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琵琶を聴くための基本知識 その1 〜琵琶(楽器)の主な種類5つを抑える〜

1・楽琵琶(がくびわ)

雅楽に用いられる琵琶で、和音を担当。
とにかくサイズがデカいです。
横に構えて弾きます。
バチは丸くて、しゃもじっぽいです。
 

2・平家琵琶(へいけびわ)

学琵琶から派生した琵琶。
『平家物語』を語る際に伴奏をします。
室町〜江戸時代には盲人組織の最高位である「検校(けんぎょう)」の人々が用いたそうです。

3・盲僧琵琶(もうそうびわ)

盲僧が用いた琵琶で、全体的に細身です。
バチも細め。
三味線音楽も弾けるように、柱と呼ばれる部分は高くなっています。
細身なので、持ち運びしやすそうです。
 

4・薩摩琵琶(さつまびわ)

表板は非常に堅い桑で作られていて、
大きなバチを強く叩きつけても耐えます。
江戸時代後期に鹿児島で、武士が盛んにたしなんだ楽器だそうです。
 
私のようなシロウトが大きなバチをバンバン叩きつけて弾くのを「カッコいい!」と思ったのは、薩摩琵琶だったんですね。
錦琵琶(にしきびわ)や鶴派琵琶(つるはびわ)は、この薩摩琵琶をベースにそれぞれの創意工夫が加えられたものです。
薩摩琵琶は四弦ですが、錦琵琶や鶴派琵琶は五弦です。

5・筑前琵琶(ちくぜんびわ)

表板は桐で作られていて、柔らかな音色です。
バチは薩摩琵琶に比べると小さめで
ツートンカラーであることが多いようです。

明治時代は北九州地方で盛んにたしなまれて
女性に好まれたことから「娘琵琶」の別名も。


まとめ

琵琶学演奏会で見かけるのは、4・薩摩琵琶とその仲間、5・筑前琵琶の2種類です。
それを知るだけでも、演奏会の楽しさが増します。
 
激しめの軍記物は、薩摩琵琶の方が迫力が出せて得意だと思いますし、人情物などの繊細な表現は筑前琵琶の方がより得意なのかなと思います。

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