carp on the cutting board
俎上の鯉。
これを英語にしたところで、意味は通じないのだけれど。
carp on the cutting board
病院では、手術が決まった患者さんが、
「まな板の上の鯉です。先生が言う通りにするだけ」と
言うのを耳にすることがある。
勿論、個々の様々な経緯があって、上記のような発言を
するに至るのだけれど、
中には、自身の疾患の状況やこれから受ける治療について、
「なんかよう分からんけど、
先生が決めたようにやります」という人もいる。
「質問したいけど、お医者さんも看護師さんも
忙しそうだし」と済まなそうにしている人もいる。
今日の医療は、パターナリズムからインフォームドコンセントを原則とする。
医師が治療や療養を決定するのではなく、患者自身が自分の状態を知り、
治療や処置に関する情報の提供を受けて、自己で決定するものである。
情報を与えられて、同意したケアを受ける。
当たり前のようで、実際の現場では難しい問題。
「それはおかしいでしょ?」
「いやいや、そうなって当然でしょ」
というような議論を患者さんや医療者同士だけではなく、
一般の人としてみたいな、と思いつつ、
病気や怪我などに直面していない方々にとっては、
なかなか想像しにくい世界なのかもしれない。
個人的に、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)についても
深く考えたいと思っている。
けれど、まだまだ「死ぬ準備をするなんて、まだ早い」「縁起でもない」と
いったような反応が返ってきがちで。
「そういうことではないんですよ」と言いたいけれど、
それもなかなか・・・・・
自分のことを自分で決める。
当たり前のようで、とても難しい話。
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