阪大ロー紹介(2024時点)


はじめに

こんにちは。阪大ロー既習1年目のもちつきといいます。
2024年11月28日、令和7年度阪大ロー一般選抜・特別選抜の合格発表があったとのことで、合格した皆様におかれましては、合格おめでとうございます。

さて、阪大ローに合格された方は、一般に、京大ロー、神大ローも受験している方が多いと思います。京大ローに合格した場合は迷わずそちらに進学されると思いますが、阪大と神大に両方合格した場合には、どちらに進学するか迷われる方も多いのではないかと思います。私もそうでした。

そこで、本記事では、勉強の息抜きついでに、私が神大ではなく阪大ロー進学を選択した理由とともに、実際の阪大ロー生活を少し紹介したいと思います。
私はXアカウント等記事を拡散できる媒体を有していないのでどれだけ人の目につくかはわかりませんが、少しでも判断資料の1つとして役に立てば幸いです。

もちろん阪大ロー入学を既に決めている人、神大ではなく他ローと迷っている人、来年度阪大ロー受験を考えている人などなど、色々な方に参考にしていただければと思います。

自己紹介

ロー入試戦績は、
阪大ロー 開放型 合格
神大ロー 既習一般 合格
     開放型 合格
立命ロー 既習一般 合格
です。
現在は在学中受験合格のため勉強に励んでいます。

阪大ローを選んだ理由

まずなんといっても立地という点は大きいです。
私は実家が大阪にあるということもあり、神大ローは通うには少し遠く、キャンパスまでの坂道も険しく長いため(バスもあるが学部神大に通っていた友人によると朝などは混んでいて辛いらしい)、自分の体力を考えると、神大ローでは十分な勉強時間を確保することが難しいと考えました。

阪大は阪急石橋阪大前駅で降りると通称「阪大坂」という坂道があるのですが、そこまで険しいわけではなく、時間で言うと徒歩10分ほどで登れるため、神大ローよりは通いやすいかなと個人的には思います(しんどいのはしんどいです)。
また、どうしても坂道を避けたければ、モノレール柴原阪大前駅を降りるルートから通学すればよいので抜け道もあります(モノレールだと阪急より定期代が高いし、ローの建物が阪大坂寄りにあることから、阪急ルートを使う方が多いようには思う)。

また、私が阪神どちらに進学するか悩んでいる時にネット検索で見つけた噂ですが、阪大は予習の負担が少なく、生徒の自主性に任せる部分が大きいらしいという情報があったので、自分の性分に合っていると思ったのも大きな理由の1つです。
他のローの実情を知らないので比較はできませんが、たしかにソクラテスが当たらない回はさらっと予習する・先輩ノートを活用するなどすれば相当負担は軽いです(毎回きっちりやろうとするとわりと大変だと思います)し、それで授業にもついていけます。

ただ、歴代の司法試験合格率や、任官・任検などの実績をみると、神大ローのほうが少し上回っているため、やはり神大ローも魅力的ですし、結局は好みの問題だなと思います。

実際の阪大ロー生活

2年生(既習1年目、未修2年目)のスケジュールについて

阪大ローの2年生では、1年間を通して上限36単位まで取得することができ、大体の人は上限まで授業を入れていると思います。
履修の形としては、必修科目が14コマ×2=28単位あり、これに各々司法試験選択科目を追加します(選択科目によるがこれが大体4単位から6単位ほどだと思います)。そして、残りの4単位ほどは、興味のある講義をとって補充するという形です。

2年生には80~90人程度在籍しているのですが、これを2クラスにわけて授業が行われます。クラスによって必修科目の時間割が異なってくるのですが、1日2コマ程授業が入り、1限(8時50分~)の授業は1年通して2から3コマ程あります。私は後期では全休が1日あるので、前期よりは楽に通うことができています。

朝から晩まで自習室に籠るような方でなければ、昼から学校に来たり、昼には学校から出れたりする日も多いので、中学高校時代よりは楽だなあと個人的には感じています。

授業について

正直ソクラテスであったり課題の量については、特に厳しいとは感じません(勿論、自分が当たる回なのに予習事項に全く答えられないレベルに何も見てきていない人は別だし、先生によって個人差はあります)。京大ローの話を聞くと相当ソクラテスが厳しいらしいので、その点は楽なのかな、と思います。個人的にはソクラテスが厳しすぎると、自分があたる回は緊張と恐怖で授業内容が頭に入らないと思うので、阪大ローのスタイルは自分には合っていると思います。

