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【感想】第7回 べあー杯 振り返り(チーム戦編)

 こんにちは、配信のメインカメラを担当していたT2-Kです。カメラアングルの設定や、選手のリアクションを追うのが難しい...図らずもプロのカメラマンの凄さを知りました。
 早速ですが関東におけるBPLの登竜門的大会としてすっかり定着した第7回 べあー杯の試合の感想について語っていきます。こちらの記事ではチーム戦の振り返りをしていきたいと思います。長文になってしまいますが、お付き合いいただければと思います。

第7回べあー杯 出場者紹介

第7回 べあー杯 について(べあーさんのnote)

こちらも併せて読んでいただけると嬉しいです。

【感想】第7回 べあー杯 振り返り(タッグバトル編)|T2-K (note.com)


Day1:チーム戦

beatmania IIDX 大会 第7回 べあー杯 チーム戦 in 神奈川レジャーランド厚木店

 今回も前回同様ドラフト制によるチーム戦となりました。チームメンバーは1チーム3人まで、ドラフト候補者に指名漏れなしという細かな変更点はありましたが、選ばれたメンバーはまさに各地域の代表選手と言わんばかりの強豪ぞろいでした。そして完成したチームは、見事に特徴がハッキリ出たチームとなりました。このドラフトというシステム、上手くできてるなぁ…

beatmania IIDX 大会 第7回 べあー杯 ドラフト会議・出場者発表・試合テーマ・組合せ抽選

Aブロック

第1試合
ちっちゃいものくらぶ vs 罪過の名匠

 初戦はHERMIT選手率いるちっちゃいものくらぶ vs KIDS K選手率いる罪過の名匠となりました。スタンダードな譜面に強いちっちゃいものくらぶに対し、キワモノを極めた選手が揃う罪過の名匠と、初戦から見ごたえ抜群の組み合わせとなりました。が、肝心のジャンルに少々問題が…べあー杯ではよくあること

先鋒 -CHARGE-
SHIKIP vs MORBOL

選曲
SHIKIP:Donkey Donk
MORBOL:ATOMIC AGE
試合結果:MORBOL WIN!!

 初戦は多種多様な武器曲を持つSHIKIP選手と、スクラッチを筆頭に癖の強い曲が得意なMORBOL選手の対決となりました。戦うフィールドはCHARGEと様々な方向から攻めることができるジャンルのため、早速それぞれの色が出る戦いとなるかと思いました。
 SHIKIP選手は時折絡むスクラッチと複雑なCNがハマりやすいDonkey Donkを選択。SHIKIP選手はRANDOM、MORBOL選手はMIRRORを選択しましたが、SHIKIP選手は左右に寄った配置を引いてしまいました。曲が進むごとに押しにくさが加速する中、固定オプションで最後まで崩れずに走り切ったMORBOL選手が勝利となりました。MORBOL選手、なんとFAILEDだったんですね…それでこの安定感を出せるのはスゴイです。
 MORBOL選手は「溶けている」と形容されるほど激しい局所的なズレが襲い掛かるATOMIC AGEを選んできました。朝なのでハイパー両者RANDOMで真っ向勝負、理解度が問われる譜面ながら細かいズレを綺麗に処理していったMORBOL選手が、自己ベスト-5点の安定スコアで2タテを決めていきました。全然属性の違う譜面なのにすぐに対応できるのは恐ろしいです。

中堅 -SOF-LAN-
HERMIT vs YULI

選曲
HERMIT:GRADIUS -FULL SPEED-
YULI:op.31 叙情
試合結果:DRAW

HERMIT選手は第6回でも経験しているジャンルではありますが、相手はまさかの職人YULI選手。すなわち「アレ」か「ソレ」が飛んでくることが約束されているわけで…
 HERMIT選手はパートごとにBPMが大きく変わるGRADIUS -FULL SPEED-を選んできました。SOF-LANのイメージがないHERMIT選手らしくない意外な選曲に驚かされましたが、自選にするほどの自信の通り、開幕から確実にリードを取ってきました。その後もすべてのギアチェンを確実にやり切ったHERMIT選手が余裕の勝利。SOF-LANを大の得意とするYULI選手に一矢報いることができました。
 とはいえこのジャンルはYULI選手の庭。繰り出した武器はおなじみの激しい速度変化への研究量が問われるop.31 叙情。HERMIT選手も丁寧にギアチェンをして必死に食らいつきましたが、職人YULI選手は一切揺るがず。途中GOODハマりがあったものの1560点で余裕の勝利となりました。このプレーはお見事都しか言いようがないですね。お互いの武器を刺しあった中堅戦は引き分けとなりました。

大将 -SOF-LAN-
JN.1CC vs KIDS K

選曲
JN.1CC:four pieces of heaven
KIDS K:FUTURE is Dead
試合結果:JN.1CC WIN!!

 大将戦に出てきたのは、べあー杯に帰ってきたオールラウンダーJN.1CC選手精度力と分析力がピカイチのKIDS K選手です。Lv11はKIDS K選手が得意寄りのフィールドではありますが、そこは何でもできる器用なJN.1CC選手。2タテでチームに勝利を持ち帰る気満々です。
 JN.1CC選手は高密度のスクラッチ複合ズレ鍵盤を捌くfour pieces of heavenを選択。鍵盤力と運指で差をつける選曲は見事にハマり、JN.1CC選手が序盤から大量リードを稼いでそのまま逃げ切りました。中盤の減速地帯さえも追いつかせない圧倒的なパワーと安定性をいきなり見せつける形になりました。
 KIDS K選手は高速階段にハネたリズムやいやらしい速度変化と色々な要素が詰まったFUTURE is Deadを出してきました。山賊KIDS K選手らしいテクニカルな選曲ですが、なんと序盤からJN.1CC選手が判定を掴んでバッチリリード。終わってみれば自己ベスト-5点の安定感を見せつけてカウンターとなりました。KIDS K選手も素晴らしいプレーでしたが、ここは持ち前の勝負強さを見せたJN.1CC選手の2タテとなりました。

 第1試合は8-4でちっちゃいものくらぶの勝利となりました。癖のあるジャンルが並び、罪過の名匠が有利に思えた盤面でしたが、ちっちゃいものくらぶが勝負強さで上回る結果となりました。

第2試合
罪過の名匠 vs SUM100

 第1試合でまさかの敗北となった罪過の名匠ですが、続いて当たるのは各選手のバランスの良さに長けたSUM100と強敵続き。とはいえどのチームと当たっても揺るがないスタイルでおのれの武器を貫ける強さを持つ職人そろいのチームは一体どんな戦略を取っていくのでしょうか。

先鋒 -CHORD-
YULI vs S.MOCK

選曲
YULI:The Sealer 〜ア・ミリアとミリアの民〜
S.MOCK:Luna Plena
試合結果:YULI WIN!!

