【感想】BPL Season4 -IIDX- Semi-Final 振り返り
こんにちは、T2-Kです。品川の地で行われたセミファイナルは第20・21試合と全く同じ組み合わせでの対決となりました。レギュラーシーズン同様勝者が再び勝つのか、それとも華麗な逆転を見せるのか非常に注目でした。
BPLS4 公式サイト
BPLS4 Semi-Final 第1試合・第2試合
第1試合
レジャーランド vs TAITO STATION Tradz
今期レギュラーシーズン負けなしのレジャーランド、ついに2シーズンぶりのセミファイナル進出となりました。一方のTradzは辛くもレギュラーシーズン4位通過ながら、抜群の破壊力を見せています。レギュラーシーズン第21試合ではTradzがエースKKM*選手を温存して挑んだものの、レジャーランドの勝利。このままレジャランが負けなし記録を続けてしまうのか、それともTradzが得意のお礼参りを決めてしまうのでしょうか。
1st match -TREND-
NUCHIO VS KENTAN
NUCHIO
選曲 L’amour et la liberté
KENTAN
選曲 Tripping Jumping⇒ストラテジー⇒電子になりたい
試合結果
NUCHIO WIN!!
1st matchから早速第21試合の組み合わせの再現となりました。前回はストラテジーカードを駆使してNUCHIO選手の勝利となりましたが、KENTAN選手は総合力が求められるTRENDにおいてもかなりの強敵。NUCHIO選手は再び勝利を取れるでしょうか。
NUCHIO選手の選曲は微ソフラン、縦連に長いトリルと泣かせる要素が多いL’amour et la liberté。ガチ押し力に自信を持つNUCHIO選手はS-RANを選択してきましたが、縦連だらけの譜面ながら300ノーツ以上を理論値で繋ぐとんでもない精度を見せてしまい、その後もほとんど落とすことなくMAX-13を出して勝利となりました。KENTAN選手は配置に恵まれていないこともあり、自己ベストからかなり離れてしまいましたが、それを加味してもちょっと1曲目からNUCHIO選手が温まりすぎですね…
KENTAN選手は得意のスクラッチ譜面であるTripping Jumpingを選びましたが、レギュラーシーズンに続いてストラテジーカードの餌食となりました。代わりに選ばれたのは微妙にハネたリズムに連続BSSが厄介な電子になりたいになりました。NUCHIO選手はR-RAN、KENTAN選手はRANDOMと選択が分かれましたが、KENTAN選手はかなり偏った厳しい譜面を引いてしまう結果に。対するNUCHIO選手はズレもしっかりと光らせていき、MAX-15で堂々の連勝。ストラテジーカードを上手く決めて、幸先のいいスタートを切りました。
2nd match -CHARGE-
DINASO VS KUREI
DINASO
選曲 Golden Palms⇒ストラテジー⇒流桜ノ門
KUREI
選曲 The Best of Both Worlds
試合結果
DINASO WIN!!
すっかりおなじみのこの対戦カード、これまで引き分け続きの中再び激突となりました。レベルはこれまでと異なり10での対決となりましたが、決着をつけてチームに流れをもたらしたい気持ちは当然お互いにあるでしょう。
DINASO選手は終始跳ね続けているGolden Palmsを選びましたが、ここでTradzからストラテジーカードが炸裂。代わりに選ばれたのは大きく傾向が異なる綺麗な乱打に時折絡む24分混じりの配置が難しい流桜ノ門となりました。お互い正規で真っ向勝負、試合は微妙なずれをしっかりと光らせるDINASO選手が終始優位に立つ展開となり、心臓勝負となる後半でもKUREI選手の追い上げを許さなかったDINASO選手が自己ベストタイのMAX-6を叩き出して勝利となりました。両者あり得ないほど高い精度なのですが、もしかしてこの譜面にズレなんてなかったのか…?
KUREI選手はスクラッチ複合、トリルに短いCN交じりの同時押しラッシュがハマりやすいThe Best of Both Worldsを選択。DINASO選手がR-RANを選ぶ一方、KUREI選手は正規となりましたが、なんとDINASO選手が370ノーツ付近までPERFECTペースという驚異の精度で大幅リードを獲得。KUREI選手も厳しい配置を厭わない精度だったはずなのでしたが、結果は何故かDINASO選手がMAX-9でカウンター。自己ベスト+5点の仕上がりっぷりはKUREI選手も笑うしかなかったと思います。
3rd match -SCRATCH-
DON* VS 8$.
DON*
選曲 Overload Frontier
8$.
選曲 ラクエン
試合結果
DON* WIN!!
