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次は、ご一緒に。
昨日までは少し体調が悪かったので書けませんでしたが、旭寮での一週間滞在を終えての所感を纏めてみました。
ひと言で表現すると、驚くべき歓迎を頂戴した一週間でした。
初入寮の様子をFacebookで投稿するや、皆さんからリアクションを頂戴し、現地では西村さん始め廃屋グループの皆さんからも。
翌日からは来客ラッシュで、結局毎日お客様が途切れることなくお越しくださり、旭寮をご案内できる光栄な日々となりました。
西村さんと僕を繋いでくださった旭寮プロジェクトの大恩人 大阪公立大学の西野雄一郎先生とご一行さま、地元でお近づきになった方々、わざわざ東京から大家仲間や友人が、吉原ゼミの仲間も忙しい合間をみつけて馳せ参じてくださいました。
また、バイソンでの仕事や滞在やお遊びでお越しの沢山の方々もちょっと顔を出して、二階からの素晴らしい眺望を堪能してくださいました。恐らく、延べ100名くらいの方が一週間に訪れてくださったと思います。
入寮2日目には日本での展示会のために来日していた海外アーティストと地元美術大学、関係者の交流イベントを旭寮で開催頂き、40名以上の方々がご参加。閑散とした旭寮に賑わいの灯をともして下さり、華やいだ場の雰囲気をイメージすることができました。
西村組の女将的存在である「みやこ」さんの伴走で20軒を優に超えるご近所や町内の方々にご挨拶回り。その中でとりわけ仲良しになった五宮神社の宮守をされているアーティストの高濱さんは、早速、お仲間であるご近所「ほっこりチーム」にお声がけくださって、旭寮初のお茶会を行うに至りました。
さらに、高濱さんからは五宮神社の上にそびえる空き地と旭寮の敷地にまつわる戦前の貴重なエピソードを教えて頂き、旭寮のヒストリーを調査するための大きな橋頭保を得ました。その内容は改めてご紹介する予定です。
11月24日に神戸R不動産と西村組にて催された「平野ハイク」でも、地域の有名物件に並んで訪問地の一つに選んで頂き、その参加者20名以上の方々にご覧頂きました。まだ、再生に全く着手していないにも関わらず。
その中で感動してしまったのは、ハイクの序盤。バイソンの茶室前で皆さんに僕を紹介してくださったタイミングで沸き起こった歓迎と拍手。
勿論、西村さんには入札参加する旨をご了解頂いてから落札したのですが、事情の知らない地元の方々からすると、地域にとって大切な建物を地縁もない東京からの見ず知らずが買ってしまったのだから反発も止む無しと覚悟していたので、予想外の反応に驚くとともに鳥肌が立つほどの感動を覚えてしまいました。
さらに驚くのは、神戸市建築住宅局で政策、特に空き家対策をご担当のお三方がお出でになり、神戸市の空き家状況とその施策を丁寧にご説明くださり、旭寮の再生が市や地域に資する内容ならば応援しますとエールを送ってくださいました。これには、いささか面喰いました。空き家を買っただけで行政からこんなもてなしを頂戴するとは夢にも思わなかったので。
この時に改めて認識したのは、旭寮が地域にとって単に大切であるばかりでなく、その再生がランドマーク的存在となるポテンシャルを有しているのだと。そして、旭寮も僕も(当然、再生を主導する西村さんも)この負託に応える責務を負っていると背筋が伸びる想いがしました。
必ずや旭寮をお使い頂く方、場を提供する僕たち、地域の方々すべてにとって優れた三方よしのプロジェクトにすると決意を新たにした瞬間となりました。
最後に、やはりジンとしてしまったエピソードをご紹介して一週間滞在の纏めとしたいと思います。
夜も更けて呑みに出掛けようと旭寮の階段を下りていると、一人の通行人がこちらに気づき、僕に声を掛けてきました。辺りは暗く、互いの顔は全く認識できません。
彼「ここを管理されている方ですか?」
僕「ええ、この度ご縁があって、こちらの旭寮を取得させて頂きました高梨と申します」
彼「ここを救ってくださって、ありがとうございます!」
そして、深々と最敬礼。
僕「ありがとうございます。地域の皆さんにお役に立てるように頑張ります!」
彼「バイソンに住んでいる桜井と申します。。。(会話がつづく)」
後日、桜井さんがどちらにお住まいか知りました。
ひょっとしてどこかですれ違ってもお互い分からないかもしれませんが、もう一度ご挨拶する時にお礼を言わせてください。
この日の酒は格別に旨かったです。
次は、ご一緒に。