 1試合目で圧巻の職人技を魅せたYULI選手、好調のまま2戦目に挑みます。相手は正規系の安定感に優れたS.MOCK選手。果たして職人YULI選手が強さを見せるのか、はたまたS.MOCK選手が安定感を出して勝利を掴むのか…
 YULI選手は序盤の低速や、BPM205の横に広い同時押しを処理する集中力が問われるThe Sealer 〜ア・ミリアとミリアの民〜を選んできました。トリッキーながら所謂心臓勝負に持ち込んだYULI選手。S.MOCK選手も正規譜面で対抗しますが、初めの速度変化でついた差を守り切り、GREAT23個に抑えたYULI選手が2点差で勝利となりました。S.MOCK選手の最後の追い上げで一瞬±0が見えただけに、悔しい結果となったのではないでしょうか。
 S.MOCK選手は整った配置に時折絡む微ズレが難しいLuna Plenaを選択。YULI選手はR-RAN、S.MOCK選手は正規を選択しましたが、前半は自選のS.MOCK選手が少しリードする展開となりました。しかし大会には魔物がつきもの、後半にかけてじわじわとYULI選手が迫り、最後の最後で3点捲り上げて勝利となりました。S.MOCK選手は安定感のあるプレーを見せましたが、自己ベスト+5点を出されては仕方ないと思います。

中堅 -CHORD-
KIDS K vs SEKI

選曲
KIDS K:Expanded !!
SEKI:do the thing feat. Kanae Asaba
試合結果:DRAW

 1戦目で思わぬ敗北となったKIDS K選手ですが、Lv10こそ強みを最大に活かせるフィールドとなっており、やる気は十二分に感じられます。しかし相手はSUM100のリーダーであり、低BPMのトリッキー曲を得意とするSEKI選手。リーダー対決とあり、お互いにこの試合は落としたくないという気合を感じました。
 KIDS K選手が選択したのはBPM200の横に広めの高速乱打が休みなく降るExpanded !!。プレーサイドが異なるもののお互い正規を選択となりましたが、とにかく序盤からKIDS K選手の精度が高い曲が進むにつれて点差をだんだんと広げていき、MAX-30で余裕のフィニッシュ。KIDS K選手の精度の高さがとにかく光った一戦でした。
 対するSEKI選手は低BPMのハネリズムが非常に光らせづらいdo the thing feat. Kanae Asabaを選択。KIDS K選手がセオリー通りのR-RANを選択する一方で、BPM130前後の譜面を得意とするSEKI選手はS-RANでガチ押しの選択を取りました。序盤はお互い拮抗勝負となりましたが、中盤のトリルでKIDS K選手が崩れた隙を狙ってSEKI選手が大幅リードし、見事なガチ押しスキルを見せて勝利となりました。中堅戦はお互いが強みを見せる形となり、引き分け。勝負の行方は大将戦に委ねられました。

大将 -SCRATCH-
MORBOL vs PICO

選曲
MORBOL:Wonder Bullfighter
PICO:とろぴかる倶楽部
試合結果:DRAW

 大将戦に出場するのは、両者ともトリッキーな武器を豊富に持つ選手です。SCRATCHはMORBOL選手のフィールドではあるものの、PICO選手も負けず劣らずの得意分野。ここは本番力の差で相手の武器を喰えるかが注目ポイントでした。
 MORBOL選手は変拍子に微ズレ譜面、そして12分スクラッチとスコア難要素が詰まったWonder Bullfighterを選びました。お互いRANDOMで正面からの対決、高い理解度が要求される譜面ゆえ、スクラッチが来るたびに点差が激しく変動する対決となり、MORBOL選手・PICO選手どちらも優位の場面が繰り返すデッドヒートとなりましたが、最後はMORBOL選手がスクラッチを綺麗に攻略して勝利となりました。試合後の点差グラフが非常に面白い形になりましたね。
 PICO選手はBPM120のスクラッチ絡み同時押しを叩き続けるとろぴかる倶楽部を出してきました。叩き皿を得意とするPICO選手は当然正規で仕上げてきており、ハネた鍵盤やスクラッチを悉く綺麗に取り切ってリードを完璧に守り切っての勝利となりました。MAX-22の好スコアに満足した表情を浮かべたPICO選手が本当に嬉しそうでした。

 結果は先鋒戦での2タテが決め手となり、7-5で罪過の名匠が勝利となりました。とはいえ各選手とも高いパフォーマンスを発揮できており、非常に観ごたえのある試合だったと思います。

第3試合
SUM100 vs ちっちゃいものくらぶ

 惜しくも敗北したものの安定感の高さを見せたSUM100が次に挑むのは、初戦の勝利で勢いに乗るちっちゃいものくらぶ。バランスに長けた両チームですが、果たしてちっちゃいものくらぶの勢いをSUM100が止めることができるのでしょうか。

先鋒 -PEAK-
PICO vs JN.1CC

選曲
PICO:sometime
JN.1CC:sync
試合結果:DRAW

 七色のテクニカルな武器を持つPICO選手と対決するのは、豊富な正統派の武器を持つJN.1CC選手。両者とも毛色は違うものの様々な方面から攻めることができるプレーヤーのため、面白い対決になりそうです。
 PICO選手は壮大なメロディに似合わない局所難譜面のsometimeを選択。PICO選手は正規、JN.1CC選手はS-RANと譜面が分かれましたが、JN.1CC選手が持ち前の鍵盤スキルを見せてきましたが、やはりPICO選手が正規でトリルをしっかり取って勝利となりました。大会において正規で安定させることの強さがわかる瞬間だったと思います。
 JN.1CC選手が選んだのは、BPM167の繰り返し気味乱打を叩かせるsync何故か5th対決。お互いR-RANを選択となりましたが、開幕はPICO選手が先行する形に。しかし二重トリルでJN.1CC選手が逆転すると、そこからドンドン突き放し、自己ベスト+50点(!?)で勝利となりました。結果は名刺交換での引き分けとなり、お互いがしっかりと戦略をはめてきたと感じる一戦でした。

中堅 -CHARGE-
S.MOCK vs SHIKIP

選曲
S.MOCK:soldier's waltz
SHIKIP:Light Shine
試合結果:S.MOCK WIN!!