ここまで3連続で第21試合のリバイバルマッチとなりました。奇しくもジャンルはあの時と同じくSCRATCHと、DON*選手にとっては勝利を決定づける、そして8$.選手にとっては自身の不調を払拭する最高の場面。両チームの運命を背負った戦いが始まります。
DON*選手の選択は意外にも鍵盤に絡む裏拍スクラッチが難しいOverload Frontierとなりました。DON*選手はRANDOM、8$.選手はMIRRORとなりましたが、前半は鍵盤をしっかり光らせたDON*選手が15点ほどのリードになりました。しかしこの差は8$.選手がぴったりとつけてきたにもかかわらず、微縦連でDON*選手が突き放し、MAX-37で勝利。両者2600点を超えるハイレベルな戦いでしたが、DON*選手のプレーがあまりにも圧倒的でした。
8$.選手の切り札は最初と最後に降り注ぐスクラッチに中盤のソフランが非常に厄介なラクエンとなりました。DON*選手は正規、8$.はRANDOMとなりましたが、序盤はDON*選手が15点ほどリードしたものの、高速地帯で8$.がグッと差を詰めて1桁差に。それでもエースDON*選手がギリギリまで点差を守り切り、5点差を制して勝利となりました。最後の最後まで苦しい結果が続いてしまった8$.選手でしたが、エースDON*選手をギリギリまで追い詰めたことには意地を強く感じました。
Final match -CHORD-
G* VS KKM*
G*
選曲 華蝶風雪
KKM*
選曲 Secrets
試合結果
KKM* WIN!!
ファイナルを見据えるレジャーランド、ここは3巡指名ながらLv12を得意とするG*選手が登場となりました。対するTradzは大将KKM*選手が発進。Tradzにとってのラストダンス、THE BREAKERがG*選手を粉砕しにかかります。
G*選手は止めどなく降り注ぐ同時押しラッシュの精度を保つのが難しい華蝶風雪を選択。精度勝負に持ち込んだG*選手ですが、そんなことはお構いなしとKKM*選手が驚異的な精度で跳ね返し、同時押しはもちろん16分乱打も平然と光らせてMAX-12でカウンターとなりました。G*選手、終盤でグラフをチラ見したときにあまりの点差に笑っていましたね。
KKM*選手は高密度の中速乱打にひっきりなしにスクラッチが飛んでくるSecretsを選んできました。休憩の無い難しい譜面ながらKKM*選手は序盤からありえないペースで差を広げていき、まるでAnother譜面かのような精度でスコアを伸ばしていきます。ところどころGREATが出てしまう場面こそあったものの、結果はMAX-45。これで自己ベストから30点離れているのだから意味わからないです。
結果は24-12でレジャーランドがファイナル進出を決めました。TradzはKKM*選手が意地の2タテを飾ったものの、2年連続で無念のセミファイナル敗退と非常に悔しい結果となってしまいました。一方のレジャーランドは1st-3rdまで3連勝、ファイナルを前に最高の結果を飾れたと思います。
第2試合
APINA VRAMeS vs GAME PANIC
こちらも第1試合同様レギュラーシーズン第20試合と同じ組み合わせとなりました。前回はゲームパニックが勝利を収めていますが、4人勝負となるとどうなるかわかりません。アピナは連覇に向けて、ゲーパニは初のファイナル進出に向けて激しい戦いが始まります。
1st match -CHORD-
NAGACH VS FRIP
NAGACH
選曲 Mind Mapping
FRIP
選曲 MAX LOVE
試合結果
NAGACH WIN!!
やはり第20試合で戦った対戦カード再びとなりました。両チーム屈指の先鋒職人同士の対決、レギュラーシーズンはNAGACH選手の勝利でしたが、変幻自在のFRIP選手はここでリベンジを果たせるでしょうか。
NAGACH選手の選択はBPM128の同時押しラッシュに中盤のスクラッチ複合が取りづらいMind Mappingとなりました。お互い抜群の精度で進行し、スクラッチ複合でもNAGACH選手が6点ほどリードと接戦が続いていましたが、同時押しでNAGACH選手が少し点差をつけると最後までリードを守り切って勝利となりました。スコアもMAX-25でPERFECT、最高のスタートとなったように見えました。
FRIP選手の選曲は8分同時押し主体で時折来るスクラッチ複合や16分鍵盤が油断ならないMAX LOVEとなりました。序盤はFRIP選手がわずかにリードしながらも1桁差の戦いが続いていましたが、中盤でわずかにNAGACH選手が差をひっくり返すと、一時はスコアが並んだものの最後の最後で1点差をつけNAGACH選手が2タテを決めました。これが勝負師の強さ、職人対決はNAGACH選手の勝利でアピナに大きな流れを呼び込む結果となりました。
2nd match -TREND-
CHP*1E VS PEACE
CHP*1E
選曲 WaterCube Pf.(RX-Ver.S.P.L.)
PEACE
選曲 PARANOIA survivor MAX
試合結果
PEACE WIN!!
