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感じ取る歩行分析 ~臨床で役立つ評価テクニック~ 【For 理学療法士(1~3年目),学生】

割引あり

こんにちは。
理学療法士 兼 イラストレーターの〇っち~です。

理学療法士に必要とされる代表的な評価技術として『歩行分析』がありますが、みなさんはどのようにしていますか?

慣れないうちは、
「歩行に目が追い付かない」
「どこを見たらいいのかわからない」
といった『歩行観察』で難しさを体験される方が多くいると思います。

そして、『観察』はある程度できても、
「異常な部分はある程度分かるけど、なぜそうなっているのかわからない」
「痛みを訴えるけど、なぜその部分が痛むのか説明できない」
など『分析』していくときに各要素の繋がりを整理するのも難しいですよね。

そこで今回は1~3年目程度の理学療法士と学生さんを対象に、僕が普段臨床で使用している歩行分析の技術について共有していきたいと思います。
よろしくお願いします。

また、今後執筆予定の『歩行分析、現象から診るか?機能から診るか? 【For 理学療法士】』にて、順序立てた分析をするために歩行分析に関わる知識を更に深められる内容を紹介できたらと考えています。
よろしければそちらもチェックしてみて下さいね。


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①『歩行分析』をするのに必要なこと

まずは歩行分析をするにあたって、最低限必要とされる知識・技術について確認しておきましょう。

【歩行分析に必要な知識・技術】
▶ 正常歩行の知識
  ・歩行の相分け(ランチョ・ロス・アミーゴ方式)
  ・各相で必要とされる筋活動
  ・各相で必要とされる関節角度
  ・重心の軌道
  ・各相で果たすべき機能
▶ 歩行観察できる
▶ 解剖学の知識
  ・筋の起始・停止・走行の知識と触診技術
  ・骨の触診技術

改めて取り上げてみると、結構多くの知識や技術を利用しているのだなぁ…と再認識できますね。
自分でもちょっとビックリです。

『正常歩行の知識』は当然として、異常歩行や疼痛の原因を分析する際には筋肉がきちんと欲しいタイミングで収縮しているか触診で確認することは必須ですし、歩行という連続した比較的早い運動をしっかりと追えるよう眼を慣らしておく必要もあります。

観察眼については、日頃から意識して他人の歩く姿を深く観察するようにして、観察する機会を増やすことで身に付いてきます。
できるようになるまで頑張ってください!


②感じ取る歩行分析術

①で確認したように、歩行分析には『歩行観察』が必須となります。そして、十分に観察するにはその運動(歩行)に眼を慣らしておく必要があることも確認しましたね。

しかし、『観察できる=分析できる』とはなりません
分析とは何が原因で、どのような機序で歩容が破綻しているのか、さまざまな側面から情報を整理して問題点を抽出し、治療に活かせるようにすることです。( ↓ 下記参照)

1. 歩行分析とは患者の歩行を観察,測定した情報をもとに歩行の問題点を分析する手段である.

2. リハビリテーション治療における歩行分析の役割は,二足歩行の安定性や効率性を阻害する原因を同定し,その治療において重点化するべき事象や病態を明らかにすることにある.

1. 歩行をどう分析しどう臨床に生かすか,大畑 光司,Jpn J Rehabil Med 2016;53:47-53
2. 歩行分析の基本的な考え方と進め方,長谷 公隆,Jpn J Rehabil Med 2021;58:114-120 

そして、観察は必要不可欠だが、見る箇所が多いです。見る箇所が多いため、それぞれの事象(運動)の繋がりや相互作用を整理するのが大変です。
これらが難しいため、最も原因となる部分がどこなのか、痛み等が生じる原因がどこにあるのか等を観察のみで突き止めていくのは経験が少ないとすぐにはできないのです。


そこで、僕が紹介したいのが以下の方法です。
入職当初、バイザーの先生に教えてもらった方法で、とても使い勝手が良く、精度も高いので、特に臨床経験が少ない方や今まで担当したことがない症例に対して歩行分析をする場合にはおススメです。

すぐにできるようになるとは言いませんが、練習すれば他のPTがかなり時間をかけても修正できていない歩容が1回の代行の時間だけで修正できちゃうこともありますよ(*^^*)

~完コピ歩行分析~

方法は簡単に言うと患者さんの歩行をマネするだけです(笑)
ただし、『マネ』とは言いましたが、単なるマネではありません。これは歩行観察をしっかりした上で行うことに意味があります。
やるべきは『完全コピー(再現)』なのです。

この方法を行う目的やおススメする理由(理論的背景;バイオメカニクス的側面、脳科学的側面)、利点、注意点を以下に紹介します。

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