 中堅戦は谷口杯対決となりました。小倉の地で争った二人が、今度は厚木にて再び戦うこととなります。
 S.MOCK選手はしつこく絡むスクラッチや中盤の繰り返し乱打が難しいsoldier's waltzを選択。お互い正規を選択していますが、序盤からS.MOCK選手の精度がトンデモナイこととなり、終始一切崩れず。自己ベスト-7点、驚異のMAX-31を叩き出しての勝利とあり、S.MOCK選手のエンジンが全開になったのを感じました。
 SHIKIP選手はスクラッチと中盤の折り返し二重階段がポイントになるLight Shineを選んできました。S.MOCK選手が正規、SHIKIP選手がS-RANとなりましたが、正規を選んだS.MOCK選手の安定感が凄まじく、自己ベスト-1点のMAX-23でカウンターに成功となりました。リザルトを見て崩れてしまったSHIKIP選手の悔しさが心から溢れ出ているのを感じました。

大将 -CHORD-
SEKI vs HERMIT

選曲
SEKI:Take It Easy
HERMIT:Cookie Bouquets
試合結果:DRAW

 大将戦は各チームのリーダー対決となりました。Lv11はどちらかと言えばHERMIT選手よりもSEKI選手のフィールドではありますが、持ち前のパワーでカバーしてしまうのでしょうか。
 SEKI選手は2回の変則高速トリルやラストの軸が怖いTake It Easyを出してきました。SEKI選手が正規、HERMIT選手がS-RANとなりましたが、序盤のトリルから当然点差はほとんどつかず2回目のトリルも点差がつかずの大接戦に。勝負の行方は最後の軸地帯で2点上回ったSEKI選手が勝利となりましたが、点差グラフが本当に横一線になっていることから如何にハイレベルな接戦だったかが伺えます。
 HERMIT選手はかわいい雰囲気に反してBPM205の同時押しラッシュを捌き続ける体力譜面のCookie Bouquetsを選んできました。SEKI選手はR-RAN、HERMIT選手は正規を選択しましたがこの手のパワー系譜面はHERMIT選手が超得意とするところ。圧倒的な鍵盤力で押し潰し、3401点で快勝を決めました。この結果大将戦は引き分けで終わることとなりました。

 第3試合は8-4でSUM100の勝利となり、なんとAブロックは各チームが1勝ずつとなりました。この結果獲得ポイントを比べて勝敗を決めることとなりましたが、なんと各チーム1点ずつしか差がない超接戦となりました。結果、SUM100とちっちゃいものくらぶが準決勝進出となりましたが、罪過の名匠も当然非常に良いプレーをしており、レベルの高い拮抗勝負の予選となりました。

Bブロック

第1試合
全日本焼肉俱楽部 vs べらんめえず

 Bブロックの初戦はバランスに優れた選手が揃う全日本焼肉倶楽部大会経験豊富で独自の武器を持った選手が揃うべらんめえずの対決となりました。実力・本番力ともに拮抗する両チームですが、より強さを見せるのはどちらでしょうか。

先鋒 -SCRATCH-
ATRIX vs SILVER

選曲
ATRIX:Catch Me
SILVER:SPEED DEMON
試合結果:SILVER WIN!!

 初戦はべあー杯初参加選手同士の対決となりました。単発譜面に強いATRIX選手が非常に有利に思えますが、大会経験のあるSILVER選手が本番力を見せて勝ちを取れるのでしょうか。
 ATRIX選手はハネたスクラッチに細かいトリルが絡むCatch Meを選択。ATRIX選手は正規、SILVER選手はR-RANとなりましたが、事故が起きやすい譜面ながら序盤から接戦となりました。最後までどちらが勝つかわからない展開が続きましたが、最後の最後でSILVER選手が5点差で勝利となりました。SILVER選手は自己ベスト+10点の好プレーで思わず雄叫びをあげるほどでした。
 SILVER選手は細かい24分同色階段と連続BSSが難しいSPEED DEMONを選んできました。ATRIX選手はMIRROR、SILVER選手はR-RANを選択したものの、序盤の同色階段とスクラッチはATRIX選手が少しリードしました。しかしBSS地帯でSILVER選手が一気に点数を稼ぎ、そのまま逃げ切りに成功。研究量が招いた勝利により、先鋒戦はSILVER選手が2タテとなりました。

中堅 -SCRATCH-
KEEL vs STRNGI

選曲
KEEL:花冠 feat.Aikapin
STRNGI:Halfway of promise
試合結果:STRNGI WIN!!

 おそらくBブロック最大の目玉となる対決でしょう。お互いBPLプロ候補者、そしてスクラッチを得意としているという共通点があり、かなり熱い戦いになることが予想されていました。
 KEEL選手は2回のBPM変化に容赦のないスクラッチ絡みが襲い掛かる花冠 feat.Aikapinを出してきました。お互い正規での対決、お互い流石の実力で接戦となりましたが、自己ベスト+17点と本番力を見せたSTRNGI選手が勝利となりました。得意フィールドでのカウンターに悔しがるKEEL選手と、チームメンバーと喜びを分かち合うSTRNGI選手の様子は非常に対照的でした。
 STRNGI選手が選んだのは均等でないスクラッチや鍵盤を光らせるのが困難なHalfway of promise。お互いS-RANでの対決となりましたが、自選の理解度を見せたSTRNGI選手がスクラッチでリードを稼ぎ、自己ベスト+2点で勝利となりました。2曲連続自己ベストという反則技をやってのけたSTRNGI選手の2タテで中堅戦は終わりましたが、KEEL選手のスコアも本来はありえないほど高いはずなんですよね…

大将 -NOTES-
DIV. vs ENMT!!

