下落懸念は急速に高まっているとも感じます。そんな中にあって、安定した配当が保証されている銘柄というのはやはり心強い存在です。高配当が保証されていれば株価が右肩下がりになる事はまず考えられないですし、実際に先日の植田ショックの時もDOE銘柄たちは総じて我先にと株価を戻しました。また(この考え方は株式投資をする上にあたってとても重要ですが)、株価とは所詮は市場が決めるものなので上がるか下がるかなんて分かりません。極論、業績が絶好調でも地合いが最悪なら株価は下がります。ただし、安定した高配当というのは不変です。DOE銘柄の場合、もし様々な事情で株価が上がらなかったとしても、それはそれとして高配当を粛々と受け取って十分と考える事もできます。
 
 という訳で今回は「DOE銘柄」というものについて簡単に解説しました。続いて具体的な「高配当確約DOE銘柄」を紹介していこうと思うのですが…しかしまだ原稿が完成していません(スミマセン…)。なので週末辺りをメドに紹介したいと思っています。とりあえず今回は1銘柄だけ、私の以前からの推し銘柄である1814大末建設だけ紹介しておこうと思います。以下、大末建設が今年初めに発表した今後7年の中期経営計画です。

1814大末建設(配当利回り5.5%)
2030年度までDOE4%以上により、高配当がほぼ確約された状態。
また、業績的にも今期は前期比60%以上の増益見通し(経常利益)と好調

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