アピナの2タテで始まったセミファイナル第2試合ですが、職人CHP*1E選手の登板に対し、ゲーパニは前人未到37連勝中(!?)のPEACE選手をぶつけてきました。CHP*1E選手はこの余りにも強大な壁を乗り越えて伝説となるのか、それともPEACE選手がまだまだ無敗記録を伸ばしてしまうのでしょうか…
CHP*1E選手は激しいハネリズムに猛烈なズレが微塵も光らせるつもりを感じさせないWaterCube Pf.(RX-Ver.S.P.L.)を選択。CHP*1E選手は正規、PEACE選手はR-RANとオプションは分かれました。ズレ譜面を得意とするCHP*1E選手らしい選曲で、PEACE選手相手でもしっかりと接戦に持ち込む非常に熱い戦いとなりましたが、ズレの精度でわずかに上回ったPEACE選手が3点差の接戦を制しきってカウンターとなりました。過去ここまでPEACE選手を追い詰めた選手はなかなかいませんでしたが、それでも倒れないPEACE選手の強さは本当に底なしです。
そんなPEACE選手はここにきてトリルラッシュの鍵盤に暗記必須の何度も来る疑似停止が厄介なPARANOIA survivor MAXをぶん投げていきました。お互いMIRRORでの対決ですが、疑似停止でPEACE選手が差を突き放すものの、CHP*1E選手は10点差前後でしっかりついていきました。しかし終盤の停止でPEACE選手が20点ほど差をつけることに成功、PEACE選手の無敗記録は破られずとなってしまいました。CHP*1E選手は非常にいいパフォーマンスだったはずなのですが、それを以てしても倒せないPEACE選手は本当にどうすればいいのでしょうか…
3rd match -SOF-LAN-
WELLOW VS MIKAMO
WELLOW
選曲 FUTURE is Dead
MIKAMO
選曲 Onyx⇒ストラテジー⇒(This Is Not) The Angels
試合結果
DRAW
ここまで抜きつ抜かれつの展開が続く試合ですが、3rd matchはWELLOW選手にMIKAMO選手と過去様々な場面で何度も戦った対決となりました。ジャンルはLv11 SOF-LANとトリッキーの極み、両者本気の選曲で一歩でも優位を取りに行きます。
WELLOW選手の選択はハネリズムの譜面に加速→減速→加速→減速の対応が難しいFUTURE is Deadとなりました。RANDOMは白鍵盤が非スクラッチ側に寄るガチ割れ配置となりましたが、ソフランへの対応も含めてほとんど差がつかずとなりました。ただし2回目の減速の対応で少しだけMIKAMO選手が失点してしまった隙を突きWELLOW選手が8点差をつけて勝利。道中が完璧だったゆえに、MIKAMO選手の最後の失点は非常に悔やまれる結果だったと思います。
MIKAMO選手は何度も来る疑似停止への対応が必須のOnyxとなりましたが、ここにきてストラテジーカードが飛んできました。代わりに選ばれたのは同じく何度も来る疑似停止や減速への対応が必要な(This Is Not) The Angelsと似たような譜面に。フィジカルに自信のあるWELLOW選手はS-RANと強気の選択をしてきましたが、RANDOMを選んだMIKAMO選手は大きな失点をほとんど出さずMAX-10で勝利、見事にストラテジーを跳ね返しました…が自己ベスト-5点の安定感もさながらどうしてこんなスコアをしれっと出してしまえるのでしょう。
Final match -NOTES-
UCCHIE VS TAKA.S
UCCHIE
選曲 ハイテックトキオ⇒ストラテジー⇒Dr. Chemical & Killing Machine
TAKA.S
選曲 ぞうしょく!?マイデンティティ
試合結果
UCCHIE WIN!!
ここまでの結果により、Final matchの条件はアピナは2タテ必須、ゲーパニは1勝でも取れば良しとなりました。そしてチームの運命を背負ったのは、アピナのエースUCCHIE選手とゲーパニの高難易度専門家TAKA.S選手となりました。互いにファイナル進出を賭けた戦い、勝利の女神はどちらに微笑むのでしょうか。
UCCHIE選手はMSS複合の鍵盤が非常に難しいハイテックトキオを選ぼうとしましたがやはりストラテジーの餌食となりました。代わりに選ばれたのはBPM165の16分乱打をノンストップで叩き続けるDr. Chemical & Killing Machine。ここにきて精度勝負の極みと言わんばかりの選曲は非常に心臓が痛くなりそうですが、もちろんプロ2人は微塵も動じず。中盤の同時押し絡みでUCCHIE選手が15点近くのリードを奪ったものの、すぐに16分乱打でTAKA.S選手が取り返すデッドヒート。最後はコンボを切らずに精度を持ち直したUCCHIE選手が10点差で勝利となり、ファイナルへの希望を繋げる結果となりました。
TAKA.S選手は当然自身の切り札である繰り返し乱打に軸・スクラッチ絡みがしつこいぞうしょく!?マイデンティティを選んできました。UCCHIE選手はRANDOMとなる一方、TAKA.S選手は正規を選択。非常に忙しい譜面ながら1桁差が続く極限の戦いとなりましたが、厳しい配置であるはずのUCCHIE選手が何故か差をつけていき、カウンターに成功。TAKA.S選手必殺の一撃を振り切り、21点差で勝利を掴みとりました。
結果は23-13でアピナがファイナル進出となりました。最後の最後までどちらが勝つかわからなかった名勝負、アピナもゲーパニも全力を尽くしたからこその戦いだったと思います。そしてそんな最高の相手を倒し連覇に王手をかけたアピナ、最後の強敵レジャーランドを討ち取りに向かいます。
最高の戦いの中迎えたファイナル、BPL4代目王者はレジャーランドかアピナか。長きにわたる激戦は、一体どのような結末を迎えるのでしょうか。