選曲
DIV.:Drastic Dramatic
ENMT!!:リリーゼと炎龍レーヴァテイン
試合結果:ENMT!! WIN!!

 べあー杯常連選手同士の対決となりました。ある意味お互いの得意・苦手は知っているゆえ、本番力で差をつける展開になると思いました。
 DIV.選手は得意の休憩の無い中速乱打を捌き続けるDrastic Dramaticを選んできました。序盤は自選のDIV.選手が先行する展開となりましたが、終盤でジワジワとENMT!!選手が追い上げを見せ、3400overで勝利となりました。この逆転劇は大会における中速乱打譜面の怖さが見えた瞬間だったと思います。
 ENMT!!選手はBPM200の乱打にサビのチャージ絡み・同時押しと気が抜けないリリーゼと炎龍レーヴァテインを選択。高速鍵盤を得意とするENMT!!選手はMIRRORで序盤から安定感を見せつけ、3432点の好スコアで勝利となり、べあー杯常連対決はENMT!!選手に軍配が上がる形となりました。

 結果はなんとべらんめえずが全タテというとんでもない展開となりました。全日本焼肉俱楽部も非常に良いパフォーマンスでしたが、チーム全員が勢いに乗ったべらんめえずが上回る結果となりました。

第2試合
べらんめえず vs 鍵盤系下町闘争青年

 初戦を全タテで飾ったべらんめえずですが、続いての相手は鍵盤譜面を中心に総合力に優れた鍵盤系下町闘争青年です。ガチンコ勝負なジャンルが並ぶことも相まって、実力を如何に発揮できるかが勝負の分かれ目になりそうです。

先鋒 -NOTES-
SILVER vs INARI

選曲
SILVER:BEAUTIFUL ANGEL
INARI:BLACK JACKAL
試合結果:INARI WIN!!

 初戦の勝利で勢いに乗るSILVER選手を迎え撃つのは、参加選手屈指の単発力を持つINARI選手。ジャンルはNOTESとSILVER選手の強みが出しやすいフィールドですが、器用なINARI選手がどういう攻め方をしてくるのでしょうか。
 SILVER選手は整ったフレーズに細かいズレや軸が混じるBEAUTIFUL ANGELを選びました。INARI選手がRANDOMを選ぶ一方、SILVER選手はR-RANを選択。前半はオプション差もあってかSILVER選手が先行しましたが、スクラッチや微ズレで徐々にINARI選手が押し返し、自己ベスト+13点でフルコンボを叩き出してカウンターとなりました。SILVER選手も自己ベスト-12点といい結果だったはずなのですが…ここはINARI選手の精度が光る結果となりました。
 続いてINARI選手が選んだのはトリル主体の乱打にスクラッチと尖った要素を持つBLACK JACKAL。両者正規系での対決となりましたが、難所のスクラッチ地帯は大きく差がつかず。しかしこのBPM帯を得意とするINARI選手がジワジワと差をつけていって勝利となりました。SILVER選手は自己ベスト+19点とかなり良いスコアが出せたはずでしたが…。第1試合で勢いに乗ったSILVER選手を止め、INARI選手が2タテを決めたことにより、鍵盤系下町闘争青年に追い風が吹く展開となりました。

中堅 -PEAK-
ENMT!! vs LICIA.

選曲
ENMT!!:オールトの雲
LICIA.:ZED
試合結果:ENMT!! WIN!!

 ENMT!!選手は得意の高密度鍵盤譜面が大量に並ぶジャンルに出場とあって、なんとしてもチームの勢いを取り戻したいと思っているでしょう。対するLICIA.選手もまた高速高密度譜面を得意としています。果たしてどんな戦いになるのでしょうか。
 ENMT!!選手はBPM215の乱打と後半のズレCNが目を惹くオールトの雲を選択。両者正規系での対決となりましたが、高速鍵盤を得意とするENMT!!選手がどんどん光らせて勝利となりました。1試合先にやっているアドバンテージを加味しても、ENMT!!選手の火力が炸裂した形となりました。
 LICIA.選手はBPM190で曲特有のリズムに乗った乱打を捌くZEDを選んできました。とにかく序盤からENMT!!選手が光りすぎでした。LICIA.選手はしっかりフルコンボを決めてきたものの、ENMT!!選手が自己ベスト+37点というムチャクチャなことをして勝利となりました。自己ベスト伸びすぎとかそういうレベルではない…
 中堅戦はENMT!!選手が2タテとなり、べらんめえずに再び流れが来たように感じられましたが…

大将 -PEAK-
STRNGI vs HINO38

選曲
STRNGI:Dances with Snow Fairies
HINO38:煉獄のエルフェリア
試合結果:HINO38 WIN!!

 勝利への希望を繋いだべらんめえずですが、Lv12 PEAKはHINO38選手の絶対的なフィールドです。この絶望的ともいえる状況でSTRNGI選手が出した必殺の武器は…
 STRNGI選手は32分乱打に微縦連・スクラッチ絡みと色々な要素が詰まったDances with Snow Fairiesを切ってきました。STRNGI選手らしい「イケてる」選曲ではあるものの、細かい乱打はHINO38選手も得意としています。開幕の32分はSTRNGI選手がほぼ完璧…だったものの縦連ですぐにHINO38選手が捲り上げてそのまま逃げ切りに成功となりました。HINO38選手の喜び方と、STRNGI選手の悔しそうな表情がまた凄く対照的です…
 HINO38選手は得意の12分ガチ押し譜面+高密度二重階段の超ヘビー譜面である煉獄のエルフェリアを選択。HINO38選手らしい超物量譜面ですが、前半のガチ押しパートは差がつかず。しかし中盤の高密度乱打でHINO38選手が一気に差をつけ、3800overで勝利となりました。決して楽な配置でないにもかかわらず、当然の如く3800を超えてくる結果には、STRNGI選手も負けて悔いなしといったように見えました。

 第2試合は8-4で鍵盤系下町闘争青年の勝利となりました。大会常連であるINARI選手、ENMT!!選手の安定感が光った試合ですが、やはりHINO38選手の火力には度肝を抜かれるものがありました。

第3試合
鍵盤系下町闘争青年 vs 全日本焼肉俱楽部

 第3試合はどちらも器用さピカイチのチームの対決です。先に1勝を取っている鍵盤系下町闘争青年は気持ちが楽かもしれませんが、全日本焼肉俱楽部のメンバーは当然精鋭ぞろい。どちらのチームがよりパワーを発揮できるでしょうか。

先鋒 -SOF-LAN-
LICIA. vs ATRIX

選曲
LICIA.:Agnus Dei
ATRIX:fun
試合結果:ATRIX WIN!!