また、先生方は予備校を殊更に敵視していることもなく、予備校本をひろげながら授業を聞いている生徒も多いので、その点は安心してもいいと思います。
たしかに、予備校の論証の内容等について授業内で指摘があったりはしますが、納得した・使いやすい指摘は取り入れるなど、最大限活用すればいいのではないかと思います。

先生方は熱心で、何回でも答案を出して添削していただける科目も多く、質問にも丁寧に答えていただけます。阪大ローは上述のとおり予習復習などの負担が重くなく、生徒の自主性を重んじるところがあるのですが、基本自主的に勉強をしながらも、適宜授業や、学校が用意する制度等を利用して実力をつける、というのが理想的なのだろうと思います。

学習環境について

まず、自習室について。自習室は1人1席、指定席が割り当てられます。机の上にラックがついており、また、机の下にもデスクワゴンが付いているため、必要な本や備品を置くには困らない程度の収納はできます(さらに別途1人1個ロッカーが割り当てられる)。
さらに、家で勉強できない方にとっては、自習室が24時間利用可能であることも魅力的です。自習室のすぐそばに給湯室(冷蔵庫やレンジ、湯沸かしポットなどが自由に利用可能)や談話室(食事可能)があるので、食料や水を買い込んでおけば1日中籠れます。

また、大学院生は豊中キャンパス総合図書館の院生研究室(個室)を事前予約し利用することができるので、自習室ではなくこっちを活用する方も多いです。

さらに自習室と同じフロアにローライブラリーという法律関係の図書を3000冊所蔵する図書室もあり、これもすごく魅力的だと思います(当日返却)。

強いて不満をいうと、国立大学という事もあり、設備が古いし綺麗ではないです。しかし私立でない以上そこはある程度仕方ない部分があり、他の国立と比べればあまり変わらないのかな、と思います。

学習支援について

阪大ローには再チャレンジ制度というものがあります。これは、数人で学習グループを組み、学校に届け出れば、OBの弁護士の先生がアドバイザーとなる勉強会を開催することができる、というものです。私は利用していないのですが、いわゆる大阪四大などの大手の若手弁護士の方と交流することができる可能性があるため、興味がある方は利用してみたほうがよいです。
ただし、この制度の趣旨は社会人や他学部出身者と未修出身の人について学習支援をするという点にあるため、グループ内に何人か社会人・他学部出身者が入っていなければ要件を満たすことができません。よって、興味のある方は早めに未修の友人を作り、再チャレンジ制度の話をもちかけてみましょう。
なお、再チャレンジ制度を利用せずとも、自主ゼミを組んで司法試験過去問等を検討している人が多く、そういった仲間がいると励みにもなるので、なんらかのグループを作っておくとよいと思います。

また、夏季休暇中に、裁判所に訪問したりするプログラム(任意参加)が用意されており、これは本当に貴重な機会のため参加を強くおすすめします。

さらに、学生委員会という学生で構成される団体による学習支援やコミュニケーションの支援が例年なされているようで、
4月のうちに交流企画が開催されたり(多くの人はまずここで友人を作っている様子)、期末試験の前には期末対策会というものも用意され、前年期末試験における様々な評価の実際の答案を見たり、先輩からのアドバイスを聞くことができます。

進級難度について

一般にロースクールは留年率が高いと言われており、入学生としてこれは気になる点であると思います。
阪大ローは留年率があまり高くなく、歴代の数字を見ても、2年から3年への進級に関しては大体進級率が90%台で推移しているため、進級難度としては易しいほうでしょう(未修から既習と合流する1年から2年への進級率は60%の年から80%の年まであり振れ幅が大きい印象です)。
※詳しくは阪大ローHPにある「データで見る法科大学院」というページにあるPDFファイルをチェックしてみてください。

さらに、阪大ローの学生は歴代の期末試験問題およびこれに対する講評がいつでもWeb上で見ることができるようになっており、この過去問を解くことである程度対策になりますし、どのような難易度の問題が出るのか事前に予測できるのはとても良い点です。

このとおり、ある程度の成績でよければ進級することはさほど難しくないですが、成績順位と司法試験合格率は相関があるそうで、学年の上位20人ほどは例年ほとんど合格しているようです(下の順位になるほど合格率が下がる)から、授業対策のみに時間を費やす必要はありませんが、ある程度目を向けてみるのもよいと思います(私は2年前期で予想に反して順位が良くモチベが上がりました)。ちなみに例年オールB(成績評価はS、A、B、C、F(落単)の5段階)くらいがちょうど半分の順位くらいらしい(真偽不明)。

おわりに

大体書くべきことは書いたと思うので、これで記事は終わりとさせていただきます。
読んでいただき本当にありがとうございます。少しでも何か参考になることができていたら嬉しいです。



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