 Bブロック第2試合の先鋒戦はSOF-LANとなりました。ATRIX選手は単発譜面に加えてソフラン曲も得意としているため、LICIA.選手にとってはかなり厳しい戦いに思われました。初戦は悔しい思いをした両者ですが、癖のあるジャンルで一体どんな戦いを繰り広げるのでしょうか。
 LICIA.選手は細かく揺れるBPMに微妙にズレた鍵盤が難しいAgnus Deiを選んできました。LICIA.選手は正規、ATRIX選手はRANDOMを選択しましたが、序盤からATRIX選手がほぼ完璧に光らせてそのまま勝利となりました。確実に光らせるのが難しいズレ譜面ながら、見事なプレーでした。
 ATRIX選手が選んだのはハネリズムにトリルとスクラッチ絡み・BPM変化と対策することが多いfun。練習量はもちろん、本番で大事故が起こりやすい譜面を堂々と投げてくるATRIX選手の心臓の強さにびっくりです。両者とも序盤はしっかり対応したものの、やはりトリルと速度変化でATRIX選手が大きくリードして勝利となりました。本番の魔物、恐ろしや…

中堅 -NOTES-
HINO38 vs DIV.

選曲
HINO38:HYPE THE CORE
DIV.:Danza Aestas
試合結果:HINO38 WIN!!

Lv11 NOTESはDIV.選手のメインフィールドですが、相手は初戦を2タテで勢いに乗るHINO38選手。課題曲には重い譜面からテクニカルなものまで並んでおり、どこから攻めていくのか悩ましいところだと思いました。
 HINO38選手は微縦連交じりの高密度繰り返し乱打譜面であるHYPE THE COREを選択。DIV.選手を上から叩き潰す情け容赦ない選択に震えましたが、やはり密度が高くなるところでHINO38選手が突き放して勝利となりました。それにしても改めてみてもこの譜面本当にドギツイ配置ばっかりだな…
 DIV.選手は独特のリズムに細かいズレが終始続くDanza Aestasを選びました。DIV.選手の得意とするズレハネでの勝負となりましたが、HINO38選手は持ち前の高い地力でしっかりとズレを取り切ってカウンターとなりました。ここはチームリーダーのHINO38選手が意地を見せる展開となり、鍵盤系下町闘争青年が優位の中大将戦を迎えることとなりました。

大将 -CHARGE-
INARI vs KEEL

選曲
INARI:Adularia
KEEL:TRIUMPH
試合結果:DRAW

 INARI選手は単発譜面だけでなくCHARGE譜面も得意としている選手ですが、ここにきて強敵KEEL選手が相手となってしまいました。どこからどう攻めても難しいこの状況で、INARI選手はどのような戦略を取るのでしょうか。
 INARI選手はBPM180でチャージ絡みの乱打を捌き続けるAdulariaを選んできました。両者ともRANDOMで少々厳しい配置になりましたが、序盤はKEEL選手が先行してきました。しかし中盤から徐々に点差が詰まり、サビの終わりでなんとINARI選手が逆転。最後は1点差でINARI選手が逃げ切りに成功し、大きなジャイアントキリングとなりました。点差グラフがこの試合の激しさをよく表していますね。
 KEEL選手が選択したのは延々としつこく絡むスクラッチと密度の高い乱打が特徴のTRIUMPH。KEEL選手の得意とするSCRATCHの要素が強い譜面、INARI選手はRANDOMの一方KEEL選手はMIRRORと譲る気一ミリもなしの選択。しかし同期ズレの影響でわかりにくいもののかなり横並びの接戦に。ただ最後はMIRRORで安定感を見せきったKEEL選手の勝利となりました(INARI選手がさらっと自己ベストを51点伸ばしているのがすごい…)。

 結果は7-5で鍵盤系下町闘争青年の勝利となり、準決勝を1位通過となりました。そして2位はべらんめえずが入ることとなり、全日本焼肉俱楽部は悔しい敗退となりました。しかしどのチームもそれぞれ強さを見せる場面があり、Aブロックに続きべあー杯のレベルの高さを改めて実感することとなりました。

準決勝

第1試合
SUM100 vs べらんめえず

 第1試合は安定感が光るSUM100流れに乗ると大爆発を起こすべらんめえずの対決となりました。各チームともパワー・テクニカル双方に強みを持っているため、どういった戦いが繰り広げられるのか非常に楽しみでした。

先鋒
PICO vs SILVER

選曲
PICO:Cheer Train
SILVER:M.D.Injection
試合結果:PICO WIN!!

 Lv8-10でジャンルフリーとなると、いよいよPICO選手の真骨頂が見られます。とはいえ決して得意ではないフィールドで確実に爪痕を残したSILVER選手は少しも譲る気はないでしょう。
 そんなPICO選手が選択したのはしつこいスクラッチ絡みに繰り返し・軸と癖のあるCheer Train。なんとPICO選手はMIRRORで歴代スコアを保持しており、異常な安定感でSILVER選手を全く寄せず、MAX-16で勝利となりました。SILVER選手は自己ベスト-1点とすごく好調でしたが、いくらなんでもこれは聞いてないと言わんばかりでしたね…
 SILVER選手は不気味な雰囲気に違わぬ局所乱打が降ってくるM.D.Injectionを選びました。PICO選手はRANDOM、SILVER選手はR-RANを選択。物量系の譜面とあり、SILVER選手が優位に思えたもののPICO選手の精度がここでも大爆発。最後の乱打でSILVER選手とほぼ横並びになったものの、2点差で逃げ切りに成功する形となりました。最後の最後まで逆転の可能性をみせたSILVER選手は強かったですが、ここはPICO選手の圧倒的な強さが光りました。

中堅
S.MOCK vs ENMT!!

選曲
S.MOCK:tripping contact(teranoid&MC Natsack Remix)
ENMT!!:Discloze
試合結果:DRAW

 ここまで正規系を選び安定感のあるプレーを披露してきたS.MOCK選手ですが、相手は全戦全勝のENMT!!選手。どちらも本番強さはありますが、果たしてどちらが強さを見せきれるでしょうか。
 S.MOCK選手は後半のド派手な軸乱打が難しいtripping contact(teranoid&MC Natsack Remix)を選択。S.MOCK選手は当然正規を選択してきましたが、前半はENMT!!選手が上回ることに。しかし徐々にS.MOCK選手が点差をつけていくと、後半の難所で一気に差をつけて勝利となりました。大会における固定オプションの強さが改めて実感できる一戦でしたね。
 ENMT!!選手が選択したのは細かい24分混じりの乱打と中盤の減速地帯への対応力が問われるDiscloze。オプションは両者RANDOM、理解度が試される譜面ですがとにかくENMT!!選手が強かった。両者とも自己ベストからの乖離は少ないながら、ENMT!!選手が高い火力を見せて勝利となり、中堅戦は引き分けとなりました。

大将
SEKI vs STRNGI

選曲
SEKI:冥
STRNGI:Purple Perplex
試合結果:STRNGI WIN!!

 大将戦はお互いのチームのエースが登場。鍵盤系からキワモノ譜面まで広くこなせるSEKI選手と、スクラッチを筆頭に多種多様な尖った武器を持つSTRNGI選手の対決となりました。STRNGI選手は強敵SEKI選手相手に2タテ必須の状況、どうやって戦えばいいか悩みどころだったと思います。
 SEKI選手はIIDXお馴染みのボス曲である冥を選択。大会における冥はハズれるのがお馴染みですが、今回は当たり譜面になったようです。するとなんと序盤からSTRNGI選手が大幅にリードを保ち、中盤の減速→加速地帯でも差が縮まらず。なんと自己ベスト-1点を叩き出してそのまま勝利となってしまいました。大会では本番の魔物に呑まれる選手が多いですが、本番でこそ実力を発揮してしまうSTRNGI選手が恐ろしいです。
 そんな勢いに乗るSTRNGI選手はリズム難の鍵盤にスクラッチ・BSS・MSSが複雑に絡むPurple Perplexを選んできました。得意なトリッキーなスクラッチ譜面とあり、序盤から大幅リード。なんとこちらも自己ベスト-9点の安定スコアで2タテを達成してしまいました。

 大将戦でのドラマチックな2タテにより、5-7でべらんめえずが決勝進出を決めてきました。先鋒戦こそPICO選手が2タテでSUM100に流れを持ってきたものの、べらんめえずのエースSTRNGI選手が完全にひっくり返す展開となりました。この勢いはどこまで続いてしまうのでしょうか…

第2試合
ちっちゃいものくらぶ vs 鍵盤系下町闘争青年

 チーム名に似合わない猛烈な破壊力で予選を勝ち上がったちっちゃいものくらぶの相手は、安定感抜群で予選連勝を決めた鍵盤系下町闘争青年。爆発力が上回るか、安定性が勝つかといった対決となりました。

先鋒
SHIKIP vs INARI

選曲
SHIKIP:RIZING YOU UP
INARI:ナイトフィクション
試合結果:DRAW

 先鋒戦はここまで苦しい戦いが続くSHIKIP選手と、凄まじい本番力で勢いに乗るINARI選手の対決となりました。お互い数多くの武器曲を持つ選手ゆえに、本番力の勝負となりそうです。
 SHIKIP選手は必殺の武器である長いトリル捌きを要求されるRIZING YOU UPを選択。SHIKIP選手は正規、INARI選手はRANDOMを選択しましたが、開幕のトリルを正規で取り切ったSHIKIP選手に対して、不運にも右側にトリルが寄ってしまったINARI選手が非常に苦しく大幅リードを許してしまいました。この貯金を最後まで守り切ったSHIKIP選手が勝利となり、嬉しい初ポイントを取ることに成功しました。
 INARI選手は得意のズレまみれ・つかみにくいリズム主体のナイトフィクションを選んできました。先ほどと同様SHIKIP選手は正規、INARI選手はRANDOMとなりましたが、譜面への高い理解度が要求される精度難譜面ゆえに自選のINARI選手がどんどん点差を伸ばして勝利となりました。スコアも自己ベスト-8点と非常に安定しており、勝負強さを見せて先鋒戦を引き分けに持ち込みました。

中堅
JN.1CC vs LICIA.

選曲
JN.1CC:apo:llioth
LICIA.:DIAMOND JACKAL
試合結果:JN.1CC WIN!!

 中堅戦はここまで好調のJN.1CC選手辛い戦いの連続となったLICIA.選手の対決です。鍵盤力に自信を持つLICIA.選手に対し、スクラッチも得意としているJN.1CC選手がどうやって攻めるかと言えば…
 JN.1CC選手はBPM200で降ってくる高速スクラッチへの対応力が問われるapo:lliothを選択。譜面はお互いRANDOMですが、スクラッチは両者ほぼ完璧。しかし自選のJN.1CC選手の鍵盤力が凄まじく、GREAT42個でパーフェクトを叩き出して勝利となりました。JN.1CC選手、ノリにノリすぎています。
 LICIA.選手は超高速の軸混じりの同時押しラッシュが飛んでくるDIAMOND JACKALを選んできました。高速鍵盤を得意とするLICIA.選手らしい選曲ですが、勢いに乗ったJN.1CC選手は止まるところを知らず中盤のスクラッチで差が一気に縮まりLICIA.選手が先行したにもかかわらず、終盤の鍵盤ラッシュで再び逆転に成功してカウンターを決めてきました。LICIA.の魂のプレーが光っていたのですが、NO PLAYでこのパフォーマンスを見せられてはどうしようもないというか…

大将
HERMIT vs HINO38

選曲
HERMIT:Confiserie
HINO38:Snake Stick
試合結果:DRAW

 大将戦はお互い高密度の鍵盤譜面を得意とするエースの対決となりました。そのため高難易度譜面が飛び交う非常に激しい戦いになると思われていました。
 HERMIT選手は全くかわいげのない超高密度の二重階段が絶え間なく降り注ぐConfidenceConfiserieをぶん投げてきました。RANDOMの配置はかわいくない随分乱暴でしたが、この配置でもHERMIT選手は3559点で余裕の勝利となりました。HINO38選手も自己ベスト-13点とかなり良いスコアのはずなのですが…ナニコレ。
 HINO38選手は意外にも24分の不規則な鍵盤やスクラッチが難しいSnake Stickを選択。全ジャンルに隙無く強いHINO38選手らしい選曲で、スクラッチを苦手とするHERMIT選手は非常に苦しい戦いを強いられることになりました。結果は終始安定してスクラッチを取り切ったHINO38選手の勝利となり、大将戦は引き分けになりました。

 この結果により8-4でちっちゃいものくらぶが決勝進出となりました。鍵盤系下町闘争青年もかなり健闘したのですが、やはり大きかったのはJN.1CC選手の本番力だったと思います。本番であそこまでやられてしまうと、悔しくても納得してしまうかもしれません。

決勝
べらんめえず vs ちっちゃいものくらぶ

 決勝に勝ち上がったのは、一度勢いに乗るとどこまでも止まらないべらんめえずと、圧倒的な爆発力で他チームを驚かせたちっちゃいものくらぶとなりました。両チームとも火力・本番力ともに十二分。第7回べあー杯の頂点が決まります。

先鋒
STRNGI vs SHIKIP

選曲
STRNGI:Somebody Like You
SHIKIP:era (nostalmix)
試合結果:DRAW

 べらんめえずからはいきなりエースのSTRNGI選手が出場となり、チームを勢いづけたい意志を感じさせました。しかし相手は変幻自在のSHIKIP選手、思いもよらぬ武器を投げてくるでしょう。
 STRNGI選手は微縦連に爆速スクラッチとビックリ要素満載のSomebody Like Youを選択。STRNGI選手の得意とするSCRATCHからの選曲となりましたが、ハネた鍵盤・スクラッチともに綺麗に処理し、SHIKIP選手に全く詰めさせることなくMAX-52のパーフェクトを叩き出して勝利となりました。SHIKIP選手は自己ベスト-3点ではありますが、これは流石に強すぎる…
 SHIKIP選手は低速地帯の繰り返し乱打の攻略が問われるera (nostalmix)を選んできました。低速地帯はSTRNGI選手がそのまま攻略する一方、SHIKIP選手は直前で鍵盤で速度調整。そして低速地帯の終盤で目にもとまらぬ速さで皿チョンを決め、失点することなく走り切り勝利となりました。STRNGI選手の低速処理は非常に上手かったですが、ここはSHIKIP選手の技が大きく光り引き分けとなりました。

次鋒
ENMT!! vs HERMIT

選曲
ENMT!!:HEARTACHE
HERMIT:Peng-Ging Sky High!!
試合結果:DRAW

 次鋒戦ですがちっちゃいものくらぶからはリーダーのHERMIT選手が出場となりました。べらんめえずからはENMT!!選手が登板となりましたが、2人ともメインフィールドは高難易度帯のプレーヤーです。このレベル帯ではどういった戦い方をするのでしょうか。
 ENMT!!選手はハネリズムの鍵盤と等間隔スクラッチへの理解度が問われるHEARTACHEを選択。HERMIT選手にとってかなり痛い選曲ですが、前半の鍵盤地帯はわずかにリードすることに。そしてスクラッチ地帯もリードを保っていたものの、連続スクラッチの終わり際でENMT!!選手が逆転。一気に横並びになった勝負の結末はなんと1点差でENMT!!選手が勝利となりました。結果を見て全力で喜び駆け回るENMT!!選手と、チームメンバーがHERMIT選手に駆け寄って優しい言葉をかけるこの姿の対照性がかなり印象に残りました。
 HERMIT選手はBPM194の高速乱打が続くPeng-Ging Sky High!!を選んできました。ENMT!!選手はMIRROR、HERMIT選手はRANDOMを選択しましたが、HERMIT選手は530ノーツ付近まで失点無しという異常な精度を発揮してきました。その後もほとんど失点せずにと押し切り、自己ベストを2点伸ばしてMAX-10を叩き出して勝利となりました。ENMT!!選手も自己ベストが18点伸びているはずなのですが…なんでこんなことになったのでしょうか。

中堅
SILVER vs JN.1CC

選曲
SILVER:Farewell to Marrakech
JN.1CC:UNDERWORLD HOLOGRAPHY
試合結果:DRAW

 中堅戦は課題曲がLv11になるため、SILVER選手の強みを発揮しやすくなったのかもしれません。しかし相手は器用さ抜群のJN.1CC選手、そうやすやすと勝ちは渡してくれません。
 SILVER選手は独特のリズムにズレ鍵盤・高速トリルがハマりやすいFarewell to Marrakechを選んできました。SILVER選手はR-RAN、JN.1CC選手は正規を選択しましたが、序盤のトリルでSILVER選手がリードをとりました。しかしこの曲は事故が起きやすい危険譜面、中盤の高速トリルで差が一気に縮まったものの、すぐにSILVER選手が前に出て自選を守り切りました。勝負強さに定評のあるJN.1CC選手から一本取ったSILVER選手、本当に凄かったです。
 JN.1CC選手はBPM187の高速乱打が休みなく続くUNDERWORLD HOLOGRAPHYを選択。ここにきて心臓勝負となった選曲ですが、とにかくJN.1CC選手の安定感が凄まじく、3250点を叩き出して快勝を決めてきました。そしてこの結果によりここまで3戦すべて引き分けとなり、どちらが優勝するのか本当にわからなくなってきました。

副将
ENMT!! vs HERMIT

選曲
ENMT!!:BLACK.by X-Cross Fade
HERMIT:TOXIC VIBRATION
試合結果:DRAW

 副将戦ですがここでちっちゃいものくらぶからはリーダーHERMIT選手が登板してきました。大胆なオーダーですが、相手は次鋒戦と同様ENMT!!選手。ということは選曲はやはり…
 ENMT!!選手は規則スクラッチにたっぷりついてくる鍵盤が難しいBLACK.by X-Cross Fadeを選んできました。ENMT!!選手に寄る情け容赦が一切ない選曲、HERMIT選手は必死に食らいつきましたが、曲が進むにつれてどんどんENMT!!選手が点差を離していき、途中崩れたところがあったもののしっかりと自選を決めて勝利となりました。HERMIT選手の譜面は一瞬当たっているように見えたのですが、ここはENMT!!選手のスクラッチスキルを魅せる結果となりました。
 HERMIT選手は24分混じりの高密度鍵盤がガッツリ飛んでくるTOXIC VIBRATIONを選択。この手の譜面はENMT!!選手も得意としていますが、HERMIT選手の譜面は全く当たっていないはずなのに全然崩れず。ENMT!!選手もR-RANでしっかり食らいつきましたが、結果はHERMIT選手が最後まで抜かれることなく勝利となりました。なんであの譜面で押し切れるのでしょうか…?そして副将戦も結局引き分けとなったことにより、勝負の行方は大将戦に委ねられました。

大将
STRNGI vs JN.1CC

選曲
STRNGI:真 地獄超特急 -HELL or HELL-
JN.1CC:Valanga
試合結果:DRAW

 いよいよ大将戦ですが、なんとここまで全戦引き分けとなっています。そして登場するのはべあー杯 Day2でタッグを組む#ろんこる牧場の2人となりました。Day1だからこそ実現するドリームマッチで、決勝戦の締めくくりとなります。
 STRNGI選手は脱法チャージでお馴染みの高密度スクラッチ譜面である真 地獄超特急 -HELL or HELL-を選択。戦友KEEL選手に捧げる必殺の武器ですが、お互いこの譜面は得意としています。STRNGI選手はMIRROR、JN.1CC選手はR-RANとオプションが分かれましたが、序盤からお互い流石すぎるスクラッチスキルを発揮しほぼ横一線に。お互い3200を超える名勝負でしたが、結果は中盤から徐々に前に出たSTRNGI選手が、最後のラッシュで一気に突き放して3270点で勝利となりました。平然と高水準のスコアを出してくるこの大会、本当にレベルおかしいです…
 JN.1CC選手はBPM180の乱打の中にスクラッチや縦連が混じるValangaを選択。ここでも精度勝負を仕掛けたJN.1CC選手ですが、序盤はSTRNGI選手にリードを許すことに。しかし中盤のCN絡みから徐々にJN.1CC選手が追い上げを見せ、ここで作ったリードをしっかり守り切り10点差で逃げ切りに成功しました。STRNGI選手は自己ベスト+3点なのですが…それでもJN.1CC選手が勝負強さを見せる形となりました。
 そして大将戦も引き分けたことにより、なんと決勝は全試合引き分けの超大接戦となりました。ということは…

サドンデス
ENMT!! vs HERMIT

選曲:栄冠のカンパネラ
試合結果:HERMIT WIN!!

 ついに大将戦でも決着つかず。べあー杯名物 ランダム選曲によるサドンデスとなりました。いくつもの悲劇ドラマを作り出した厚木ランダムは一体何をもたらすのでしょうか。
 全員が固唾を飲んで見守る中、選ばれた楽曲は壮大なメロディと大量に降り注ぐチャージノーツと高密度鍵盤が特徴の栄冠のカンパネラ「優勝」という栄冠を決めるのにふさわしい楽曲…ですがリアクションは頭を抱えるべらんめえず、活き活きとするちっちゃいものくらぶと各チーム綺麗に分かれました。そして話し合いの末、運命のサドンデスに出場するのはべらんめえずからはENMT!!選手ちっちゃいものくらぶからはHERMIT選手となりました。ENMT!!選手はR-RAN、HERMIT選手はRANDOMを選びましたが、譜面が重くなるにつれてHERMIT選手がどんどん点数を伸ばしていき、3834点を叩き出して勝利を決めました。結果が出て各チームとも筐体に集まって声をかける姿は、非常に心動かされるものだったと思います。

 サドンデスの結果、第7回べあー杯 チーム戦の優勝はちっちゃいものくらぶとなりました。ランダム選曲で選ばれた栄冠のカンパネラがHERMIT選手の得意な高密度鍵盤譜面だったのが大きかったと思います。そして涙を流して喜ぶSHIKIP選手、2回目のチーム戦優勝の喜びをかみしめるJN.1CC選手、優勝コメントを言わせてもらえないチームの活躍に心から感謝するHERMIT選手の優勝コメントは間違いなく名シーンとなりました。ちっちゃいものくらぶの皆さん、優勝おめでとうございます!
 ただ最後の最後まで全力で戦ったべらんめえずを始め、全チームとも非常に強く、そして熱い戦いを繰り広げたことは本当に凄いと思います。今回も約7時間の長丁場でしたが、最高に面白く心が震える大会だったともいます。選手の皆さん、ありがとうございました!

最後に

 毎度のことながらべあー杯を観た後はIIDXのモチベーションが大きく上がります。見ているだけで心を動かされる熱戦の数々、最高でした。そしてべあー杯はBPLプロ選手を目指すためのアピールの場であるため、今回出場した選手の中からBPLS4のプロ選手が現れることを楽しみにしています。
 そして第7回べあー杯はもちろんチーム戦だけではありませんDAY2のタッグバトルも熱すぎる戦いの連続となりました。こちらも楽しんでいただけたら幸いです。

 長くなりましたが、以上で第7回 べあー杯DAY1 チーム戦の感想は終わります。ここまで読んでいただきありがとうございました。

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